2008.12.5 (fri) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo
EP『Halan'na-ca Darkside』でついにメジャー・シーンに登場したVOLA & THE ORIENTAL MACHINEが、全国ツアー『Halan'na-ca Darkside Tour 2008』を開催。メンバーも環境も変わって1発目のツアーのファイナルだけに、観る側の期待もやる側の気合いも、相当高かったんじゃないだろうか。アヒトイナザワが、対バンも自分たちがシンパシーを感じるメンツでやる、といっていたが、まさにその言葉どおりのロックとダンス・ミュージックが絶妙にミックスした世界観(バンドの転換時にはDJも入っていた)が、この日のライヴを通して繰り広げられた。
まず最初に登場したのは、MONICA URANGLASS。自ら、ロッカトランス(ロック+トランス)を掲げるバンドだけに、ハードかつレイヴィーなサウンドを、勢いよく聴かせていく。
2番手は、京都出身の4人組バンド、LILLIES AND REMAINS。ニューウェイヴ、ゴシックの入ったダークなサウンドはかなりクール(たたずまいも含めて)。グイグイと観客を引っ張っていく疾走感たっぷりのサウンドは今後も注目。
そしてメイン・アクト、VOLA & THE ORIENTAL MACHINEの登場だ。これがいい意味で、かなり驚かされた。新ギタリスト楢原英介を伴ってのステージングは、これまでの彼らのライヴとはまたひと味違ったものとなっていたのだ。
ライヴは、EPの「self-defence」「An Imitation's superstar」からスタート。そこから一気に、タイトで疾走感に溢れる、ダークかつワイルドなVOLAワールドへとなだれ込んでいく。楢原は、全身を使ってアクティヴにギターを弾きまくり、アヒトもダンスを織り交ぜながら歌い、オーディエンスを煽っていく。跳ねまくってる人、踊ってる人が渾然一体となりながら、フロアは完全にヒートアップ。ベースの有江嘉典とドラムの中畑大樹がパワフルなビートを紡ぎ出していく中、アヒトと楢原のギターの絡みは、1回目のツアーとは思えないほどのマッチングを見せる。曲間もほとんどなく続けざまに楽曲を披露していくことで、ライヴ自体がもはやスリリングなジェットコースター状態だ。
「soft genoside」ではアヒトがフロアに突入するなど、メンバーのテンションも最高潮に達し、会場の一体感はとてつもないことに。「ORIENTAL MACHIE」に至っては、アヒトがスタンディング・ドラムを叩き、楢原はバイオリンを弾き(!)、カオティックなサウンドは中畑の銅鑼の一発で終わるという圧巻もの。
楢原が入ったことで、バンドのアンサンブルは格段に進化。まさに、水を得た魚のごとく狂ったような躍動感で、自分たちのサウンドをいかんなく発揮したVOLA。彼らの本当の戦いがついに幕を開けた。そんなことを感じさせるすごいライヴだった。
Text : Keisuke Tsuchiya
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)