2008.4.8 (tue) @ Shibuya O-WEST
ACTs : 8otto / FRONTIER BACKYARD
FRONTIER BACKYARDがゲストを迎え、隔月で行っているイベント"NEO CLASSICAL"。今月は名古屋、大阪とCOMEBACK MY DAUGHTERSを迎えたが、この日は、フロム大阪のオルタナティヴ・ロック・バンド、8otto(オットー)を迎えて開催された。
1曲目「RIWO」から、キメを挟みながらサウンドに独特のグルーヴを生み、いつもの"NEO CLASSICAL"とはまた一味違った緊張感でO-WESTを埋めていく。
2曲目の「「0zero」」の腰の据わったベースとループするギター・フレーズがスタートした瞬間、そのムードは一気に興奮へと変化して、マエノソノマサキのヴォーカルと歌うようなドラムが、さらに盛り上げていく。無骨なまでにシンプルなメロディ、歌、そしてジリジリとこちらの衝動を煽るような演奏から、ロックの本来持つかっこよさが立ち上ってくるようだ。
彼らの曲にはほんとんどと言っていいほどアウトロがなく、そういえば、彼らが登場する際のSEもなかった。間に挟むMCも、ごく短くシンプルなもので、あとはひたすら、彼らはリズムを刻み、メロディを描き、歌を歌っている。それは、ストイックという言葉ともまた違っていて、彼ら自身が自分たちの音楽そのものを楽しむために余計なものを省いたような、前向きなシンプルさとでも表現したいものだった。
ラストの「Voo Doo バウアー」で、マエノソノがステージ上やフロアを動き、感情を爆発させるように「ウィガッタバイブレーション!」と叫ぶ。フロアも、興奮とその叫びに突き動かされ、大きく揺れた。ロックそのものを体現したような彼らのライヴに、観客もまた身体で応えていた。
続くFRONTIER BACKYARDも、TGMXがMCで「僕らも触発されました!」と言っていただけに、この日の彼らはいつもにも増して激しかった! 1曲目「MY TIMBLE」から、いつもにも増してメンバーのパフォーマンス、演奏ともにアッパーにスタート。「Do it!」では、本能的とも言いたいような自由な演奏がすばらしかった。
一転、「Wish」ではダウンテンポかつシンプルなアレンジで、そのまばゆい風景を歌った歌詞をじっくりと聴かせる。しとしとと春の雨が降る肌寒い日だったけれど、外のことを忘れさせるようでもあった。そして新曲「prism force」「White World」と、怒涛の後半!というところで、TGMXが“タイム”というようなサインをスタッフに送ると、一旦ステージから姿を消してしまった。今まさに盛り上がろうとしていたフロアは、一瞬「?」というムードに包まれたものの、再び「MY TIMBRE」でメンバーが登場したことで、抑えていた興奮が噴出したよう。
その後は、「the room」「more demand shatter」、アンコールでのマノ・ネグラのカヴァー「junky beat」、「Flower of Shanider」と、まさに今の彼らを表現しているかのような曲を連発してライヴは終了。
つねに、何かに頼ることなく、ただただ良い演奏と歌、そして激しいパフォーマンスで、本当にかっこいいライヴを観せてくれるバンドだけれど、この日は、途中の仕切り直しとも思える展開も含めて、客席の隅々までが一体となれる状況を作り上げようとする彼らの気概と、それを実現することのできるパワーを漲らせたメンバーの姿が本当に心に残った。"NEO CLASSICAL"の楽しみは、バラエティ豊かな対バン相手はもちろん、何よりも、ライヴごとに魅力を深めていく彼ら自身のパフォーマンスと言える。
Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : 8otto:Ryo Nakajima(SyncThings) FBY:Rui Hashimoto