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LIVE REVIEW

FULLARMOR "CATARACT RELEASE TOUR"

2008.4.29 (tue) @ Daikanyama UNIT

当サイトではもう改めて説明するまでもない4人衆、FULLARMOR。ツインベースという特異なスタイルから生み出される芳醇な音、何が飛び出すかわからないインプロビゼーション的スリル、そして、決してメインのバンドでできないことのはけ口だったり、単なるセッションでの思いつきではなく、その経験値を存分に活かし、しっかりとしたポップ・センスを持つメロディアスな楽曲として見事に成立していること。

メンバーそれぞれが高い音楽的スキルを持っていることはもちろんだが、それぞれのバンドと平行しながらの活動によるフィードバックが、作品ごとにどんどん濃縮されていく。ここ数年で何度か彼らのライヴを観ている中でも、いくつかの変化・転機があったように感じる。端的に言えばホリエのヴォーカル曲がなくなり、インストゥルメンタル・バンドとしての可能性を追求し始めているのだという印象もあった(後述するが、この思い込みはこの夜あっさりと崩れることになる)。

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通算3作目となる『CATARACT』によって、FULLARMORの本性というか、この4人で音を鳴らす瞬間のダイナミズム、自由な実験精神と楽しさというものがいよいよ明らかになっていると思う。

アルバム・リリースを記念してのツアー初日が開催されたUNITはほぼ満員で、このキャパシティでさえ彼らにとってはもう狭くなっているのだということを感じる。日向によるブレイクビーツ的なインスト「AM12:00」をSEに、メンバーが登場。金髪になった彼のルックスにも驚かされつつ、アルバムのオープナーでもある「ELEPHANT KING」からスタート。作品ではSOIL& "PIMP" SESSIONSの盟友タブゾンビのトランペットが絡み合うナンバーで、残念ながらタブは不参戦だったが、ロック的疾走感でグッと待ち望んだオーディエンスを掴んでいく。

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この夜は、バックのスクリーンには楽曲に応じてサイケデリックな文様や刻々と変化するビジュアルが映し出され、彼らの音像を見事にサポートする。セカンド『ZION』から「#5」「Marco Paulo」と続き、変拍子を活かしたグルーヴ、トリッキーなファンクネス、次々と起伏を持って続いていくストーリー性に溢れた展開がスペクタクルとなって押し寄せてくる。

ところで、こうした野性的なサウンドを繰り広げながら、それに反してFULLARMORのMCというのはいつもなごやかだ。それが魅力でもあるのだけれど、この夜もなんともカジュアルでアットホームな4人のダベリ(笑)は、ファンにとってはより親近感を高める場として機能しているのだと思う。

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ホリエの瑞々しいキーボードの音色が響き渡る「Good Morning Charlie」や「CATARACT」のようなFULLARMORのリリカルな面がよく表れた楽曲、そしてハードコアな「華厳-kegon」と、緩急に富んだ楽曲が最新作から、そして『ZION』から披露される。日向は作品と同様に途中ギターに持ち替えながら、つねに太さと繊細さを持って音を鳴らし、井澤も時にそれと同じベクトルで、そして背反する方向性でリズムを刻み、大喜多とともに重層的な低音を作り上げる。

セットの中程では新曲も聴くことができた。通称「マムシ」はソリッドで畳み掛けるようなアンサンブルがまさに大地を駆け抜けるマムシのよう(?)。そして「フォグライト」と紹介された楽曲は、8分の6拍子のリズムと、スモークそしてスポットの演出もあいまって、夜の美しさを感じさせるなんとも美しいナンバーだった。そしてこの日、ファンの間では知られざる名曲として知られていた「DELITE」もプレイ。以前はライヴでも演奏されていた、ホリエがヴォーカルをとる楽曲が新たによみがえっていた。サビのシンフォニックなアレンジが胸に迫る。

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ホリエの「じゃあエモい感じで」という言葉の後の後半は、怒涛の展開。「GERMAN BREAD」「LION」という必殺の楽曲で本編は終了。アンコールでは、なにを演奏してほしいかリクエストをオーディエンスに募りながら、「マムシ」「ELEPHANT KING」をぶちかましてこの夜は終演した。
 
繰り返しになるけれど、インストで貫き通すと思ったら、突如ヴォーカル曲を再び加えてみたり、ダブルベースにこだわらずギターを導入してみたり。とにかくつねにFULLARMORにはこの規格外の自由さ、衝動のおもむくままに活動を続ける興奮がある。この4人が結集するたびに生まれる新たなアイディアが、これからも溢れ出るほどに、作品においてもライヴにおいても届けられることを願う。

Text : Kenji Komai
Photo : Rui Hashimoto

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