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LIVE REVIEW

"KINGS VOL.2"

2009.5.6 (wed) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo
ACTs : The Brixton Academy / the telephones / PILLS EMPIRE / THE BAWDIES / QUATTRO
DJ : FREE THROW

The Brixton Academy、the telephones、PILLS EMPIRE、THE BAWDIES、QUATTROという、イキのいい注目株の5バンドが集結したイベント『KINGS VOL.2』が、恵比寿リキッドルームで行われた。バンドのジャンルは違えど志は同じ。もちろんそれは観客も一緒だ。そんな熱い空気が会場中にみなぎっている。その隙間をさらに繋いでいくのはDJチーム、FREE THROWによるプレイ。DJタイムから、踊ったり騒いだりとかなり自由な感じで観客ひとりひとりがエンジョイしていた。


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QUATTRO


イベントのトップバッターは、岩本(Vo,G)、中島(B)、照沼(Dr)、松坂(G)、佐藤(Key)からなるQUATTRO。オルガンとベースとギターが絡み合う、ファンキーでジャムバンド的な「21」からライヴがスタート。岩本の伸びのあるヴォーカル、各楽器のコンビネーションが抜群のアンサンブルを聴かせ、観客をQUATTROの世界観へと引き込んでいく。ブルージーかつパワフルなサウンドを聴かせたかと思えば、高速で熱いナンバーを披露し、かと思えばカントリーなナンバーも聴かせる。振り幅の広い楽曲は、CDで聴く以上に力強くグルーヴィ。ラストは、60年代のR&B、ブリティッシュ・ビート的な「HEY」で、観客も一緒にシャウト!


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THE BAWDIES


2番手に登場は、4月にメジャー・デビュー・アルバム『THIS IS MY STORY』をリリースした、スーツに身を包んだ4人組、THE BAWDIES。ROY(Vo,B)、TAXMAN(G)、JIM(G)、MARCY(Dr)による、ブリティッシュ・ビート、ガレージ・バンド直系の彼ら。ROYの「今日はロックンロール・パーティだ。みんな踊ろうぜ!」という声から、モータウン・ビートの軽快なナンバー「I'M IN LOVE WITH YOU」をプレイ。タイトな演奏、ROYのワイルドでハスキーなヴォーカル、そしてきれいなハーモニーが絶妙のマッチングで、観客をダンスホールへ誘う。ファズ・ギターが冴えまくる「FORGIVE ME」、観客のハンドクラップもバッチリ決まった「NOBODY KNOWS MY SORROW」と、次々にゴキゲンなナンバーを繰り出す彼ら。「ロックンロールは個人のものじゃなくて、どれだけ楽しいパーティができるかってこと」というROYのMCには大歓声が上がる。それを実践しているのが、まさにこの空間だ。ビートが跳ねまくる「EMOTION POTION」、小粋なロックンロール・ナンバー「I BEG YOU」を披露し、彼らの熱いショーは終了。


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PILLS EMPIRE


お次の出番は、Naoya Shimomoto(Vo,B)、Toshinobu Kokubu(Vo,G,Syn,etc)、Kazato Hiei(G,Syn)、Yuto Tanihira(Dr,Cho)からなるPILLS EMPIRE。先ほどまでの60Sの世界から、会場の雰囲気はガラリと変わって、ステージ上のアンプの回りも電飾がキラキラ、ガシガシのダンス・ビート、シンセの飛び音が鳴りまくる。そして「Kubrick Syndicate」から、ブッといベースが響くワイルドな4つ打ちチューンを、生のバンド編成で叩きだす。彼らのサウンドは、テクノとロックが融合した破壊的なパワーに満ち溢れており、さらに、ニュー・ウェイヴ、ゴシックなムードも加味されている。そのサウンドに促されて、観客もダンス! 「Manchester」では、Naoyaがフロアの後ろまで行って観客を煽り、会場はまさにカオス状態。ラストの「Eins、Zwei、Drei」で、NaoyaはDJブースの前で踊り、ステージに戻ったかと思えば、最後はドラムセットに突っ込んでフィニッシュ! PILLS EMPIREの圧倒的な存在感が、観客の心に焼きついたはずだ。


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the telephones


4番目のバンドは、7月8日にメジャー・デビュー・アルバム『DANCE FLOOR MONSTERS』をリリースするthe telephones。石毛輝(Vo,G,Syn)、長島涼平(B,Cho)、岡本伸明(Syn,Cho)、松本誠治(Dr)の4人は、アフロのカツラでステージに登場し(すぐ脱ぎ捨てた)、石毛の「アー・ユー・ディスコ?!」のシャウトから「D.A.N.C.E. to the telephones!!!」をプレイ。疾走感あふれるダンサブルなサウンドで、観客は大歓声とタテノリのダンスの嵐。「sick rocks」「electric girl」と次々と怒涛のナンバーを披露。会場は、まるで丸ごとジェットコースターに乗っけられたような様相である。「今日は来てくれて嬉しい。10年20年経っても色褪せない1日にしたい。もうなってるけどね」という石毛のMCは、出演者、観客の気持ちを代弁しているかのようだ。7月にリリースされるアルバムから先行配信曲の「Monkey Discooooooo」を演奏し、続けざまに「RIOT!!!」とテンションはアガりっぱなし。そして、上昇していくようなメロディが印象的な「Love & DISCO」で、観客は大ヒートアップ! 今年の夏、彼らの大活躍っぷりはまちがいないだろう。


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The Brixton Academy


そして、この日のトリは、4月に初作品『TBA』を発表したThe Brixton Academy。吉村直人(Vo)、米山幸利(G,Syn)、後藤(B)、鶴田亮(Dr)の4人は、初期ニュー・オーダーを彷彿させる「Strangers」から始まり、エレポップな「See You」など、80'sニュー・ウェイヴ直系なサウンドを聴かせていく。決して演奏がうまいわけではないが、そこがいい。それこそがニュー・ウェイヴ・バンドの正しい解釈といってしまってもいいほどだ。気がつけば、PILLS EMPIREのNaoyaがステージで踊っているではないか。淡々としたビートとセンシティヴなメロディがグッとくる「Turn Around」もかなり良かった。

こうして今回の『Kings Vol.2』は幕を閉じた。長丁場ではあったが、振り返ればあっという間だったような気がする。バンドとDJを並列でずっと楽しんでいた観客(エラい!)の満足度も相当高かったはず。よく、"次の時代を担う"と形容されがちだが、彼らこそ確実に今を突き進んでいるバンドなのだ。そして荒々しくフレッシュで汗びっしょりな感じ。この瞬間こそ、美しく清々しいものなのだ。

Text : Keisuke Tsuchiya
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)


QUATTRO Set List
01. 21
02. stone
03. question#7
04. Bounce Tou Bounce
05. (New Song)
06. HEY

THE BAWDIES Set List
01. I'M IN LOVE WITH YOU
02. FORGIVE ME
03. YOU GOTTA DANCE
04. NOBODY KNOWS MY SORROW
05. TINY JAMES
06. LEAVE YOUR TROUBLES
07. EMOTION POTION
08. I BEG YOU

PILLS EMPIRE Set List
01. Kubrick Syndicate
02. Suicide Candy
03. Manchester
04. Demophobia
05. Goose Step Railway
06. Eins,Zwei,Drei

the telephones Set List
01. D.A.N.C.E to the telephones!!!
02. sick rocks
03. urban disco
04. electric girl
05. Monkey Discooooooo
06. RIOT!!!
07. Love&DISCO

The Brixton Academy Set List
01. Strangers
02. See You
03. Beat Repetition
04. Night Club
05. In My Arms
06. Turn Around


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