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「レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが来日!」しかも「昨年の再結成ライヴ以来、初の公の場となる記者会見を開く模様」と、とある関係筋から情報をゲットし、コレはゼッタイ行かなくては思い、様々な手を使い記者会見に潜り込んだ。その記者会見の一部始終をレポートします。
1月28日月曜日、記者会見の行なわれる場所は新宿にあるパーク・ハイアットの39階ボールルーム。天井は高く、シャンデリアが吊り下げられ、正面には160インチのマルチ・スクリーンがあり、ツェッペリンのライヴ映像が流されている。こんな記者会見がない限り、くることはないであろう場所だ。
記者会見の開始予定時間は14:00。New Audiogram取材チームは2時間も前から会場入りし、かなりの気合いをみせるが、見事に空回りし、忘れ物をしたことに気付き慌てて戻ることに…。そして記者会見開始30分前、会場に戻るとすでに様々なメディアの記者とカメラマンが集まっていた。カメラマンたちは早くから入って、撮影のベスト・ポジションを確保していたようだ。記者席に着き、14:00を過ぎたところで記者会見が始まる。
司会者の声に導かれ、ジミー・ペイジ登場!いきなりものすごい数のシャッター音が鳴り響く。「スゲー!ホンモノだ!」と思っている間に5分程度の写真撮影も終わり、質疑応答へ。
まずは司会者による代表質問からスタート。
司会者:
まずは2007年11月にベスト・アルバム『Mothership』、歴史的なライヴ・アルバム『永遠の詩(狂熱のライヴ)〜最強盤』の発売、そして12月には一夜限りの再結成ライヴが実現したということで、本当にレッド・ツェッペリンにとって特別な一年だったと思いますが?
ジミー・ペイジ:
そうだね。昨年一年はレッド・ツェッペリンとしてたくさん活動した一年だったと思う。まずは映像をリリースしたのが大きかったね。これは元々76年に大都市の映画館でプレミア上映されたやつなんだけど、その時は場所によってはサラウンド・システムで聴けた所もあったと思うけど、小さな映画館ではたぶんモノラルで上映されていたと思うんだ。でも、時代とともにテクノロジーも進化して、今回は全てがサラウンド・システムで見られるようになった。『狂熱のライヴ』のサントラも出したし。マディソン・スクエア・ガーデンでプレイした時のライヴ映像を収録しているんだけど、当時のショーがどんなものだったのかみんなに見てもらえたと思う。『Mothership』のほうもアートワークも含め、いい仕上がりになった。それにみんなも知ってのとおり、昨年の12月にはレッド・ツェッペリンとしてロンドンのO2アリーナでショーをやったしね。だから昨年はレッド・ツェッペリンとしてかなり盛んな一年だったといえるね。
司会者:
ありがとうございます。今、オーディオ・テクノロジーの進化のお話もありましたが、あえてこの時期に『永遠の詩』をリマスターしようとした経緯は?いつ頃にこのアイデアはわいたのでしょうか?
ジミー・ペイジ:
『永遠の詩』は初めから映画館で上映するつもりでいた。土曜の夜遅くにライヴに来られない熱狂的なファンが映画館まで見に来てくれていた。その後、VHSでリリースすることになった。一応サラウンドにはなっていていたが、今考えるとまだそれほどテクノロジーが進化してなかった。 そしてテクノロジーもどんどん進み、DVDで再リリースすることになり、ただそのままの映像を使うだけではなく、これまでみんなが見られなかったような何か新しいエッジを加える必要があると思ったんだ。
70年代後半から80年代にかけて自分たちの映像が盗まれたっていう事件があったのだけど、後々これは話題作りのためにでっち上げだとも言われたけど、結局これは事実だった。記者会見も開いたから知っていると思うけど…。うん、そうだね。だから再リリースする際には今までみんなが見たことのなかった映像を見てほしいという思いがあったから、この時期に『永遠の詩』をリリースしたんだ。
司会者:
昨年12月の再結成ライヴ、2時間以上のパフォーマンスを見せてもらったわけですけど、そのライヴの感想は?おもしろいエピソードがあれば是非お聞かせください。
ジミー・ペイジ:
4人のミュージシャンがこのショーのために集まったわけだけど…と言ってもジョン・ボーナムは亡くなっているから彼の息子のジェイソン・ボーナムと一緒にプレイしたわけだけど、実は20年前にアトランティックの40周年記念コンサートをやった時もジェイソンと一緒にプレイしているんだ。その前にライヴ・エイドでも再結成ライヴをやったが、ビッグ・イベントにも関らず、その時はジェイソンとは違う今まで会ったこともないドラマーとやらなければいけない状況だった。リハーサルは当日1時間しかないわ、彼に「ロックン・ロール」のイントロから教えなきゃいけないわで、あの曲がいかにプレイするのが難しいかってことが分かったよ。
私たちはジェイソンと一緒にやったし、以前は他の人間とも一緒にプレイしたけど、いつかまた今回のこのメンバーでやる機会があれば、しっかりとリハーサルの時間をとってやりたいと思ったんだ。
それで、ジョン・ポール・ジョーンズ、ロバート・プラント、そして私のメンバー3人でビジネス・ミーティングをしていろいろな話をしている時に、マネージャーからロンドンのアルバート・ホールで行なわれる2日間のチャリティー・イベントに、レッド・ツェッペリンとして参加してほしいとオファーが来ているという話があった。その時は「リハーサルの時間をたくさんとれるなら、是非やらせてほしい」と返事をしたんだ。1980年にバンドは解散したけど、当時生まれていなかった人にも私たちがどういうバンドなのか、どういう意味をもったバンドなのかをわかってもらうためにも、今回のこの再結成ライヴはとてもいい機会であると考えた。そして、最も重要だったのはジェイソン・ボーナムを含むメンバー4人が、リハーサルへ集まったという事実だった。
数日間リハーサルをジェイソン・ボーナム含めた4人で集まってやっていたんだけど、始めた時はどういうものになるのか分からなかったし、まだ世間には秘密にしていたんだ。でも後になって、新聞で「レッド・ツェッペリンが再結成ライヴを行う」ってことをリークされてしまった。私たちはただとにかく成功させたいって気持ちだった。主催者側からはショーは50分だと言われたが、やるならもっと長い時間やりたいってお願いしたんだ。その時はアルバート・ホールでやるつもりで、リハーサルを進めていたんだけど、新聞でロンドンのO2アリーナでショーをやることになったってことを知って、すごいプレッシャーを感じたよ。でもリハーサルを何度も繰り返して、自分たちも自信がついて、いい仕上がりになった。そんな感じでリハーサルも順調に進んで、すごく楽しかったんだ!…でも物事がうまくいっている時に限って必ず何か起きるもので(笑)、指を3箇所も骨折してしまってショーを2週間も延期させなきゃいけなくなった。でも実際のショーはうまくいったし、本当に楽しかった!リハーサルは毎週やっていたんだけど、毎週曲に対して何らかの新しい発見や新しい感触があって、これだけ長い間空白の期間があったにも関わらずうまくやれたな。今回のコンサートは本当によかったよ!!
これで代表質問が終わり、ここから記者の挙手による質疑応答が始まる。
最初の質問は某FM局関係者の女性。
某FM局関係者:
今回ベスト・アルバムを出したり、再結成ライヴをしたり、久しぶりにレッド・ツェッペリンというバンドに向き合ってみて、何か新しい発見があったら教えてください。
ジミー・ペイジ:
以前と同じように自分たちがどれだけ素晴らしいバンドだったかということ再認識できたってことかな。特に新しい発見ということはなかったけど、リマスタリングの作業で自分たちの作品を聴き返していると、次の曲も聴きたくなって、そして更に次の曲も聴きたくなるんだ。DVDの作業の時も「ああ、自分たちは当時からこんなに素晴らしかったんだな」って改めて感じたしね。
そして、次は外国人記者が指名される。
この彼が厄介者で質問は日本語でという決まりも関係なく、英語でジミーと直接やり取りを始めた。しかも、すごい質問内容だ。この空気読めない外国人記者に周りの記者も失笑。
外国人記者:
レッド・ツェッペリンとして来日公演の予定は?
ジミー・ペイジ:
レッド・ツェッペリンとしてのツアーですが、今回O2アリーナでショーをやった時も、たった1日のショーだったのにワールド・ツアー並みにリハーサルや演出などにかなりの労力と時間をかけたんだ。ただ、ロバート・プラントが9月まで別のビッグなプロジェクトを抱えているから、レッド・ツェッペリンとしてツアーするかどうか、今は何とも言えないな。
外国人記者:
これまでLPやCD、DVDとか様々な作品を買ったけど、今回のも買わなければいけないのか?
ジミー・ペイジ:
買わなくていい。買う必要ないよ!(笑)
以前の『アーリー・デイズ&レイター・デイズ』は音楽的にはクオリティも高いしぜんぜん問題ないけど、アートワークはダサくてあんまり満足してなかったから、今回のアルバムをリリースして、よりいいものを見て、聴いてもらえると思う。まあよくある話なんだけど、あまりヒットしてない曲もグレイテスト・ヒッツと呼んでまとめて出したら売れるかな、いい最後を飾れるかなって考えているバンドもいっぱいいるんだ。でも、今回私たちはリアルに素晴らしいグレイテスト・ヒッツ・アルバムを出したんだ。でも買いたくなかったら別に買わなくてもいいんだよ!(笑)
と、外国人記者による突っ込んだ質問にジミーは笑い混じりに交わした。
そして、次に某社の男性による質問
某社の男性:
先ほどテクノロジーのお話が出たんですけど、インターネットであったりモバイルであったり新しいメディアが登場する中で、これらのメディアを活用した新しい表現であったり作品の方向であったり何かアイデアがあれば教えてください。
ジミー・ペイジ:
ちょっとびっくりな質問だな。最近ダウンロードをするというのが当たり前になってきたけど、これからもその動きが活発になってくるだろうな。でもいいことなんじゃない?
これまで質問に対して長々と答えてきたのに、これは正直かなり短いな!(笑)
続いて、某制作会社の男性による質問
某制作会社の男性:
同時期にブルース・ロックからハード・ロックに発展していったバンドはたくさんいるけど、レッド・ツェッペリンだけがこうも長い年月を経てまだ愛されていること、今も新しいファンの気持ちをつかむことができることは何が一番の理由だと思いますか?
ジミー・ペイジ:
まずブルース&ロックについてから話そうか。昔はよくラジオが今のTOP30のような曲をかけていて、そういうのは私たちの音楽には合わないなって思っていた。でもFMラジオが出てきて、LPの片面の全曲をかけたりして、様々な音楽が流れていたんでよく聞いていたよ。個人的に当時はワールド・ミュージックやブルース、フォーク、ハード・ロックなどいろんなジャンルの音楽を聞いてたんだ。私はそういう様々な音楽の影響を受けたし、アルバムを作るにあたって、アルバムって60分くらいだからやりたい音楽を1つのアルバムに収めきることはできなくて、アルバムを出すたびに自然と前作とは違うものになっていった。でもどれも素晴らしい作品になった。私たちはヴァラエティーに富んだ作品を作ってきたけど、シングルを出すってことは意識せずにやりたい音楽を作って、リリースしてきた。時代に流されることなく、自分たちはずっとやりたい音楽をやっていければいいと思っていたし、自分たちのペースでやっていこうと考えていたことが、今のキッズにも新鮮に感じられ、受け入れられるようになったんじゃないかな。だからレッド・ツェッペリンの音楽はどの時代のどの年代の人が聞いても新鮮に聞こえるし、受け入れられているんだと思う。
そして最後の質問は某スポーツ新聞の記者の方の質問。
これは皆さんご存知じだと思いますが、TVの情報番組で散々放映していたあのシーンです。
某スポーツ新聞の記者:
若いファンを獲得しているというと、昨年の再結成ライヴに日本から沢尻エリカという21歳の女優が見に行ったんですけど、彼女にコメントがあればいただけますでしょうか。
ジミー・ペイジ:
残念ながら彼女は知らないな。でもみんなの反応を見ると、何だか彼女に会っておかなきゃいけないのかも(笑)。彼女も音楽をやっているんだって?がんばってくださいって感じだな(笑)。
この最後の質問には各メディアが伝えていた通り、通訳の女性の方のナイス・アシスト(「別に…」発言)もありまして見事なオチがつき、1時間弱のジミー・ペイジの来日記者会見は終了しました。
こういうきちんとした記者会見はNew Audiogramとしては初の取材だったのですが、それにしても最後の質問は衝撃的でしたね。あのジミー・ペイジにこんな質問をするとは。さすがスポーツ新聞の記者さんですね。いい勉強になりました。
Text : New Audiogram
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
MOTHERSHIP / マザーシップ〜レッド・ツェッペリン・ベスト
LED ZEPPELIN
WPCR-12779/80 2,780yen (tax in)
2007.11.14 on sale
【DISC 1】
  1. グッド・タイムズ・バッド・タイムズ / Good Times Bad Times
  2. コミュニケイション・ブレイクダウン / Communication Breakdown
  3. 幻惑されて / Dazed And Confused
  4. ゴナ・リーヴ・ユー / Babe I'm Gonna Leave You
  5. 胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love
  6. ランブル・オン / Ramble On
  7. ハートブレイカー / Heartbreaker
  8. 移民の歌 / Immigrant Song
  9. 貴方を愛しつづけて / Since I've Been Loving You
  10. ロックン・ロール / Rock And Roll
  11. ブラック・ドッグ / Black Dog
  12. レヴィー・ブレイクス / When The Levee Breaks
  13. 天国への階段 / Stairway To Heaven
【DISC 2】
  1. 永遠の詩 / Song Remains The Same
  2. 丘のむこうに / Over The Hills And Far Away
  3. ディジャ・メイク・ハー / D'Yer Maker
  4. ノー・クォーター / No Quarter
  5. トランプルド・アンダー・フット / Trampled Under Foot
  6. 聖なる館 / Houses Of The Holy
  7. カシミール / Kashmir
  8. 俺の罪 / Nobody's Fault But Mine
  9. アキレス最後の戦い / Achilles Last Stand
  10. イン・ジ・イヴニング / In The Evening
  11. オール・マイ・ラヴ / All My Love
 
The Song Remains The Same / 永遠の詩(狂熱のライヴ)〜最強盤
LED ZEPPELIN
WPCR-12781/82 3,480yen (tax in)
2007.11.21 on sale
【DISC 1】
  1. ロックン・ロール / Rock And Roll
  2. 祭典の日 / Celebration Day
  3. ブラック・ドッグ / Black Dog (including Bring It On Home)
  4. 丘のむこうに / Over The Hills And Far Away
  5. ミスティ・マウンテン・ホップ / Misty Mountain Hop
  6. 貴方を愛しつづけて / Since I've Been Loving You
  7. ノー・クォーター / No Quarter
  8. 永遠の詩 / The Song Remains The Same
  9. レイン・ソング / Rain Song
  10. オーシャン / The Ocean
【DISC 2】
  1. 幻惑されて / Dazed And Confused
  2. 天国への階段 / Stairway To Heaven
  3. モビー・ディック / Moby Dick
  4. ハートブレイカー / Heartbreaker
  5. 胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love
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