2008.11.25 @ (the) Shibuya O-EAST, Tokyo
前回レポートをアップしたアルバム『Quest』リリース後の"QUTIMA ver.8 TOUR 2008~QUEST~"ファイナルの渋谷AX公演の後も、Perfumeやサンボマスター、ストレイテナー、The Birthdayと中村達也の"WEEKEND LOVERS '08"など、ほんとうにジャンルを問わずさまざまなアーティストとの対バンを繰り広げてきた彼ら。もちろん夏にはFUJI ROCKほか夏フェスにも多数出演を果たし、歌ものもインストゥルメンタルも同じように楽しむその比類なきセンスとその質朴さをもって、ジャム・バンドを日本のシーンに定着させることはもちろん、メインストリームに堂々と挑み続けてきた。
恒例となっている自主企画"QUTIMA"だが、今回はそうした多くの経験がいかにパフォーマンスに反映されるのかが注目されるところだったけれど、バンドの新たなフェーズを感じるに十分のステージであった。そこには(イベントなどをのぞいて)自分たちの楽器でセットを組んでは初となるO-EASTというハコと、SPECIAL OTHERSのサウンドの相性の良さというのもあったと思う。彼らがかつて足繁く通っていたという、90年代後期より開催されていた日本のジャム・バンド・シーンの草分け的イベント"Organic Groove"があったヴェニューなのである。
オープニングからおもむろにメロウなメロディと変化に富んだリズムが印象的な新曲を披露し、中盤には柳下と宮原のふたりだけのスリリングなセッション「Yagi & Ryota」も含んだ幅広いセット。彼らのライヴではすでにおなじみとなった二部構成の理由についても改めて語られていたけれど、4人が敬愛するメディスキ・マーチン・アンド・ウッドをはじめとしたジャム・バンドやジャズ系のアーティストたちから、そうしたサウンドの楽しみ方を受け継いだ彼らならではのこだわりなのだ。この日のEASTも、そんな90年代後半~00年前半にあった、ゆったりとした、でも新しいことが起こりそうなムードが満ちていた。
もちろんマイペースな彼らだから、ドラスティックなわかりやすい音の変化があるわけではない。しかし音の随所に、親しんだ楽曲でさえもフレッシュに聴こえる雰囲気があり、心地よい横ノリのグルーヴをシャープに聴かせる彼らのとてつもないスキルがある。たとえば「Around The World」の牧歌的なメロディがのるアンサンブルのとんでもなくブーストされたベース。パワフルになったというありきたりの表現ではなく、緩さをもったままたわみ、グルーヴしていくあの演奏にはしびれた。
来ているお客さんによって演奏が変わる、そんな有機的な音楽なんだということをメンバーは口にするけれど、終始からだを揺らしながら漂うオーディエンスと、はたまた「AIMS」でのパンク・バンドのような盛り上がりの双方が混在するライヴなんて、やはりスペアザ以外にはありえない。あっと驚く仕掛けなど必要ない、限りなく多幸感に満ちたアクト。終演後、僕の周りでは口々に「今日はさらに神がかってた!」という声が聴こえたけれど、そんな賞賛も決して大げさではないのだった。
Text : Kenji Komai