圧倒的な音の瞬発力と爆発力!! いま全国ツアー"Sands of Time Tour"の真っ只中、各地でロックンロールのカタルシスをこれでもかとばかりに放出させ、全国行脚中のNothing's Carved In Stone。
ここでは、この"Sands of Time Tour"の記念すべきツアー初日となった横浜BAY HALLでのライヴ・レポートを公開! 百戦錬磨のメンバーたちが、まるで子供のように楽しそうに初々しいまでの初期衝動を爆発させたこの日のライヴ、ぜひ目を通していただきたい! | ||||||||||
<Nothing's Carved In Stone ライヴレポート!>
2010.7.10 (sat) @ Yokohama BAY HALL, Kanagawa
ACTs : Nothing's Carved In Stone / HINTO / te'
Sands of Time Tour──つまり彼らのセカンド・アルバムのタイトルを冠するこのツアー──、Nothing's Carved In Stoneは、横浜にHINTO、te'を迎えて初日を迎えた。
「お呼ばれした」とおどけながらもフリーキーなギターとダンスビートを駆使したアンサンブル、安部コウセイのなんともいえぬ風情が既にバンドのカラーとして完成された感があるHINTO。そして福岡はF-X2010での出会いから意気投合したというte'は、珍しくKONOからのMCがあり、ツアーの門出を賑々しく祝福し、主役の登場を待つ。
きっとどんな猛者であろうとも、ツアーの最初の日のステージに立つというのはそれなりに緊張するものなのだろうな。そんなぴりっとした空気がフロアに満ちる。しかしライヴがはじまったとたん、堤防が決壊したかのように、この日の横浜のオーディエンスのダイブの量は半端なかった。村松拓の野性的なヴォーカルはのびのびとBAY HALLに響き渡り、生形、日向、大喜多とともに、4人のなかに生まれようとしている新しい波動とエネルギーの道筋をひとつひとつ丁寧に確認しているかのように映る。
絶賛ツアー中ということもあり、詳しいセットリストの紹介は避けるが、グランジのアグレッシヴな部分を追求したかのような「Rendaman」、アルバムでも異彩を放っていたエレクトロニックなアレンジとアコースティック・ギターのアンサンブルが有機的な「Slow Down」、そしてタイトル曲であり、まさに王道NCIS的キラー・チューン「Sands of Time」と、アルバムからの重要曲はほぼまんべんなくプレイされたことはお知らせしておきたい。
さらに新作から「Sunday Morning Escape」が終わると、ほとんど毎曲ごとに楽器を持ち帰る日向が「超かっこよくない?」とフロアに語りかける場面では、きっとメンバーにとっても満足のいくスタート・ダッシュだったのではないだろうかということが伺えた。もちろん前作から「Isolation」なども交えてのパフォーマンス、バンドにとっては少々意外な、そしてアルバムを聴いた人なら納得のエンディングで訪れる開放感を迎えた。気持ち良いことこの上ない。
アンコールでようやく生形が「けっこうテンパったから」と漏らしたあと、「2曲やっていい?」という問いかけに会場が最後に沸く。『Sands of Time』は、ナッシングスの魅力である複雑かつタフなアンサンブルがたっぷりと発揮されている。彼らは、とにかくやみくもな音楽的実験をプログレッシヴに追求していくよりも、バンドとしての個性と結束力、そしてメンバーそれぞれのプレイヤビリティを厚くしていくことをここで選んだのだと思う。そしてそれはまったく正しい。
text : kenji Komai
|