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LIVE REVIEW

Ken Yokoyama "Ciao Baby Tour"

2008.10.30 (thu) @ SHIBUYA-AX

横山健がソロ・デビューしてすぐさまKEN BAND結成し、ライヴ活動をスタートさせたのが2004年。以来、5年間に渡って彼をサポートし続けたベーシストのサージがバンドを去ることとなった。元々やっていた仕事とバンド活動を必死に両立させてきたが、それができないところまで来てしまった。これはやむなくの決断であり、健にとってもサージにとってもとても辛いこと。しかし、生きてりゃ前へ進まなきゃいかんのだ。兄弟というほど仲のいいサージのために、健は、お別れツアー"Ciao Baby Tour"を敢行。SHIBUYA-AXはそのファイナルの日だ。だが、湿っぽいお別れはファニーな彼のキャラには似合わない。いつもどおり笑顔で楽しく彼を送り出すべく、この日のライヴは行われた。

サポート・アクトは、元祖メロディックの雄、スナッフ。ドラムを叩きながらダミ声で歌いまくるダンカンは昔のまんま。勢いのある2ビートからグルーヴィーなナンバーまで、まさしく百戦錬磨のステージングを見せてくれた。


いよいよサージのラスト・スタンド、KEN BANDの登場だ。じわじわと高速ギヤチェンジしていく「Cherry Blossoms」からライヴがスタートすれば、もはやフロアはダイブとモッシュの嵐。4人の演奏も、前のめりなくらいに勢いがすごい。サージがコーラスをとる 「Empty Promises」「Summer Of '99」に続いては、なんとハイスタの「Stay Gold」!!! 予期せぬサプライズにキッズは大炎上。

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MCタイムでは、ギターのミナミが「普段よりちょっと緊張ぎみ」といいながらも、健とミナミがメタルフレーズを弾いてサージが嫌がったり、健が「さよならさよならって、サージ死んじゃうの?」と聞けば、サージは「ボクハ、シニマシェーン!」と、小ネタの応酬で笑いに持っていく。そんないつもどおりの様子も今日で見られなくなってしまうのか、というせつなさがフッとよぎったりする。だが、そんなのは会場の誰もが思ってること。それを吹き飛ばすように、メロディ感全開で切れのあるナンバーを畳み掛けていくメンバーたち。サージがリード・ヴォーカルをとる「Fuck Up, Fuck Up」も気合いが入ってる。笑顔の健とサージが2人で目配せしながら揃ったアクションを見せたりするのも、これがまたいい光景に見えちゃうんですよ。MCで健は、フルタイムで活動するKEN BANDからサージが抜けなければならない事情をファンに熱く語る。「横にサージがいなくなるなんて実感がない」というのは、まさに彼の本音だろう。ただこれは、お互いにとっての前向きな決断。これからの話も欠かさない。「KEN BANDもすぐ帰ってくるし、いつかサージがバンドを始めるかもしれない。もしかしたらオレらがサポートしてるかもしれない(笑)」なんて話まで飛び出した。そうなったらそうなったで、ファンはきっと喜んで迎えてくれるはずだ。本人たちは意図してないだろうが、友情、仲間、絆の大切さを改めて実感させられて、見てるこっちも胸が熱くなる。

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サージの歌う「I Gotta Go」から、健の「サージ、5年間ありがとう!」の声とともに「Believer」で本編終了。アンコールで再びステージにメンバーが戻ると、ファンからの“DEAR MY SERGE”の寄せ書きフラッグが贈られた。「5年間楽しかった」という彼の言葉に大サージコールが巻き起こる。個人的にはハスキンの「Walk」にもグッとくるものがあった。今はなくなってしまった盟友バンドの曲を健が歌う姿を見ていたら、今日のライヴの裏テーマ、仲間に対するリスペクトみたいなものとリンクしてしまったのだ。

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さて、ライヴは、観客からのリクエストを聞き楽曲をプレイしながら、最後の最後はサージの歌う「Sucky Yacky」でフィニッシュ! またもや巻き起こる大サージコール。そして、メンバー全員で、大量のステッカーをお客さんへ投げまくる。KEN BANDから、そしてサージから、サポートし続けてくれたファンへの感謝とお礼の気持ちだ。みんなからも愛されたサージはバンドから去るが、KEN BANDは止まることなくロックし続け、サージはサージで自分の道を行く。道は違えど、健とサージの熱い友情ストーリーはこれからも続いていくはず。大人のバンドマンの『スタンド・バイ・ミー』、「道はどんなに険しくとも、笑いながら歩こうぜ!」というアントニオ猪木の名言まで頭によぎる(オレだけ?(笑))。熱くて温かくてちょっとせつない、いい余韻に浸れる素敵なライヴだった。サージ、5年間お疲れさま。そしてありがとう!

Text : Keisuke Tsuchiya
Photo : Teppei


Set List
01. Cherry Blossoms
02. Pressure
03. Why
04. Empty Promises
05. Summer Of '99
06. Stay Gold
07. Torn
08. Go With The Flow
09. Jealous
10. Ten Years From Now
11. Ricky Punks
12. Ricky Punks II (The Lamepire Strikes Back)
13. Funny Things
14. Fuck Up, Fuck Up
15. Running On The Winding Road
16. Longing (A Quiet Time)
17. Not Fooling Anyone
18. How Many More Times
19. I Gotta Go
20. Believer
-Encore-
21. Popcorn Love
22. I Love
23. Walk
24. Lucky
25. Eight-Hour Drive
27. Can't Take My Eyes Off Of You
28. Dead At Budokan
29. Sucky Yacky


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