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UNCHAIN "rapture TOUR 2008 -Semi Final-"

3月に1stフルアルバム『rapture』をリリースし、全国ツアーを展開してきたUNCHAIN。インディーズ時代の人気ナンバーのリテイクや、すでにライヴではおなじみとなっている楽曲を含む、現在のバンドのすべてを詰め込んだ新作を引っさげてのツアーだけに、この日の東京ワンマンも大充実の内容だった。

“グルーヴ・ロック”という今のテイストをまといながらも、ソウル～AORといった60年代70年代のサウンドをその根底に感じさせる彼ら。ライヴのオープニングを飾った「Don’t Need Your Love」「Always Shining」でも、ソウルフルな谷川正憲のヴォーカルと、ツアーで鍛え上げられてきただろう佐藤将文（G）、谷浩彰（B）のコーラスが、リキッドルームを黒く染めていく。

フロアから自然と湧き上がったハンドクラップからスタートしたのは、4曲目「You Over You」。印象的に転調するこの曲をはじめ、UNCHAINの曲には、シンプルな演奏でありつつも複雑な展開を持つ曲や、ストレートな曲であっても楽器のフレーズが緻密な構築されていたりと、必ず演奏にも聴きどころが用意されているのもいい。この日の彼らは落ち着いた演奏のなかで、力いっぱい歌い、演奏していて、そういった曲たちの持ち味をいっそう引き立たせていたと思う。

MCでは、谷がおもしろネタで笑いをとりつつ、谷川が、この日を迎えられたことへの感謝を口にし、アコギの弾き語りで「departure」などを披露。彼らの曲と同様、明確なメッセージを放つ彼らのMCは、踊り、腕を振り上げる観客にもしっかりと伝わっていたよう。続いて、ダウンテンポ気味に演奏された「Life Is Wonder」で一番の盛り上がりを見せたかと思うと、その後は、本編ラストまでパンキッシュに駆け抜けていく。メロディアスかつスケール感のある「Rapture」、ロッキンな「Show Me Your Height」、せつなくストレートなメロディの「Precious」など、最新作のポイントとなる曲をギュッと凝縮したような、濃密な時間だった。

アンコール後にひとり登場した佐藤がバック転（！）とMCで、さらにフロアを煽った後は、「Inspire Of Life」「The Age Stream」で、ワンマンを締めくくった。音源で聴かせる、洗練されたクオリティの高い演奏はそのままに、ほとばしるような情熱を帯びた歌声と演奏をリキッドに響かせたUNCHAIN。まだ1stをリリースしたばかりの彼らが見せたこのライヴは、UNCHAINというバンドの懐の深さを表現していたように思う。

Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo by : Yuri Honma

Set List
01. Don’t Need Your Love
02. Always Shining
03. Sing Out Love
04. You Over You
05. Signs Of Spring
06. Let Me Be The One
07. He is waiting
08. like A bird
09. Movin' my soul
10. departure (Acoustic Ver.)
11. one world (Acoustic Ver.)
12. Life Is Wonder
13. Light Your Shadow
14. Rapture
15. Quarter
16. Show Me Your Height
17. make it glow
18. Precious
-Encore-
19. Inspire Of Life
20. The Age Stream