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LIVE REVIEW

SCAFULL KING "Strawberry year's -The night you will never forget in 15 years-"

2012.12.16 (sun) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo

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90年代にキッズだった熱狂的なファン、01年活動休止以降に好きになった人、昨年の"AIR JAM 2011"でSUBLIMEが出演キャンセルになり、急遽白羽の矢が立ったSCAFULL KINGのライヴを偶然観て虜になったリスナーなど、それぞれ入口も世代もファン歴も違う人たちが一堂に会したフロアは、尋常じゃないスキャフル愛と観客で溢れ返っていた。それも彼らが“伝説のバンド”という名で封印されることなく、15年間やり続けてくれた賜物であり、00年以降は今日で14回目(!)となる希少パフォーマンスに対するファンの渇望感がそこに加担され、凄まじい熱量を生んでいた。そう、今年デビュー15周年を祝して、1年半ぶりにワンマン・ライヴが開催された。イヴェント名もシャレを効かせ、15年は“イチゴ(苺)”ということで、"Strawberry year's -The night you will never forget in 15 years-"である。

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学校のチャイム音を合図に、NARI(Sax)がおねえ声で今日の注意事項(NARIへの罵声、ヅラ、ブラジャーを投げないでくださいなど)を述べると、鈴の音でクリスマス気分を煽り、「SAVE YOU LOVE」のイントロから「THE SIMPLE ANGER」で幕を開けた。

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いきなり沸点を記録する騒ぎっぷりで波打つ人、人、人・・・。去年出した新作『doubt!』から「SHAPE AND TIME」をプレイした後、「ナ~ナナナ~♪」のコーラスが耳に残る「NEEDLESS MATTERS」の剛柔自在のグルーヴ感にモッシュ、ダンス、ジャンプと観客が思い思いに暴れる様は壮観だった。それからNARIがビートたけしのモノマネ(『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』風)を挟み、「WITHOUT YOU?」の羽毛のような軽さと深みのある聴き応えの妙に思わず唸ってしまった。曲の後半にTGMX(Vo/Tp)が福田(Dr)の顔を黒タオルで巻き、目隠しでドラムを叩き続ける姿に「すげっ!」とTGMX本人が驚き、そのままFISHBONEのカヴァー「Lyin' Ass Bitch」まで叩いたのには仰天した。そこからスッとステージ袖から木村カエラが現れ、曲に合わせて踊り出し、これには会場も大フィーバー! さらにBACK DROP BOMBのTAKA(Vo)を招き、「DOO WEE」を披露するなど、てんこ盛りの内容に既に満腹感を覚えた。それだけじゃない。ステージ後方から星のようにライトが照れされ、雪に似せた紙吹雪が落ちる中で演奏した後、初っ端から大合唱を巻き起こす「WE ARE THE WORLD」へと繋いでいく。優しく温もりに満ち溢れたメロディが新木場STUDIO COASTを・・・いや、世界中を包み込むスケール感で鳴り響く。

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本編は鉄板のアンセム・チューン「SAVE YOU LOVE」、「YOU AND I, WALK AND SMILE」と続き、全パートにサビを張り巡らせたような曲調にジッとしていられなかった。歌メロ、掛け声のごときコーラス、スカのリズム、狂熱のホーンに鼓膜はもちろん、全身のツボというツボを突かれ、完全に昇天してしまった。このときのクラウド・サーファーの数も半端じゃなかったから。

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アンコールは最終曲「IRISH FARM」を含む4曲プレイし、全23曲約2時間に渡るライヴは、またここから開演するんじゃないかと思うほどの大盛況ぶりで幕を閉じた。終了後、汗だくの観客に混ざりながら会場出口に向かっていると、「5年ぶりに観たよ」(男性客)、「またやってくれないかなあ、楽しいねぇ」(女性客)という声が耳に飛び込んできた。5年後にライヴハウスに通いたくなり、すぐにまた観たくなるバンド・・・つくづくSCAFULL KINGはメンバーのキャラや音楽性、全部ひっくるめて愛されてるバンドだなあと痛感した。なんだか、もう、世代も時空も跨いだ支持のされ方でしょ、これは。今日のライヴにおける観客の熱烈なラブコールを肌身に察したのだろうか、終盤に「ツアーもやりたくなった」とTGMXがぽつりと零していた。その言葉絶対に忘れませんから。是非実現させてほしい! 転がるSCAFULL KINGに苔が生える余地はないのだ。ずっとローリング・ストーンであり続けて欲しい。

Text : Ryosuke Arakane
Photo : Rui Hashimoto / Tetsuya Yamakawa


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