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在日ファンク "在日ファンク ワンマン・ライヴ"

SAKEROCKではトロンボーン、スキャット、キャラクター担当として不動の人気を得る"ハマケン"こと浜野謙太。最近はドラマ『モテキ』で森山未来、菊池凛子といった豪華な顔ぶれと共演を果たすなど活動の幅を広げている彼が、"素直な俺になれる"というバンド、在日ファンクによる新代田FEVERでのワンマン・ライヴ。

今年1月にリリースしたファースト・アルバム『在日ファンク』が各所で話題となり、夏には某野外フェスなどにも出演するなど活躍中の彼ら。さらに磨きがかかっただろうハマケンのパフォーマンスを観ようと集まったオーディエンスで会場は満員御礼、高まる熱気の中、まずはホーン隊3人とギター、ベース、ドラムが登場。高らかな「イントロエスケイプ」から、スーツ姿のハマケンが、"罪悪感を抱えて生きてる！"とシャウトする「罪悪感」でライヴは幕を開けた。あくまで真っ当なファンクのリズムに合わせ、内省的ですらあるハマケンのヴォーカルが聴き手を翻弄する。ハマケンが押し語りで披露していた「ダンボール肉まん」も、当時の時事ネタを扱いつつも＜まじりっけのない　肉などいらない＞というリリックはもはや、今の私たちの生活を象徴する言葉でもある。そんな、（当人たちは目指してなかっただろう）現代日本へのリンクが、"在日ファンク"と名乗る彼らの存在を強く浮かび上がらせている、と、ふと思う。

とはいえライヴが進むにつれ内省は吹っ飛び、「京都！ 京都！」とコール＆レスポンスする「京都」、自分をがんじがらめにする自我を振り払うような「城」など、日本人ならではの詞世界とJames Brown直系のファンキーなサウンドが交錯。そんなステージにフロアも異様な盛り上がりをもって応えていく。そして、ファンクという音楽へ抱いていた劣等感を爆発させ、圧倒的なグルーヴへと昇華させた「知らなかった」で、2部構成のライヴはいったん大団円。

15分後にスタートした第2部では、プレイはグッとタイトさを増し、もはや彼らの代表曲ともいえる「最北端」で聴かせるソロ回しも小気味良い。この日、彼らのライヴを観ていて感じたのは、ファンクはもちろん御大、James Brownの作り上げた音楽であるのだけど、在日ファンクというバンドが言うところの"ファンク"とは、バンドとフロアが煽り、煽られつつ作り上げていくという要素まで含んだものでもあるということ。それほど、開場から開演、『モテキ』のコンピに収録されている新曲「もしも明日」で締めくくった本編ラスト、アンコールでの、ハマケンの「燃え尽きよう」というMCではじけた「神頼みファンク」まで、まだまだ発展途上にあるバンドへの、フロアからの熱い歓声と温かな眼差しが印象的だった。そしてまた、JBからの流れを汲むファンクを表現しようともがきながらも、結果的にオリジナルな表現を作り上げてしまった彼らへのリスペクトと期待も沸き上がらせる、充実のライヴだったと感じた。

Text : Ayumi Tsuchizawa

-Set List-
［第1部］
01. イントロエスケイプ
02. 罪悪感
03. ダンボール肉まん
04. 京都
05. 城
06. のこってしまった
07. 知らなかった
08. 最北端(早)
[第2部]
09. イントロ
10. インスト
11. 最北端
12. ばくだんこわい
13. 環八ファンク
14. ○○ファンク
15. きず
16. もしも明日

-Encore-
17. 神頼みファンク

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