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LIVE REVIEW

cinema staff "『Blue,under the imagination』 Release Tour ~想像上の辻~"

2010.9.25 (sat) @ Daikanyama UNIT, Tokyo

cinema staffによる通算3枚目のミニ・アルバム『Blue,under the imagination』のリリース・ツアー"『Blue,under the imagination』 Release Tour ~想像上の辻~"のファイナルとなった9月25日の代官山UNIT公演。全国27か所にも及んだこの怒濤のツアーの中で唯一のワンマンでもあるこの日、すでにソールドアウトとなっていた会場には多くのファンたちが詰めかけていた。開演直前、ステージ上にはスモークがたかれ、それを(青と白の鮮やかなデザインが印象的な『Blue,under the imagination』のカヴァー・アートを思わせる)青い照明がゆらゆらと照らしながら、4人の登場を待つ。

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4人が現れると、会場がどよめく。新作『Blue,under the imagination』の1曲目でもあった「想像力」で幕を開け、ソリッドなギター・リフが暴れまわる「ニトロ」へと続き、「Boys Will Be Scrap」、「部室にて」、そして「Truth under the imagination」とたて続けにぶちかました冒頭は、最初からぶっ倒れるくらいの覚悟でやるという彼らの意志のようなものがビリビリと伝わってきそうな気迫のこもった演奏で、会場は早くも最高潮の盛り上がりに。「今日はひとバンドしか出ないけれどいいですか?」という三島の挑発的なMCにオーディエンスがさらに沸く。

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一変して、穏やかなムードを醸し出す「バイタルサイン」、「ローリング」、続くポスト・パンクとエモを掛け合わせたような名曲「シンメトリズム」への流れは、彼らの楽曲が持つ楽曲のユニークさ、多様性を改めて感じさせるパートだった。中盤には三島が「ツアー中に育ててきた新しい曲をやります」と紹介し、生まれたばかりの新曲も数曲披露された。その楽曲が素晴らしかったことは言うまでもないが、過酷なツアーの中でこれだけの創作をおこなえるということが、何よりこのツアーが充実したものであったことを物語っている。そしてなんといっても圧巻だったのは、『Blue,under the imagination』に収録されている「制裁は僕に下る」のライヴでの破壊力だ。新曲からの流れも良かったが、やはり何か特別なパワーがこの曲にはある。この日、最大の盛り上がりのひとつを作ったのは間違いないく中盤のこの曲だったように感じた。

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後半のMCでは、三島からこのツアーの多くの共にした盟友THE NOVEMBERSへの感謝が告げられ、また辻からは「今回のツアーは長いと思ってたけど、本当に一瞬だった」という素直な本音も。「もしもあなたが5感しか持っていないと思うなら、それは大きな間違いです」と紹介された「第12感」から、イントロがなるやいなや大きな歓声と共に放たれた「AMK HOLLIC」、会場がグラグラするほどにオーディエンスを揺らせた「優しくしないで」、そして『Blue,under the imagination』のリード曲でもあった名曲「君になりたい」へと続く後半の怒濤の展開は、これでもかと言わんばかりの爆発力と息継ぐ間もないくらいのスピード感、そしてツアー中に磨かれ続けてきただろうその力強いパフォーマンスで、オーディエンスを狂喜乱舞させた。

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終わってみると、新旧織り交ぜ、さらに生まれたての新曲までを取り入れた、現在のcinema staffをすべて出し切ったというようなセットに。途中、三島がMCで語っていた「(eastern youthのライヴを観て思ったこと、という話の流れで)ライヴはその時の自分たちの人間性のすべてをぶつけるような気持ちでやりたい。そしてそれが伝わるようなライヴをやりたい」という彼の言葉が、この日のセット、パフォーマンスにそのまま表れていたように思う。とはいえ、ツアー・ファイナルながら、(当然かもしれないが)これで終わるという感じはまったくもってない。全身全霊のパフォーマンスで最後の曲を終え、フラフラになってステージを去っていくメンバーの背中を見ながらも、「これがゴールではなく、むしろ彼らがさらに大きなステージに向かうはじまりの一節なんだ」と感じずにはいられなかった。次にcinema staffがどのようなライヴをぶつけてくれるのか、いまから本当に楽しみだ。

Text : Naohiro Kato
Photo : Ryota Mori




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