2010.11.10 (wed) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
ACTs : ストレイテナー / ACIDMAN
遠藤憲昭が立ち上げたファッション・ブランド"DEVILOCK"が14周年を迎えた。それを記念したイヴェントが計3回に渡っておこなわれる。その第1回目はストレイテナー、ACIDMANの2組が顔を揃えた。開演時刻になると、"DEVILOCK=遠藤"の栄光の軌跡を辿る映像がスクリーンに流れた。そして、96年11月11日に産声を上げたブランドは来年11月11日に解散、つまり15年の歴史にピリオドを打ち、今後遠藤はNPO活動(日本社会貢献支援機構『ACSS』)に力を注ぐことが告げられる。「最後の一年間を全力で駆け抜けます」という力強い宣言の後、ショウがはじまった。
アトモスフェリックなSEと共にストレイテナーが颯爽と現れる。ナカヤマ(Drums)はドラムの椅子の上に立ち、また、ステージ前方にスタスタ走り出てきて観客とハイタッチして煽る一方で、「俺たちストレイテナーと言います。よろしくお願いします」と普段通りクールに挨拶するホリエ(Vocal & Guitar & Piano)。そこにひなっち(Bass)、大山(Guitar)が折り重なり、鉄壁のアンサンブルで観客を巻き込んでいった。
演奏に合わせてメンバー自らジャンプするなど、いつになく体を激しく動かす姿が印象的だった。特にスペーシーかつファンキーなベースで鼓膜をアタックしてくるひなっちは、4曲目が終わった時点で深い溜息をつく場面も見受けられた。無理もない。あの運動量は、途轍もないエネルギーを浪費するのだろう。「以前、ストレイテナーとACIDMANはふたつでひとつとオオキくんが言ってたので……多分そういうことなんでしょう」と苦笑いしながら語るホリエのコメントに、一瞬ほっこりした空気がフロアに漂う。後半も優雅かつ熾烈を極めた重厚なバンド・サウンドを解き放ち、そのダイナミズム溢れるスケール感にグイグイ引き込まれてしまった。
壮大という意味では、続くACIDMANにも共通する部分だ。ただし、その性質は対極に位置すると言っていい。3ピースならではのソリッドな音像から、タイトで直線的なヘヴィさを叩きつけてくる。ド頭から激しい演奏で、思わずのけ反ってしまうほどだった。その筋肉質のサウンドを土台に、オオキ(Vocal & Guitar)の力強くも雄大な歌声が広がっていく。その声にうっとり聴き入った後、「ハッハッハッハッハ、ケンカもした事ないのにタトゥー入ってて、ごめんなさい」と脱力感たっぷりのコメントを挟むウラヤマ(Drums)がファニー・キャラで場を和ませた。
「ストレイテナーとは一心同体で、インディーズから10年ぐらいの付き合いになります。今日は俺がそっち(観客側)で観たいくらい」と至福の表情を覗かせるオオキも、心底このイヴェントを楽しんでいるようだった。それから最新8thアルバム『ALMA』から、もともとALMA電波望遠鏡から命名し、スペイン語では心、魂、愛しい人という意味がある表題曲をプレイする。静かなアルペジオでじょじょに階段を上り、いつの間にか無辺の宇宙に聴き手を誘うような曲世界は、まさにACIDMANの真骨頂だった。
ストレイテナー、ACIDMANという強固な世界観を持つバンド同士のぶつかり合いは、立て続けに観ることで双方の相違や相似が浮き彫りになり、イヴェント全体を通して異様に求心力の高いものになった。記念すべき第1回目は、大成功に終わったと言えるだろう。
Text : Ryosuke Arakane
Photo : Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)
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