2011.10.2 (sat) @ Makuhari EVENT HALL, Chiba
2年半ぶりになる最新アルバム『TO THE LOVELESS』のレコ発ツアーは17ヶ所のライヴ・ハウスを回る"1st STAGE"、大バコに舞台を移した"2nd STAGE"の二部編成となっており、今日のファイナルは過去最大級の幕張イヴェントホールにておこなわれた。個人的には、今年フジロック最終日のGREEN STAGEでも素晴らしいショウを披露してくれた彼らだけに期待値も高かった。
バック・スクリーンに多数のスピーカーがコラージュされた映像が映し出され(「Back on My Feet」のミュージック・ヴィデオの素材を使ったもの!)、煌びやかな照明も非日常感を煽り、会場の空気は否が応にも高まっていく。そこにハードな打ち込み音と、サポート女性ドラマーのダイナミズム溢れるビートが重なり、グルーヴ感は雪ダルマ式に膨れ上がる。川島と中野のフロント2人もスッとした出で立ちで歌と演奏に全力を傾注した熱きパフォーマンスで迫る。序盤戦では音が複雑に入り乱れ、ウットリするようなカオスを生み出し、川島の伸びやかで官能的な歌声がそれに追い打ちをかけていく。ブンブンのお家芸とも言うべき寸分の狂いもなく音にシンクロする色とりどりの照明はより一層激しく明滅し、耳目を心地いい錯乱状態に導く。
中盤、そのカオス感は曲調の変化と共に神秘的なムードを放出する。それからスクリーンには今回のライヴのために手書きで作ったという花模様などのカラフルな色彩が踊り、植物が上へ向かってグングン成長していく映像へ切り替わると、それに比例して、バンド・サウンドも天空へ伸びていくような壮観なサウンドを掻き鳴らした。それは誰も到達しえないロック未開の地を切り拓いていくようなドラマティックな光景に映った。興奮と恍惚がない交ぜ状態の場内は、俄然ヒート・アップ!
後半は耳馴染みの深い楽曲を配置し、勢いにさらなる拍車がかかる。鮮やかなエレクトロ音と肉感ビートがドラマ性も人間味も背負ったまま、前のめりに体当たりしてくる。観客もハンドクラップとジャンプでそれに力の限り応え、会場全体はレイヴ・パーティのごとき狂騒を呈した。ブンブンのショウ自体は、MCは最小限に抑えられ、ノンストップで演奏が繰り広げられていく。だが、最後の方で川島は深々とお辞儀をしながら、「ありがとうございます。今日はもう少し楽しんでください」と丁寧かつ心のこもった言葉でアンコールへと誘導する。そのアンコールではスクリーンにメンバーが大々的に映し出され、演奏もここからまたスタート地点に戻ったような爆発ぶりを見せ、約2時間に渡るライヴは大フィーヴァーのうちに幕を閉じた。
ブンブンは日本に止まらず、USツアーもおこなうなど、精力的に内へ外へと活動範囲を広げて驀進中だ。今日のライヴを観終え、彼らのサウンドがより多くの人の鼓膜と肉体を揺さぶることを想像するだけでもワクワクさせられる。今後の飛躍に期待せずにはいられない最高のショウだった。
Text:Ryosuke Arakane
Photo : Masanori Naruse
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