<ジェシー・ハリス インタヴュー>
――今回、1年ぶりの来日公演を行われますが、この間、日本でもおおはた雄一さん、畠山美由紀さんのプロデューサーとしてお名前を拝見するなど、お忙しかったのではないかと想像します。どんな活動を行われていたのですか?
ジェシー:
去年はいろいろとやった。
例えば映画のサウンドトラック。日本でも公開されたイーサン・ホークの映画「痛いほどきみが好きなのに」のサウンドトラックは全曲僕が書いたんだ。そして、ノラ・ジョーンズやブライト・アイズ、ファイスト、エミルー・ハリスといったすばらしいアーティストたちが歌ってくれた。サウンドトラックの他にも映画用にスコアも書いたし、その映画にも出演したんだ。
そして、そう、ミユキとユーイチのアルバムをプロデュースしたのも去年だ。どちらのアルバムもとても気に入っている。ミユキのアルバムは富士山の麓にあるスタジオでレコーディングして、ニューヨークで残りの作業をした。あのアルバムは僕とミユキのデュオ・アルバム。
ユーイチはニューヨークまできてくれて一緒にレコーディングしたんだ。リチャード・ジュリアンと一緒にプロデュースしたアルバムだ。あのアルバムにはNYのすばらしいミュージシャンたちがたくさん参加したよ。
そして、僕の最新作「ウォッチング・ザ・スカイ」も去年録ったんだ。
――1月には1年半振りとなるニュー・アルバム『watching the sky』をリリースされました。大らかなムードを持ったアルバムだと思ったのですが、ご自身ではどんな内容になったと思いますか?
ジェシー:
このアルバムはきっと僕の最高傑作だろうと思っている。僕の古くからの友人たち、例えばエンジニアのテリー・マニングやパーカッショニストのマウロ・レフォスコ、ギタリストのトニー・シェアーやノラ・ジョーンズといった人たちとまた一緒に作ることができたし、今回のアルバムでは素晴らしいホーンセクションにも加わってもらうこともできたんだ。
実をいうとこのアルバムを作りあげるのにはすごく時間がかかってしまった。レコーディング自体はそんなに時間がかからなかったんだけど、レコーディング以外の作業がとても困難で、長い時間を費やしてしまった。僕はただ「正しい音」にしたかっただけなんだけどね。それにレコーディングが終わったあともなにかと支障があって、完成するまでにも時間がかかったなあ。
そういうわけでこのアルバムは難産だったともいえるね。
――また、今作のテーマや、その元となった出来事などがあれば教えてください。
ジェシー:
テーマは「希望」と「終結」
'07年の年末に僕の父が亡くなった。その出来事がこのアルバムのほとんどの曲に影響している。
――自国・アメリカではもちろんですが、日本の音楽ファンにも広く愛されてらっしゃいますね。日本のファンからはご自分の音楽のどんな点が受け入れられていると感じますか?
ジェシー:
うーん、、、僕自身も音楽を愛しているし、それに僕の周りにいる素晴らしいミュージシャン達のことが僕は大好きなんだ。いつもそのことが僕の音楽には表れるように願っているからかな?
――今回のツアーでもご一緒される畠山美由紀さん、そしておおはた雄一さんのプロデューサーとしても活躍されています。それぞれハリスさんから見たお2人の印象を教えてください。
ジェシー:
ミユキは第一級のシンガーだね。英語やポルトガル語の歌に挑戦するその勇気、そしてそれを見事にやってのけたあの努力に感服した。そして、彼女が僕をすっかり信頼してくれたことがとてもうれしかったし、感謝している。彼女と一緒に作品を作りあげた時間はとても価値のあるものだったよ。
ユーイチは素晴らしいギタリストであり、素晴らしいシンガーソングライターだ。彼の声は明瞭でありながらもリラックスしている。なかなかいないよね。
スタジオにいるあいだのユーイチはとても悠々としていて、僕らがやろうとしているあらゆる事柄に対してとてもオープンだったね。例えそれが彼にとってはとても奇妙に感じたとしてもね。ユーイチが違うと感じたことはちゃんと「それは違う」と僕らに伝えてくれたしね。だからこのアルバムを作ることに関しては、本当にすべてのことがうまく運んだよ。ぼくのアルバム「ウォッチング・ザ・スカイ」とは対照的にね。よくジョークでいっていたんだけど、ユーイチのアルバムでレコーディングの運を使っちゃったんだ、ってね。
――4月4日には、まさにアルバムと同じタイトルがついた『watching the sky』という野外イベントに出演されます。ファンも心待ちにしていると思うのですが、当日はどんなライヴになりそうですか?
ジェシー:
ぼくはどのライヴも同じように最高のパフォーマンスができるように心がけているけど、このフェスはホントに楽しみ。特に日本での野外フェスは初めてだから。
――また、ライヴ以外で楽しみにしていることなどありましたら教えてください。
ジェシー:
もちろん、食べ物!
あ、あとそれと久しぶりに日本の友達に会えるのを楽しみにしています。
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畠山美由紀 コメント
2007年、ご飯も食べずもの凄い集中力で、
二人っきりで作らせていただいたアルバム「Summer Clouds, Summer Rain」。
いつもいつもギターを触っていたジェシーの姿が印象的でした・・・。
「美由紀のベスト作品をつくる!」とジェシーが言ってくれた言葉が、
とっても嬉しかったことを、今でもはっきり憶えています。
ジェシーの最新作、私はホントに毎日聴いています。スカッとする!大好きです。
またまたジェシーに会えるなんて嬉しいです。
あの濃密な緊張感と開放感をライブで表現できたらいいなぁ。
ご一緒させていただくライブ、とっても楽しみです! |
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おおはた雄一 コメント
彼が書く曲の素晴らしさはもちろん、
あの気さくなキャラクターも素晴らしい。
日常と音楽が、本当に一体になってる感じがします。
そういうムードは、誰もがもっている訳ではないから、
いいなぁと思います。
生粋の音楽家! |