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LIVE REVIEW

9mm Parabellum Bullet "10th Anniversary Live「O」「E」"

2014.2.7 (fri) & 8 (sat) @ 日本武道館

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2014年は結成10周年となる9mm Parabellum Bullet。武道館公演は10th Anniversary Live「O」、10th Anniversary Live「E」と題し、それぞれ、これまでリリースしてきた楽曲収録順を奇数(O=Odd=奇数)と偶数(E=Even=偶数)に分け演奏するという趣向で行われた。なんとも奇をてらった企画のように思われるかもしれないが、MCでヴォーカル/ギターの菅原が語っていたように、これはベース中村の「2日間かぶらない選曲でやりたい」というアイディアから生まれた案だという。そんな風にバンドの自由な発想を現実化し、オーディエンスとともに共有してきた期間こそが、この9mm Parabellum Bulletの10年の活動なのではないかと思う。

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縦横無尽に動きまわるギター滝のプレイ、今回のライヴより導入された新たなドラムセットによりさらにパワフルになったかみじょうのドラミング、中村の変わらぬヘヴィなグルーヴを刻むベース、そしてますます存在感を増した菅原のヴォーカルの際立ち。2009年9月9日に行った「999」以来の武道館公演ということもあり、2日間通してそのパフォーマンスには余裕さえ感じさせる。

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今回は、それぞれの日のために未発表の新曲が用意された。初日Live「O」で初披露となった「オマツリサワギニ」は、タイトルの通り和のムードを感じさせるイントロとビート感からガレージーなサウンドに流れ込んでいく祝祭感に満ちたナンバー。そして2日目のLive「E」でプレイされた「EQ」は、フリーキーなギターの音色と性急なグルーヴがパンキッシュなムードを持つ楽曲。9mmのアグレッシヴさを増幅させながら、異なる世界観を持つこの2曲が今後の9mmの活動のなかでどのような位置を占めるのか、興味は尽きない。

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Live「O」は、中村がエレクトリック・アップライト・ベースに持ち替えての「キャンドルの灯を」に続き、9mm史上ライブでは初となる8人のストリングスを迎えての「カモメ」という叙情的な世界を挟みながら、破壊的な「The Silence」のエンディングまで、獰猛なバンド・アンサンブルを思う存分見せつけてくれた夜。そしてLive「E」は、「エレヴェーターに乗って」「ラストラウンド」「Bone To Love You」というシングルのカップリング曲を3曲立て続けにプレイするブロックや、再びストリングスを迎えてプレイされた「黒い森の旅人」など、ソングライティングの秀逸さをあらためて提示する姿が印象深かった。

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さらに今回、活動10周年を記念するベスト・アルバムのリリースも発表された。「今日の熱狂が蘇るようなアルバムになる」と菅原が語るように、本編全50曲にバンドの10年間を立体化した彼らが、この2日間のライヴの成果をもとに、どのようにバンドの歴史をコンパイルするのか、期待したい。

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菅原がオーディエンスに向けて「俺たちのことを発見してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えていたが、変拍子を含めた多様なリズムを使い分けカオティックなアンサンブルに挑み続ける音楽性と、心の奥底をくすぐるメロディアスな楽曲を武器に、ワン・アンド・オンリーな活動を続けてきた彼らの冒険心、そして絶妙なバランス感覚を堪能することのできる2日間だった。

Text : Kenji Komai
Photo : Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)

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