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LIVE REVIEW

PUNK ROCK CONFIDENTIAL JAPAN presents "PUNKAFOOLIC! TOKYO 2008"

2008.6.4 (web) @ Shibuya O-EAST
ACTs : MARS EURYTHMICS / YOLZ IN THE SKY / bloodthirsty butchers / kamome kamome / BRAHMAN

昨年4月の創刊以来、早くも日本のパンク・ロック・ファンにお馴染みの存在となった雑誌「PUNK ROCK CONFIDENTIAL JAPAN」が贈るイベントの初日。「3日間のトップを飾らせていただきます」と、最初に登場したMARS EURYTHMICSは、懐の大きな4人のアンサンブルと伸びやかな磯部のボーカルにより、それぞれが静かな、しかし力強いドラマを持つ楽曲の躍動感には背筋が伸びる思いだ。言葉がダイレクトにとびこんでくる「カカオ82%」、そして「価値ある形」に大感動。ギュッと握りしめた拳のように強固な意志、絶対に消費されない表現は、僕らを叱咤激励してくれる。

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ところでこの『PUNKAFOOLIC! TOKYO 2008』、O-EASTのフロアに2つのステージが用意されており、ちょうどフェスとライヴハウス・イベントの中間のような開放的なムードと、スピーディな転換が印象的。続いて、向かって右側に位置する小さめのステージから「どうもこんばんは、踊りませんか」という一声とともにプレイをスタートさせたYOLZ IN THE SKY。ハードコアのDNAを持ちながら、まるでノイ!のような硬質でアグレッシヴなビートに乗るヒステリックなボーカルは、嫉妬するほどかっこいい。

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続いてメインのステージにはbloodthirsty butchers。いつ聴いても胸かきむしられる「荒野ニオケルbloodthirsty butchers」、90年代オルタナを思わせる明快なメロディを持つ「nagisanite」といった詩的かつパワフルなレパートリーを組み込んだ、重厚でありながらリリカルなセットがバンドの次の方向性を示唆しているかのよう。新曲「フランジングサン」もまた、その名の通りじりじりとした大陽の光をイメージさせるディープかつリリカルなナンバーで、新作にも期待が高まるところだ。

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そしてサブステージに現れたkamome kamome。変拍子を存分に組み込み構築された過剰なほどドラマティックな楽曲センスはもちろん、デス声と美しいボーカルを使い分けるカリスマティックな向達郎の動きに目が釘付けになる。編集長WAKA氏への賛辞も含めたパフォーマンスは完成度の高いものであった。

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いつものブルガリアン・ヴォイスが鳴り響き、トリを飾るBRAHMANが「Kamuy-pirma」を舞台の幕が下りたままゆったりとプレイし、続く「The only way」でたちまち瞬発力を増していく。"Tour“Autonomy”"も終盤を迎えようとするこの夜は、数多くのライヴを経てさらにタイトでしなやかさを増したバンドの姿があった。セットリスト的にも、ツアーのセットをさらに磨き込んだ、最新モードのBRAHMANといったところ。フロアではダイブが続くなか、ラストの「Silent day」まで間髪入れないその流れは圧巻。長いアンコールを求める拍手の後、半裸のTOSHI-LOWをはじめメンバーが登場。「CHERRIES WERE MADE FOR EATING」「GOIN'DOWN」「FOR ONE'S LIFE」と再び堰を切ったように3曲を演奏し終了。

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ブッチャーズ、BRAHMAN、そしてかつてHUSKING BEEを率いた磯部のマーズという日本のオルタネイティヴなシーンの立役者が一堂に会するだけでも奇跡的なことだが、パンクロックをライフスタイルとして提示するPunk Rock Confidential主催の夜だけに、各アーティストはそれぞれのスタンスで、パンクのスピリットを十二分に焚きつけられたようだ。

Text : Kenji Komai
Photo : Wataru Umeda


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