2011.2.11 (fri) @ ZEPP TOKYO, Tokyo
ACTs : サカナクション / the telephones / OGRE YOU ASSHOLE / andymori
サカナクション、the telephones、OGRE YOU ASSHOLEによるオムニバス形式のツアーも広島、福岡、大阪、名古屋と巡ってきただけあって、あいにくの雪もここZEPP TOKYOに関しては"冬祭り"をヒートアップさせる材料だ。とにかくオーディエンスの熱量、スタッフの連帯感が、開演前から伝わってくる。DJブースが2階に設置されていたためか、最初は前田博章のDJが伝わりきっていなかったような気もしたが、開演時間が迫ると踊りはじめる人も増え、いい具合にフロアが温まる。そんな最中、いきなりど頭に登場したのはサカナクションだ。


草刈(Bass)と岩寺(Guitar)がフロアタム状の太鼓を打ち鳴らす1曲目は、構成力が圧巻の「Ame(B)」。その後も「アルクアラウンド」「セントレイ」と、誰もが知ってるキラー・チューンを連発し、冒頭から会場はピークに達する。山口(Vocal & Guitar)の光を集めて放出していくようなアクション。リズム、音色、アレンジという手段を用いてハイパーなアミューズメント空間を作るような演奏そのものの完成度の高さ、要所でしか用いないが使うときはふんだんに使われたレーザーなど、ライティングも含めた総力戦という意味でも、サカナクションは今、ロックとダンスの融合なんて生易しい次元を超えて、ニュー・スタンダードを創造しつつある。この日披露された新曲には若干、気負いもあったからこそプログレッシヴな領域まで突っ込んだ『kikUUiki』以降のポップネスの兆候があった。実力が気負いを超えていた。


そして2番手は東京のみ参加のandymori。3バンド全員からのラヴ・コールで出演が実現したという。シンプルの極みのような3ピースながら相変わらず小山田の暴走する言葉・言葉・言葉、よく歌う藤原のベース、すっかり馴染んだ新ドラマー岡山も遠慮ない。名曲「1984」は後半思い切りハードコアに振り切れ、続く「楽園」のラジカルさが、小山田ヴォーカルの絶好調ぶりと相まって刺さる刺さる……、ラストは早くもリリースが決まっているアルバム・タイトル・チューン「革命」(!)を披露。曲のディティールの説明はナンセンスなので避けるが、andymoriに親しんだ人でも新たな驚きを禁じえない曲だと思う。エジプトの出来事は他人事なのか? 2011年の日本で歌われる革命とは? 発表を楽しみにしてほしい。



転換時のDJブースにはサカナクション山口も参加し、踊り、観客にカメラを向け、DJ前田のスピンへのリアクションも高まる。2階から乗り出す山口の楽しそうな様子に会場もさらにヒートアップ! そしてハイテンションの「冬祭り」の中、いつもどおりの平熱のテンション(もちろん演奏にかけるそれは凄まじく熱いが)で登場したOGRE YOU ASSHOLE。インストの「イントロ」で、演奏に集中するオーディエンス。ほぼ誰もその場を離れない。観たいバンドばかりが集まってるから当然といえば当然なのかもしれないが、それぞれのバンドに注がれる期待に、各バンドごとにきちんと似合う演出を行う誠実さで応えていることが、このイヴェントを生々しく一体感のあるものにしている要因だが、これは容易なことじゃない。話が全体論にそれたが、そのことを最も感じさせてくれたのがオウガのアクトと、それに集中するオーディエンスの関係だった。「バランス」、「ピンホール」とイマジネーションを刺激しつつ、観る者の心に映像を投影するような楽曲が続き、後半は「コインランドリー」などで体もほぐれてゆく感じ……オウガが鳴っているあいだ、ZEPPは架空の水族館のようだった。


一転、ソウルな選曲で場の空気を変える前田のDJ。そして大トリはイヴェント番長、シーンの底上げを啓蒙することを胡散臭さをブチ破り実践し得る、数少ない捨て身のパーティ・バンド(長っ)、the telephonesの登場だ。ここまで3バンド、各1時間弱のステージを見せてきた後であるにも関わらず、「I Hate DISCOOOOOOO!!!」でさらにダンスは狂暴化! まったく半端ないオーディエンスである。2曲目でノブ(Keyboards)が唐突に客席にダイヴ、しかし何事もなかったようにさっさとステージに戻るミラクル。ほとんど観客とステージ上、「どっちがミラクル?」ぐらいの勢いで楽しく限界突破していく。中には「何故、今日こんなに元気なんだろ?」と感じたお客さんもいただろう。それぐらい、体力は消耗しても何か新たなパワーが、アクトごとに注入される、そんな時間が過ぎていく。the telephonesは終盤、「D.A.N.C.E to the telephones!!!」、「Monkey DISCOOOOOOO」を連打。明るく踊り・暴れることが出来る必殺チューンがZEPPの空気圧をマックスに引き上げる。日本がもうダメだなんて誰が言ったんだ? ここにいるようなヤツらがいる限りそんな心配ないんでは? と能天気に思えるぐらい、空間自体がタフだ。ワンマン・ライヴを4組見たような充実感と、バトルする意識が生む高揚感。


アンコールで出てきたthe telephones石毛が「サカナクションの完成度は真似できない」、「andyはホント好きなんだよね。今日はみんなで頼んで出てもらいました」、「オウガは日本を代表するインディペンデントなバンド!」と各バンドを改めて絶賛。こうして言葉にする人がいて前進する何かも確かにあるのだ。アーティストとオーディエンスが、オムニバス・ライヴの新しい在り方を示した記念すべき日、そしてシリーズになった。
Text : Yuka Ishizumi
Photo : Kazumichi Kokei
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