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LIVE REVIEW

the telephones "SUPER DISCO Hits 4!!!~THE FINAL DISCO!!!~"

2010.12.10 @ DIFFER ARIAKE, Tokyo

新作『We Love Telephones!!!』でのピースフルでポジティヴ・マインドなダンス・ミュージックという新展開が最も大きいが、加えてiLLとのコラボ・アルバム『∀』への参加や、12月には石毛のソロもリリースされるなど、2010年はバンドにとって変化の年だった。だったのだが、年末恒例のこの"SUPER DISCO Hits"に関しては、変化しつつも軸はブレないthe telephonesの本懐を見せる場になっているように思う。今年は12月8日と10日の2公演。8日はディファ有明というシチュエーションにすさまじくマッチしたセンター・ステージ(しかも回転したという……)で、ダンスという名のバトルを展開。そして年内ラストのワンマンであるこの日は、ステージと客席の位置こそノーマルだが、実は仕掛け満載のフェスティヴァル空間だった。

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開演前にステージ上のヴィジョンに映し出される光景は出番前のそれ。全員、おなじみカラフルなアフロを被ってるのだが、ドラムのセイジは黒髪に黒いアフロ・ズラでメンバーから「なんかちがくね?」と突っ込みを受け、悩んでいる……シーンが消え、メンバー登場。なんとセイジのヘア・スタイルはロン毛のアフロ(本物)! 映像に騙されました。大いに湧くファンに向け、石毛、いつも以上のテンションで「踊れー!」「飛べー!」「アリアケー!」とあおりまくり、冒頭からジャンプ&サークル・モッシュ続出の「A.B.C.DISCO」から「kiss me,love me,kiss me」までノンストップで7曲全力疾走。特にニューウェーヴ×スカな「I Wanna Die」では、もはやモッシュか巨大なアジの回遊か? と思うほどサークルが巨大化。誰もが自分を解き放つことの喜びに満ち溢れている。

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短いMCを挟んでふたつめのブロックでは「好きな人はめちゃ好きだろうし、嫌いな人は嫌いだろうけど、新しいことができたと思う」と、『We Love Telephones!!!』から石毛がハンド・マイクで歌い(う)上げる「My Final Fantasy」や「Re : Life」という、アルバム・ツアーなら大団円に持ってきそうなナンバーを連発。スペーシーな中にも少々センチメントを含んだこの流れをファンは揺れながら聴き入っていた。

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3つめのブロックでは「ちょっと昔の曲をやってみます」と、イントロがエモすぎて痺れる「with one」など3曲をプレイ。そして、新旧も何も混ぜくりかえしての本編後半にはバンド名のバックドロップに変わって、5枚のLEDパネルが背景に登場し、分かっちゃいるけど、液晶が「D」「I」「S」「C」「O」を点すと思わず振りをしてしまう、多幸感と混沌のコングロマリット状態。the telephonesの懐の深さは、とにもかくにも観客を踊らせ、ストレスも悩みも怒りも悲しみも全て放出させ、ヨレヨレになった自分に満ちてくる何か……体力的な自信かもしれないし、ある意味の忘却かもしれない……を気づかせてくれることだ。そのために彼らはひたすら演奏するし、ノブのアクションがもはやコンテンポラリーアートに見えてしまうほど、ワケがわからないのも、「何かを超えよう」とする意思の現れなんだと思う(身の置きどころがないとも言うが)。

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盛り上げるだけ盛り上げて、本編ラスト「アイ・ヘイト・ディスコー!」の絶叫に笑う力がまだある観客。いや、笑うしかない。踊りすぎて残された体力でなんとかアンコ―ルするファンの歓声は物理的に大きくはないが、それがとてもいとおしい。「今日はなんか素直に楽しい」とアンコールに応える石毛は1発目に新曲「Punk Is Not Heavymetal」(って当たり前か、と自分で突っ込んでいた)。そしてアンコール4曲目、実質ラストの「Love & DISCO」では、巨大風船をフロアに投入。しかも割れると中からハート型風船が飛び出す泣かせる演出も。全勢力を出し切ってもなおやまない歓声にダブル・アンコールで応える4人。石毛にいたっては「アタマから全部もう1回やりたいぐらい、楽しかった!」と破顔一笑。

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大ラスは「Drums,Basses,Guitars,Keys,And Your Love And Voice」を合唱して終了。まさに目の前にいるキミがいないとライヴは成り立たないんだというthe telephones最強のアンセムである。全26曲、汗と笑いと涙の120分。恒例の記念撮影がグダグダでいつまで経っても終わらないのもご愛嬌、でした。年が明けてのKLAXONSとの対バンや、2度目のアルバム・ツアーのベクトルがどこを向くのか? 早くも楽しみになってしまった。

Text : Yuka Ishizumi




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