2008.9.13 (sat) @ 日比谷野外大音楽堂
約4年半ぶりの活動再開もつかの間、久々のワンマンが解散ライヴという、ファンには晴天の霹靂としか言いようのない突然の悲報から3か月。いよいよバタードッグ最後のライヴin野音"TOUR ザ・グッバイ"を迎えた。

そのオープニングでは、メンバーの顔面を映した巨大パネルの後ろから、『サザエさん』のエンディング曲に合わせて5人が登場。永積タカシや池田貴史がライヴ中に何度も言っていたように「解散感がない(笑)」まま始まったライヴは、とはいえ、初期メンバーのMEG(Cho)を呼び込んで披露したデビュー・アルバム『犬にくわえさせろ』の収録曲「犬にくわえさせろ」「真夜中のスーパー・フリーク」「ゆっくり回っていくようだ」という3曲で、なんともいえない懐かしさを運んできた。

MCでは、「10年近くみんなに黙ってたことがあるんだ」と、永積の突然の告白。何のことかと思えば、「真夜中のスーパー・フリーク」の歌詞は、じつは、8割がた母親が書いたものだとか! そんなおもしろエピソードで爆笑しつつ、「O.K.」「日々GO GO」では、“日本語ファンク”と言われる彼らの音楽の魅力――そこにある感情を間接的な言葉で聴き手に語りかけ、一緒に行こうと誘う――が改めて貴重なものに感じられた。そしてそれは少しずつ変化を遂げてハナレグミの世界へと繋がっていくし、「日々GO GO」の途中、宇多丸とともに登場したMummy-Dと、コラボレート曲「this y'all that y'all」のギターを弾く竹内朋康の姿に、これからのマボロシの活動を見た人も多いだろう。

池田の「ツアー3本やってきて今日で4本目なんだけど、やっぱり解散感ないね」というMCに続いた「外出中」「コード」「5秒前の午後」で、この日初めて悲しいムードが漂ったのだが、池ちゃんの、長い、ながーいフリの後の「FUNKYウーロン茶」では、<ソーレソレー><◎#;▲@?%¥&□$>という意味不明なコール&レスポンスで大騒ぎ。「コミュニケーション・ブレイクダンス」「五十音」「マッケンLO」といったライヴでの定番曲で、本当に最後なの?という言葉が今にも溢れそうになるほど、すばらしくグルーヴィーで、すばらしくアホらしいパフォーマンス(※褒め言葉です)を繰り広げた。本編ラストは、「セツナさが極まって気持ちいいぜ!」という永積の言葉とともに、「セ・ツ・ナ」。そんなふうに、笑い飛ばしたり悲しさを口にしてみたり、でもやっぱりふざけてみたり。お箸の国のファンク・バンドは、テレ隠しをしながらも最後まで笑顔で演奏し終えた。

とはいえ彼らがそんなにあっさりとした幕引きをするはずがなく、アンコールは3回。栗原健(sax)が加わり、初期メンバー6人が揃ったところで、さらに懐かしいナンバー「終電まぎわのバンヂージャンプ」などを。どれほど演奏しようとバンドが終わってしまうことへの気持ちが埋めきれないように、池ちゃんの口から出た「またやるよ!」という言葉に対して起こった大歓声は、メンバーと客席の思いが同じだったことの表れだ。そして、これほどぴったりの曲もないだろう「さよならCOLOR」の後には、ファンやスタッフへの感謝の気持ちを言葉にした挨拶(そして永積の涙)、さらに、ベスト盤『SUPER BETTER DOG』『SUPER BETTER BETTER DOG』に収録されていた新曲「あいのわ」で幕。

もちろん、この後にはマボロシやハナレグミ、100sといった個々の活動が待っている。すでにライヴでもその片鱗を見せていた彼らに、私たちも置いていかれている場合じゃない。こんなにかっこよくておもしろくて、彼らにしかできないライヴをやった後でどんな表現を見せてくれるのか? お楽しみはこれからかもしれない。
Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Rui Hashimoto
Set List
01. 犬にくわえさせろ
02. 真夜中のスーパー・フリーク
03. ゆっくりまわっていくようだ
04. FUNKY労働者
05. Yo!兄弟
06. O.K
07. 日々GO GO
08. this y'all that y'all
09. 外出中
10. コード
11. 5秒前の午後
12. FUNKYウーロン茶
13. コミュニケーション・ブレイクダンス
14. 五十音
15. マッケンLO
16. セ・ツ・ナ
-Encore 1-
17. メロディーの毛布にくるまって
18. 終電まぎわのバンヂージャンプ
19. かけひきのジャッヂメント
-Encore 2-
20. ヒマワリ
21. まわれダイヤル
22. エ!?スネ毛
-Encore 3-
23. サヨナラCOLOR
24. あいのわ