2009.11.1 (sun) @ Shibuya AX, Tokyo
ACTs : ASPARAGUS / COMEBACK MY DAUGHTERS / lostage / the band apart
ASPARAGUSが不定期に開催しているイヴェント"馬骨STYLE(バコツスタイル)"。メンバーが大好きで一緒にライヴをしたい、と思うバンドを集めたというシンプルな企画意図の元に始まったこのBKTSが2007年5月以来、約2年半ぶりに開催された。
今回は全国6か所を回るツアーとして企画、さらに、会場限定盤として参加アーティストの新曲ばかりが収録されたコンピレーションCD「BONES」も販売されるとあって、各地ものすごい盛り上がりだったよう。ファイナルとなった東京公演も例外ではなく、AXは息苦しいまでの熱気。まずは、"暴れん坊将軍"よろしく蹄の音が鳴り響く中、バックドロップがせり上がってthe band apartが登場した。
the band apart
「I love you Wasted Junks & Greens」「higher」「Eric.W」、そしてコンピに収録された新曲「STEP UP」と、新旧織り交ぜながらもベスト的なセットリストを展開した彼ら。トップバッターということも大きかったかもしれないが、聴き慣れた楽曲たちをさらに新しいアレンジで聴かせてくれるのはさすが。そして何より、いっそう力強く太くなった楽器の音ひとつひとつ、それに負けない存在でメロディを紡ぎだす荒井岳史のヴォーカルがすばらしいバランスで響いてくる。後に続く3バンドへのハードルを高く上げたアクトを見せた。
lostage
ピアニカの音色からゆったりと、しかし激しく展開していく「じゃあ、さようなら」で会場の雰囲気をガラリと変えたのはlostage。そのサウンドから、エモ / グランジ / NYパンク / ポストロックなど、メンバーが影響を受けただろう音楽を感じることはできても、これほど轟音でありながらなぜ静けさを感じてしまうのか、その理由はわからない。拍手の音がかき消されてしまいそうなほどノイジーなラスト曲「MIND JIVE」で珍しく観客にハンドクラップを求めた彼らは、そんな二面性を維持したまま9曲を終えた。
COMEBACK MY DAUGHTERS
続くのは、8月の野音からサポート・ベーシストを迎えたCOMEBACK MY DAUGHTERS。「OH SMOKE SISTER」でスタートしたかと思うと小坂裕亮 (key) が客席にダイヴして、ライヴはいきなり最高潮の盛り上がりに。個人的に、最新作『EXPerience』のツアーを経て今彼らは最高の状態にあると思っているのだけれど、この日のライヴも楽曲の良さ、バンドの魅力が発揮されていたと思う。コンピに収録された「DUSK AND SUMMER」ではヴォーカル・高本和英がハンドマイクで踊りながら歌い、その自由なパフォーマンスに会場の全員が笑顔になっていた。
ASPARAGUS
トリを飾るASPARAGUSは、「SILLY THING」でパンキッシュに幕開け。そして「I FLY」「DEAD SONG」など緩急織り交ぜた選曲で沸かせつつ、MCでは渡邊忍が「ちょっとパッション入っちゃって」「これ、キャッチーでいい曲」と笑いを取るのも忘れない。気づけばこの日、3ピース・バンドは彼らだけだったが、スタイルやジャンルに関係なく、繊細な美しいメロディやそれらを表現することのできるメンバーのスキル、なにより音楽への愛や情熱が4者4様に表現されていた。その感触は、アンコール2曲を終えるまで途切れず、4バンドのパフォーマンスを通して、ASPARAGUSというバンドの魅力を感じることになったと思う(アンコール前の『笑っていいとも!』的な茶番は別として…)。
Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Rui Hashimoto
![]() |
![]() |
ASPARAGUS LIVE ASPARAGUS |
![]() |
MONT BLANC ASPARAGUS |