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LIVE REVIEW

"KAKUBARHYTHM meets Niw! Records"

2008.8.31 (sun) @ LIQUIDROOM ebisu
ACTs : COOL WISE MEN / AAPS / COMEBACK MY DAUGHTERS / YOUR SONG IS GOOD / CUBISMO GRAFICO FIVE

今の日本の音楽シーンにとって何が必要か? そんな質問に、胸を張って「自分たちの提供する音楽だ」と応え得るだろう、良質な音楽を提供する2レーベル、KAKUBARHYTHMとNiw! Records。その合同主催イベント"KAKUBARHYTHM meets Niw! Records"が、今回で4周年を迎えた。夏休み最後の1日を惜しむべく18時にスタートしたライヴは、ゲストとして登場したCOOL WISE MENがトップバッター。

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緩やかに始まった彼らのステージは、しかし、華やかなホーン・セクションのプレイで、開演から2分後にはフロアすでに最高潮の様相。スカ、ダンスホールといったジャマイカ音楽の楽しさ、奥の深さをさまざまなステージで体現してきたワイズメンのライヴは、夏の終わりを飾るパーティの幕開けにふさわしい。今年7月にリリースし、天才トランペッター=エディー“タンタン”ソーントンの参加も話題となったニュー・アルバム『EAST MEETS WEST』のタイトル曲をはじめ、フロアとステージの距離を近づけるような、親密で人懐こいメロディ、パフォーマンスを徹底的に披露して全7曲のステージを終えた。


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そんな温まったステージに続いて出てきたのは、ドラム、ギター、キーボード×3という編成のディスコパンク・バンド、AAPS。打ち込みをメインにした、激しくうねり、鳴り響くダンス・ビートを生み出していく彼ら。Niw! RECORDSのコンピレーション『Niw! Collection』への参加曲「XEVIOUS」に象徴的だった、一瞬の静寂とカオティックなまでの音の重なりを行き来しながら上りつめていくそのサウンドで、フロアのムードを一変させていた。


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そして、他レーベルからのゲスト参加2組目、COME BACK MY DAUGHTERS。手拍子に迎えられ始まったカムバックのステージは、魅力の一つであるヴォーカルが全面に出た新曲群からのスタート。9月17日にはシングル「Have Lancho」を、10月22日には約3年振りとなるニュー・アルバムをリリースする彼ら。その新作からいち早く4曲をプレイし、ギター/ヴォーカルの高本和英がMCで「緊張しました」と言っていたように、どこか固さのあるステージだったものの、よりメロディの際立った楽曲から、新作が楽しみになった。その後は、のびのびとリラックスしたムードで「Oh、Smoke Sister」などを披露して終了。いつものことながら、彼らのステージはあっという間だ。


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いよいよこの日のメイン2組から、YOUR SONG IS GOODが、「ブガルー超特急」でスタート。早くもフロアではモッシュが沸き起こるなか、ハイテンションをキープしながらも、ガッチリと骨太な演奏が頼もしい。この日は「のっぴきならない事情により」(JxJx談)ギターのシライシが不在というピンチもなんのその、サポート参加した盟友・塚本(SUGAR HILL DOWNTOWN ORCHESTRA)をフィーチャーして、前身バンドFRUITYの曲まで!披露するその心意気と、前のめりなパフォーマンスで、ラスト曲「MAN FROM THE NEW TOWN」まで全力疾走。新作『THE ACTION』の熱量を(自ら)上回る、激烈なステージだった。


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トリを飾るのは、松田“CHABE”岳二率いるCUBISMO GRAFICO FIVE。メッセンジャー・バッグ&サイクル・ウェアで登場した5人は、YSIGのパフォーマンスを引き継ぐように、パンキッシュなセットリストから。ゲストに、NARI(40NARINERS)、ショーティ(YSIG)、Tojo(RUDE BONES)というホーン隊を迎え、集中力の高い演奏を聴かせる。というか、この豪華な顔触れが集まればできない曲もないのだろうけれど、ダンスホール~ネオアコ~パンク~カリプソとさまざまに展開していくバンドは他にはない。そしてアンコールでは、最新作『Preasures』でもYSIGが参加しナイス・カヴァーを披露していたカリプソの名曲「JAMAICA JUMP UP」を、参加バンドとともに盛大に、この日一番のジャンプで締めた。

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4時間に及ぶライヴが終了してからも、フロアにはまだ帰ろうとしない観客、DJブースには両レーベルのオーナーがレコードをかけ続ける姿が。夏の終わりを惜しむような彼らの姿が、リキッドルームをとてもノスタルジックな場所に見せていた。

Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)

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