2014.4.17 (thu) @ SHIBUYA-AX, Tokyo
Nothing's Carved In Stoneの自主企画による2マン・イベント "Hand In Hand"。この日を含め、札幌ペニーレーン24でcinema staffと、そして翌日の大阪・なんばHatchでthe telephonesとの対バンが繰り広げられた。
東京公演となるSHIBUYA-AXに最初に登場したのはDragon Ash。「陽はまたのぼりくりかえす」のイントロが鳴り響き、場内がどよめく。ニュー・アルバム『THE FACES』に伴うツアー "THE SHOW MUST GO ON" の最中で、5月30日には初となる日本武道館公演を控えている彼ら。まさに脂の乗り切ったコンディションということで、最新作からの楽曲はもちろん、「Fantasista」「Lily」「Viva la Revolution」といった代表曲も盛り込まれ、「悔いのないようにやらせてもらう」というKjの言葉の通り、5月30日で営業終了となるAXへのはなむけとも言えるセットリストだった。「ナッシングスのベースもヤベえけどうちも負けてないんじゃないか」というKjのMCの後のKenKenのず太いプレイも圧巻。ラストの「Curtain Call」まで、衒いのないパフォーマンスからは、ミクスチャー・ロックを打ち出して活動を続けてきたことへの自負と風格が感じられた。
そしてNothing's Carved In Stone、新木場STUDIO COAST 2daysで締めくくった1月の "Dive Into The Crimson Tour" の余韻を引き継ぐように、オープニングは「ツバメクリムゾン」でスタート。このストレートさエモーショナルな感覚が現在のナッシングスのムードであることを再確認するオープニングから、その生々しさを持ってアップデートされた「Spirit Inspiration」「Out of Control」が続く。
変拍子を導入したアブストラクトな「Spiralbreak」もロックな爆発力で聴かせた後、「AXに出始めた頃からやってる曲」ということで「November 15th」もプレイ。この曲のリリースから5年が経っていることをしみじみと感じながら、常にイノヴェイティヴにアップデートを繰り返してきたNothing's Carved In Stoneの楽曲だが、そこにはリスナーがその時々の喜怒哀楽を投影できるエモーションが宿っていることが痛切に伝わってきた瞬間だった。さらに「ひとりのときにみんなの力になれるように」という村松のMCの後披露された「Red light」の感情を揺さぶられるメロディには感極まるものがあった。
「リスペクトできる相手としかやらない」"Hand In Hand" のテーマの通り、共演を果たしたDragon Ashへのエールを送り突入した後半戦、無数のクラウドサーフが繰り広げられるフロアとの一体感がバツグンだった「Isolation」そして本編最後は「きらめきの花」。オルタナティヴな質感を保ったまま、より包容力をたたえた楽曲の世界へ広がりを見せ、繰り返されるソリッドな音の冒険と同時に、ライヴハウスという空間のシンプルな楽しさを共有できるバンドへ─また何度でもナッシングスのライヴを体感したい!!と思わせてくれる爽快かつドラマティックなエンディングだった。
Text : Kenji Komai
Photo : Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)