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LIVE REVIEW

COKEHEAD HIPSTERS "「PLAYBACK IN THE CIRCLE VOL.10-COVERHEAD HIPSTERS RELEASE PARTY-」~SHELTER 20th Anniversary~"

2011.2.26 (sat) @ Shimokitazawa SHELTER, Tokyo
ACTs : COKEHEAD HIPSTERS / COVERHEAD HIPSTERS

規制も束縛もタブーもなく、ひとつあるのは誰もやってないことをやる。1991年の結成当時からそのスタンスは全くブレてない。それどころか、07年再結成以降、彼らはシーンに目配せすることなく、音楽を伸び伸びと楽しんでいるように思える。COKEHEAD HIPSTERSがエイベックスからカヴァー集『COVERHEAD HIPSTERS』を出したのも昔だったらナシかもしれないが、今はアリにできる幅と懐の深さを持った証だろう。今作は過去のカヴァー曲をメインに再録3曲、さらに新録となるQUEENの「WE WILL ROCK YOU」を加えた内容で今日はそのレコ発となった。

オープニングはCOKEHEAD HIPSTERS、そしてトリを務めるのがCOVERHEAD HIPSTERSという、いささかややこしいのだが(再結成以降、彼らはカヴァー専門バンドとしてCOVERHEAD HIPSTERSを立ち上げた。ただし、カヴァー集はバンド名義にしておかないと、混乱を招くためにCOVERHEAD HIPSTERSと銘打ったというわけである)、ふたつの顔を持つ同一バンド、リバーシブルOKの"前代未聞"のライヴがはじまった。

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身動きが取れないほど激混み状態のフロアに、まずはCOKEHEAD HIPSTERSが颯爽と現れる。バンド自身も久々にやる曲と公言しながら、「YOUR PROMISE」を皮切りに、「HIDING TRUTH」、「I'M IN EARNEST」、「BUTT DISGUST」と懐かしい曲を連発し、オールド・ファンたちをシビれさせた。ファースト・アルバムから「NO WAY」まで飛び出し、MURA(Drums)は「普段やらないからコピーした」、SANO(Guitar)は「ギター・フレーズが飛ぶ(笑)」と冗談交じりにコメントしていたが、もはやオリジナル曲をカヴァーしている感覚に近いのだろう。とはいえ、ザクザクのスラッシュから軽快なスカ・リズム、ハードコア調の絶叫からコマツ特有の高音が冴え渡るラップまで、硬軟縦横に暴れ回るダイナミズムは全く錆ついてない。80年代にロックとヒップホップの異種交流が盛んになり、レッチリが90年代突入と共に何でもありのミクスチャー路線でジャンルの敷居をぶち壊した、あの時代の空気や精神がイキイキと脈打っている。重層的ではなく、パーっと平明に音を解き放ち、次々と飛び石のような身軽さでジャンルを横断していく。その天衣無縫のグルーヴは、理性より本能に訴えてくるエネルギッシュなパワーに満ち溢れていた。そのパーティー感はCOVERHEAD HIPSTERSにも通底する部分だ。いや、体が温まっている分、演奏はより一層加速度が増していた。

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お馴染みの「CONCRETE JUNGLE」(THE SPECIALS)で火蓋を切ると、待ってました! と言わんばかりに場内はお祭り騒ぎに突入した。中盤、頻繁に助っ人参加しているOi-SKALLMATESのHIROSHI BROWN(Trombone)、NORIHIDE(Trumpet)を迎え、「THAT'S ENOUGH」(SNUFF)、「MY SHARONA」(THE KNACK)、「VIDEO KILLED THE RADIO STAR」(THE BUGGLES)、「COME ON EILEEN」(Dexys Midnight Runner)と4曲立て続けに演奏すると、シンガロングの嵐となり、凄まじい一体感を生み出していた。そして、本編最後の「WE WILL ROCK YOU」は音源より数段ロック色の強いアレンジで、強靭なスプリングと化した起伏感に圧倒されてしまった。一部、二部ときっちり11曲ずつやり終え、アンコールに応えようとするものの「結構……マジでこれがラスト」とKOMATSU(Vocal)が言った後、最後は超ヘヴィなリフで畳みかける「TOO DRUNK TO FUCK」(DEAD KENNEDYS)で大団円となった。

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オリジナルとカヴァーの2部構成、つまり2本のライヴを一気に駆け抜けた彼ら。昔も今もこんなことを平然とやってのけるバンドは、そうそういないだろう。オリジナル曲はもちろん、カヴァー曲においても、似た切り口を使わない彼らだからこそ成立させられた素晴らしいパフォーマンスだった。

Text : Ryosuke Arakane
Photo : Yuji Honda




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COKEHEAD HIPSTERS

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