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LIVE REVIEW

Nothing's Carved In Stone "Silver Sun Tour"

2012.10.5 (fri) @ ZEPP DIVERCITY TOKYO, Tokyo

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当サイトのツアー・インタヴュー(http://www.newaudiogram.com/premium/243_ncis/)でメンバーも語っているように、「ライヴありき」で活動を続けてきた彼らのパフォーマンスのなかでも、とりわけ気合いの入れ方が(4人それぞれの方法を取りつつも)ハンバじゃないな、というのがフロアにいて如実に伝わってくるライヴだった。

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セミ・ファイナルとなるZepp DiverCity、2500のキャパが既に小さいと感じられるほどの熱気のなか、新しいアルバム『Siler Sun』と同様に「Spirit Inspiration」「白昼」と畳み掛けるオープニング。とりわけ「白昼」での村松のヴォーカルのタフネスが生む高揚感は、これまでのナッシングスのバンドのダイナミズムとはまた別の武器となっている。「PUPA」のようなダンサブルなナンバーのライヴでの進化は、『Silver Sun』を経てのバンドの成長と言えると思う。エレクトロニカのプロダクションを存分に取り入れ、キラキラとオプティミスティックなムードが漂っていながらも、クールに流れずナッシングスらしい爆発的なテンションを発散させているところは、ただ打ち込みを取り入れた、というだけのバンドとの格の違いを見せつける。

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「恋人たちに捧げます」というMCの後の「Red Light」など、ツアーを通して咀嚼された新曲群は、どれもアルバムとはまた異なる表情を見せていた。ハードロッキンな「The Big Chill」の後、村松はあらためて良いツアーになっていることをオーディエンスに報告し、「演奏することがすべて」と繰り返す。

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「Sands of Time」などこれまでの3枚のアルバムからの楽曲ではダイヴする観客がさらに膨れ上がる。しかし、決してライヴの定番曲でおもねらないバンドのチャレンジングな姿勢がこの夜は際立った。日向のベースのバリエーションを代表とするそれぞれの楽曲のライヴアレンジの構築の仕方、生形が「みんなのおかげでライヴができる」と語るほどのライヴ至上主義、大喜多を核とする打ち込みの方法論を取り入れた上でのぶっといグルーヴ、そして村松のヴォーカリストとしての器のデカさ。後半の「Scarred Soul」のカオティックな渦に続いて「Advance Forward」の突き抜けるこみ上げ感を持ってくるセットリストの妙も、どれもが彼らのライヴバンドたる純度の高さを証明していた。

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『Silver Sun』の世界観をステージで完成させるべく、村松がアコギに持ち換え「The Silver Sun Rise Up High」の壮大なスケール感で本編は終了。アンコールで披露した「Sequel」の大人でポスト・ロック的なアプローチに村松は「こういう一面もあるから、これからも出していきたい」と自信を感じていたことも、今後のナッシングスの展開のポイントになるのではないだろうか。ツアーラストのカタルシスよりも、次への期待へと胸が高まるライヴであったことは間違いない。

Text : Kenji Komai


Set List
01. Spirit Inspiration
02. 白昼
03. November 15th
04. Spiralbreak
05. PUPA
06. Chain reaction
07. Inside Out
08. Red Light
09. Pride
10. The Big Chill
11. 9 Beat
12. Diachronic
13. Sands of Time
14. Scarred Soul
15. Advance Forward
16. Moving In Slow-Motion
17. Isolation
18. The Silver Sun Rise Up High
En1. Sequel
En2. Chaotic Imagination
En3. Around the Clock

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