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riddim saunter "1 band, 3 areas, with 5 strings TOUR『COLLAGEALL,I'MORE』"

3月に出たリミックス・アルバム『BRIGHTEN OURS FROM THE REMIXES』のリリース・パーティとして開催された、東名阪を回るショート・ツアー"1 band, 3 areas, with 5 strings TOUR『COLLAGEALL,I'MORE』"の東京公演。タイトルどおり5人のストリングスを率いてのライヴは結果的に、怪我で活動を休んでいたドラム・古川太一の復活一発目となった。この日は、いろんな意味でスペシャルな公演だというムードが満員のフロアには溢れていて、開演前からいつも以上にテンションが高い。

だけれど、1曲目「SUPER MOOD」から始まったライヴは、そのムードを飲み込むほどの高い熱量を放っていて、メンバーにとっても大切な公演なのだということが伝わってくる。加えてこの日の彼らはどこか地に足のついた、しっかりとした演奏を聴かせていた（ヨレたトランペットはあったものの、そこはご愛嬌）。ステージ全体を使って激しいパフォーマンスを繰り広げながらも、楽曲の持つメッセージをきちんと表現し、伝えようとする思いが滲み出ているようで、彼らが、古川が休んでいる間にどんな思いで活動をしてきたか、その一端を知ることができる。

続いて、松田“チャーベ”岳二がパーカッションで加わり、彼らのもう一つの音楽性が表現されたアコースティック・パート。ハイトーン・ヴォーカルとコーラスがキラキラと弾け、いかにも彼らのパーティらしい華やかさ。そんなメンバーの演奏に対してフロアから自然と湧き上がるハンドクラップにしても、MCの途中に古川に向かって飛んだ「怪我しやがってー」という愛のあるヤジ（？）にしても、バンドとオーディエンスが対等に向き合っているからこそのやりとりが多くあった。ドラムのトラブルが起こればそれを吹き飛ばすようにメンバー自身がダイヴ、そんなメンバーをフロアは笑顔で受け止めていたし、それぞれがハンドマイクを持ちめちゃくちゃに暴れれば、それに負けじとフロアではモッシュが……と、どちらも一歩も引かないままにライヴが進行。この両者の濃密な関係は、活動スタートからこれまで一貫して観客と離れずに歩んできた彼らならではのものだろう。

そんな中で、この日の2組目の主役、3ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロから成るストリングスが登場。ラテン・フレイヴァーの「Dear Joyce」、ドラムとストリングスの絡みが印象的な「C.H. Serenade For Strings #1 In E Major, Op.1. Adagio」「Hey, Please Tip Me Off」で、アルバムで表現されていた豊かなサウンドをさらに押し広げると同時に、彼らの楽曲の持つメロディの美しさが際立ったステージを展開。バンドの幅広い音楽性が、ストレートに、そしてより膨らみを持って表現されたこの日のライヴは、前述したようにファンにとってもメンバーにとっても最初から意味のあるものだったけれど、終わってみれば、そんなものをひっくるめて、ただひたすらにいい内容だった。

彼らはこの後、＜FUJI ROCK FESTIVAL 08'＞への出演も決定。2日間に渡って、バンド編成、アコースティック編成での参戦とのことだから、このライヴで感じた手ごたえや成果を、野外でたっぷりと披露してくれることだろう。

Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Tetsuya Yamakawa (SOUND SHOOTER)

Set List
01. SUPER MOOD
02. CLUE IN PEOPLE
03. FRESH
04. SISTER LARA
05. It's A Shame
06. SHE HAS NO MELODY
07. FLAPPING IN THE LOVE
08. BIG YELLOW TAXI
09. FACE FACE FACE
10. I'M DABBLING
11. AIN'T A POSE
12. Color Of Daytime
13. The Three Wishes Of A Dwarf
14. 1.2.3.4.5
15. Turin
（以下、Riddim Saunter with 5STRINGS）
16. BREEZINESS
17. PASS A LITTLE MORE
18. DEAR JOYCE
19. C.H. Serenade For Strings #1 In E Major, Op.1. Adagio
20. Hey, Please Tip Me Off
-Encore-
21. I Love Every Little Thing About You
22. UPDATED DAYS
23. EARLY ON