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LIVE REVIEW

おおはた雄一 "Tokyo Song Book -秋-"

2008.10.22 (thu) @ DUO MUSIC EXCHANGE, Tokyo
GUEST : Ann Sally / TICO MOON / 伊賀航

ジェシー・ハリス、リチャード・ジュリアン両氏を共同プロデューサーに迎え制作されたニュー・アルバム『Music From The Magic Shop』を9月10日にリリースしたばかりのおおはた雄一。彼が、今もっとも共演したいゲストを迎え開催しているイベント、"Tokyo Song Book"に、今回は、シンガーと医師という2つの顔を持つアーティスト、アン・サリーを迎え開催された。さらにtico moon、曽我部恵一ランデヴーバンドほか多くのバンドで活躍中の伊賀航といった、おおはたならではの豪華な顔触れが揃った。

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まずは、アコースティック・ギターをかき鳴らしながら本人が登場。どんな大きなホールや小さなライヴハウスでも、いつもおおはたはさりげなく現われ、その音楽も本人同様さりげなく聴き手の耳に届いて、それまでの日常の風景をサッと音楽に染める。この日のライヴでもそのスタイルは同じだ。

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アコギの弾き語りで、新作から「スターシップ」「君が眠っているうちに」、クラムボンの原田郁子が作詞を手がけた名曲「時がたてば」、アルバムではパーカッションなどを多用した分厚い演奏、男くさいヴォーカルを聴かせていた「街と砂嵐のバラッド」を、ヴォイス・パーカッション&ベース(?)で笑いをとりつつ、音を表現していく。

ここで、ゲストとともに、飛び入り参加となった徳澤青弦がステージへ。ギター、ハープ、チェロ、ウッド・ベースといったさまざまな弦楽器が、折り重なるようにしながら柔らかな音楽を奏でていく。軽やかなインスト「Girl's Calypso」の後は、tico moonの2人によるオリジナル曲の演奏が。そして、いよいよアン・サリーが登場。

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ジョニー・ミッチェル「All I Want」、二ール・ヤングの「Only Love Can Break Your Heart」などのカヴァーをさまざまなアレンジと、彼女の繊細でいてふくよかな歌声で聴くと、まったく違った趣が感じられて、新しい音楽に出会った気持ちになる。おおはた自身も、「昔から大好きです」と、本人に向かって告白をしてしまうほどすばらしい歌を聴かせながらも、「Lazy River」ではなんだかきわどいスキャットを披露してしまう彼女のキャラクターが、ライヴの雰囲気をさらに温かなものにしていた。

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終わってみれば、いつもよりタイトにまとまったセットリストだったものの、その内容はおおはたのオリジナル曲も含め、ジャンルや時代を飛び越えて無国籍なものだった。それはおおはた自身が発したものなのか、参加ミュージシャン全員がもたらしたものなのかわからないけれど、どこの国ともいつの時代ともつかない、だからこそ聴き手を選ばない音楽が存在したと思う。

Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Mio Suzuki


Set List
01. スターシップ
02. 君が眠っているうちに
03. スロートレイン
04. 時がたてば
05. 街と砂嵐のバラッド
05. ふたつの朝
06. 窓は鏡
07. Girl's Calypso
-tico moon-
08. crossing the snow
09. Raspberry
10. peaceful
11. Dolphin
12. Up a lazy river
13. only love can break your heart
14. 海へ来なさい
15. ハレルヤ
-Encore-
16. こころ

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