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LIVE REVIEW

"BAD FOOD STUFF -CLASSICS-"

2012.4.28 (sat) Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
ACTs : BACK DROP BOMB / BRAHMAN / HUSKING BEE / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / SCAFULL KING

個性が強すぎるゆえ、同類のバンドやシーンが見当たらない。じゃあ、そういう奴らで固まれば面白いんじゃないか。BACK DROP BOMB、BRAHMAN、SCAFULL KING、SUPER STUPIDの4バンドが集い、97年から始まったイヴェント "BAD FOOD STUFF" は、そんな動機から始まった。残念ながら00年にその幕を閉じたが、今年12年ぶりにまさかの復活を遂げた。昨年は "AIR JAM 2011" 、今年2月に "Devilock Night THE FINAL" と続き、90年代のインディーズ・シーンを語る上で欠かせない名物イヴェントが話題を呼んだ。今回もそうしたバック・トゥ・90'Sの流れと、震災以降、改めて音楽のパワーを再認識したバンドマンの結束力がクロスした結果だろう。仙台を皮切りに福岡で締め括る全国5カ所に渡るツアーは、各地メンツが微妙に違うあたりもユニークだった。その中日にあたる新木場スタジオコーストは、初日のZEPP仙台公演と同じ、HUSKING BEEを加えた5バンドで行われた。

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BRAHMAN

開演時刻30分前に会場入りしたが、既に1階、2階とも準備万端の観客でビッシリ埋まっていた。15時半ジャスト、聴き慣れた民族風SEが流れると、トップはBRAHMANではないか! しかもいきなり日本語詞の新曲を披露し、「街中に火が灯り~♪」と震災以降のTOSHI-LOW(Vo)のMCを歌詞にしたような温かいミディアム曲だった。それから「THE ONLY WAY」に移ると、ハードコア並みの熱量で一気呵成に畳みかける。後半、ねじ曲がったマイクスタンドを握り締めたままダイヴをかますTOSHI-LOWの鬼神のごとき熱量に圧倒された。「LOW IQ 01は老衰で亡くなりました」とイッちゃんをいじり倒すMCから一転、後悔しないために意固地にならなくていいんじゃねぇかと熱く語りかけた後、最後は「霹靂」でありったけのエモーションを吐き出す。

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BACK DROP BOMB

最新にして最善作『THE OCRACY』を今年発表したばかりのBACK DROP BOMBはホーン隊2人を従え、新旧のおいしいところをつまんだ絶妙な選曲でフロアを沸かす。バンド名を冠した初期の名曲「BACK DROP BOMB」にキッズ魂を呼び覚まされ、続けてファンキーな「PROGRESS」、ダンサブルなノリが最高で凄まじくライヴ映えしていた「CRUCIAL DANCE」、IGNITION MANをフィーチャーした「THE SOUND DISTILLATION」では往年のミクスチャー感を炸裂させ、最新作の楽曲はどれも好リアクションを得ていた。今のBDBは、心の尖端と体の芯を同時に揺さぶってくる。ちなみに、イッちゃんをいじるMCは白川(Vo)が引き継いでいた。

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LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS

「外にいたから、TOSHI-LOWのMCがわからなくて、会う人みんな笑うのよ。生きてます!」とイッちゃんが宣言すると、ASPARAGUSの渡邊忍(G)と一瀬正和(Dr)、CUBISMO GRAFICO FIVE、ロロロ(クチロロ)の村田シゲ(B)という布陣でLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSがスタート! シノッピはコーラスにも加わり、楽曲にまた違う色を添え、イッちゃんの歌声と抜群の相性を見せ、これは嬉しい驚きだった。

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SCAFULL KING

ステージに登場するやハンドクラップの嵐を起こしたのはSCAFULL KINGで、改めてその人気の高さを痛感した。確かに徹頭徹尾パーティーで押しまくる曲調に抗う方が無理だろう。次のライヴは決まっていないと零していたが、その神出鬼没ぶりも熱狂に拍車をかけている要因かもしれない。とはいえ、楽曲を知らなくても輪の中に入れるアッパーなノリは、錆付くどころか常に新鮮に響く。マジで素晴らしかった。

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HUSIKING BEE

トリは今年2月に開催された "Devilock Night THE FINAL" で7年ぶりに復活したHUSKING BEEだ。locofrankのTatsuya(Dr)を迎え、磯部正文(Vo/G)、平林一哉(G/Vo)、工藤哲也(B)が再びステージに立つ。「#4」で始まると、ドドドーッと観客が前に押し寄せ、大合唱となる。終始、彼らの口ずさみやすいメロディが会場を束ねている様は壮観だった。「東京でまたやれて嬉しいです。でもこの形態で何回やるんでしょうか」とテッキンはニヤニヤした表情で言っていたが、その和気あいあいとしたムードも最高だった。アンコールは「摩訶不思議テーゼ」、「WALK」と畳みかけ、天上に突き上げられた拳の多さに胸の奥が熱くなってしまった。「今日トリになったのはテッキンさんの仕事の都合なんだよね」とイッソンがネタばらし(*ちなみにBRAHMANがトップに出たのは翌日に荒吐フェスがあったから)していたが、そのフラットな連帯感もこの世代ならではの魅力と言える。当時の『BAD FOOD STUFF』もジャンケンで出順を決めていた、というエピソードもあるくらいだ。緊張感はありながらも、友達ノリを忘れないある種独特の空気感は・・・12年の時を経ても変わらない。それがまた多くの人に愛される理由なのかもしれない。

Text : Ryosuke Arakane
Photo : Tsukasa Miyoshi (Showcase)


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