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LIVE REVIEW

Nothing's Carved In Stone "GET THE ROCK OUT ! 10"

2009.2.27 (fri) @ Daikanyama UNIT, Tokyo
ACTs : BlieAN / OGRE YOU ASSHOLE / Nothing's Carved In Stone

ELLEGARDENの活動休止を期に、ギターの生形真一が中心となって結成されたNothing's Carved In Stone。話題を集める彼らの初ライヴが、代官山UNITでのイベント『GET THE ROCK OUT ! 10』でついに敢行された。

ボン・スコット時代のAC/DCのナンバーが流れる会場は、いうまでもなく超満員札止め状態。そんな中、最初に登場したバンドは、2月に1stフル・アルバム『so what ?』をリリースした3ピース・バンド、BlieAN。硬派、骨太というキーワードが駆けめぐる、荒々しく爆走していくサウンドは破壊力抜群。要所要所で光るセンシティヴなメロディも彼らの持ち味。ベースとギターがユニゾンでライトハンド奏法を披露し、3人が一体となり上へ上へと上昇していくようなアンサンブルを聴かせるエンディングには、かなりのカタルシスを覚えた。

続いてのバンドは、シングル「ピンホール」でメジャー・デビューを飾ったばかりのOGRE YOU ASSHOLE。ソフトなサイケデリア感溢れるギター・サウンド、タイトで力強いリズム隊、そしてハイトーンの歌が重なり合い、ミッド・テンポのナンバーを次々と聴かせていく。この日のライヴでは、音源以上に浮遊感たっぷりの大きな世界観を披露。USインディ的なサウンドと和なメロディのマッチングは彼らならではのもの。そこに乗る日本語詞の言葉のチョイスも絶妙だ。泣きのギター・ソロ、展開の多い曲構成、ダークさと明るさのコントラストといい、彼らの成長ぶりを伺わせるステージに魅了されてしまった。

さて、お次はいよいよNothing's Carved In Stoneの登場だ。ギター・生形真一、ベース・ストレイテナーの日向秀和、ドラム・FULLARMORの大喜多崇規、そしてボーカル&ギターはABSTRACT MASHの村松拓という強力なメンツ。4人がステージに現れるとフロアから大歓声が巻き起こる。

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そして1曲目がスタートすると、鋭く疾走感たっぷりのサウンドにいきなり圧倒された。アルペジオを多用したギター、ブイブイとうなりをあげるベース、パワフルなドラム、クールなヴォーカルと、4人が個性をぶつけ合いながら、メタリックで一体感のある演奏をブチかます。それに呼応するように、オーディエンスは大ヒートアップ。ポップでメロディアスなミッド・チューンの2曲目では、日向がスラップでいいアクセントを醸し出す。爆発力と変則的なリズムが炸裂する3曲目では、生形がヘッドバンギングしながらギターを弾き倒す。

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さすがに最初は初ライヴの緊張感もあった4人だが、楽曲が進むに連れその固さも取れ、ライブ途中からは、とにかく演奏を楽しんでるなというのがステージから伝わってくる。そんなメンバーのたたずまいと雰囲気が凄くいい。それにしても、これが初ライヴ? と思うほど4人の息はピッタリ。変則的なビートや凝ったギターの音色、そして存在感たっぷりな村松のボーカルなど、Nothing's Carved In Stoneとしての音の世界観がすでに確立されてるのだ。

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4人が一丸となり勢いとパワーを見せる6曲目から、メロディアスなサビを聴かせつつ後半に向かってダイナミックに広がっていく7曲目で、彼らの初ライヴはフィニッシュ。生形の「今日はすごく楽しかった」という言葉と4人の笑顔が、この日のライヴのすべてを物語っていた。

短いながらも濃密な今回のライヴで、バンドのポテンシャルを見せてくれたNothing's Carved In Stone。だが、彼らの戦いは始まったばかり。ここから彼らがどんな進化をしていくのか楽しみでしかたない。そして、5月にリリースが決定したアルバムの期待度も否が応でも高まってしまった。そんな彼らの今後の可能性を存分に感じ取れる、パワーみなぎる内容だった。

Text : Keisuke Tsuchiya
Photo : Rui Hashimoto

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