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suzumokuが東日本大震災から1年となる3月11日にシングル『蛹 -サナギ-』をリリース。勇気は持っていてもなかなか一歩を踏み出せない現代の閉塞感を描くタイトル曲に加え、ゆったりとした曲調に社会への皮肉を込めた「平々 -ヘイヘイ-」、そして311直後に発表され、みんなに歌ってほしいと著作権を放棄した「僕らは人間だ」が新たなバージョンで収録されている。あえて形容するなら、これまでの私小説的な歌世界から、生々しいドキュメンタリーへの変化を感じられるシングルであると言えるだろう。リリースと同時に計50箇所にわたり全国をアコースティック・ギターで周るツアーを敢行中の彼に、新作について、そしてこの激動の1年について聞いた。
蛹 -サナギ- / suzumoku
APPR-1301 1,365yen (tax in)
2012.3.11 on sale
蛹 -サナギ- - Single - suzumoku iconicon
  1. 蛹 -サナギ-
  2. 平々 -ヘイヘイ-
  3. 僕らは人間だ
  4. 蛹 -サナギ- (Instrumental)
蛹 -サナギ- / suzumoku
<suzumoku 『蛹 -サナギ-』 Interview>
 
── 昨年の3月11日から、このシングルのリリースまでの期間は、suzumokuさんの今までの活動のなかで、最も濃い時期だったのではないですか。
suzumoku:
濃かった分かなりあっという間でした。もう一年経つんだという感じです。3月11日はちょうど仙台にワンマンライヴをしにいくときだったので、それまでの自分の音楽があたりまえに近い存在であった。それがいきなり震災が起きた後、なにもできなくなる感じというか、そこで自分のやってきた音楽というものに対する脆さに初めて気づいた。歌を歌って聞いてくれている人がいるというかたちがある種基本的なかたちになっていたのが一気に覆されたわけで。だから震災の直後はしばらく、無力感というか、なにしたらいいんだろうという感じではあったんです。でも、現地の人たちやスタッフの方に支えられてなんとか無事に過ごせて。避難生活のなかで炊き出しをしてくれる人がいたり、自衛隊の人がすごくがんばってるなかで、励まされてくるんですよね。直接的な言葉を言われているわけじゃないですが、だんだんうずうずしてくるんです。そこで、自分で自分と言い合って考えてみると、ライヴに行っていたのでギターもあるし体も無事だし、じゃあ歌作ればいいじゃないって、結局すごくシンプルな結論に達するんですけど、でもそこまでがものすごい葛藤してた。 その後2日後ぐらいに「僕らは人間だ」という曲を作って、スタジオに入ってiPhoneで録音した。その瞬間から自分の音楽に対する気持ちが、一新したというよりは、より強いものになった。自信が持てるようになった。その後はほんとうにいろいろやりたいことがあって、結局行動に移さなければ結局はなにもできないわけだし。だったらライヴもリリースもそうですけど、積極的に、というのがすごく自然なかたちになればいいと思ったんです。
── この1年で突発的に曲の発想が生まれることも多かったんですか。
suzumoku:
「僕らは人間だ」がいままででいちばん衝動的にできたので、あとあと自分でも考えると、車で仙台から富山に避難している車中で、ギターが弾けない状況だったので、頭の中でできたんです。着いてから歌詞を紙に書いて弾いたら、想像通りの曲のかたちができて。しばらくはそれを超えるアイディアの浮かび方がなかなか出てこなかった。そのときの気持ちっていうのはたぶん今まででいちばん素直な状態だったというのを気づけたので、だったら焦らずに、また思いつくときに素直に書けばいいんじゃないかって。そういうスタンスにもなれ。
── 震災からまもなくYouTubeでアップされたヴァージョンはすごく荒々しく感情が捉えられていました。あの曲でsuzumokuさんのなかで、何かがふっきれたということなんでしょうか。
suzumoku:
ものすごく悩んだ状況下でも、曲を作るっていう衝動に持っていけたんだから、僕はそういう人間なんだろうな、っていうか。
── もちろんsuzumokuさんの楽曲って丁寧に作りこまれた言葉とメロディって魅力だと思うんですけれど、より瞬発力やロックっぽさがこの一年で高まったんじゃないですか。
suzumoku:
凝り性なんですよね(笑)。そういう質問を受けて考えると、どこまでこだわるのか、今までに比べたら、そこまで追い込まないようになった。初期の頃とか、ギターのフィンガーピッキングだったら、どういう風に指を動かしていくのかを几帳面に追い込んでいたんです。この一年で余計な部分、曲を考える構成の仕方とか曲の作り方の考え方を、意識して排除していたのではないですけど、自然なかたちで、荒いなりの良さがわかってきたのかな。
 
── さて、新曲の「蛹 -サナギ-」についてはどのような発想から生まれたんですか
suzumoku:
前のシングル「真面目な人」というのもキーになっている曲かなと思うし、その前の「モダンタイムス」という曲から、現代の社会に対する歌詞を込めた歌ができるようになってきたんです。今ニュースを見ていても、不安定、閉鎖的な感じがずっと続いているような、なにか一歩すっきりしない。就職率も安定していないし、みんなそれぞれ何かやりたいことや、将来はこうなりたいとか、学生の方は卒業したらこういう会社に行って、とかヴィジョンがあるけど、実際社会に出てみたら思うように動けない。決してなにもしたくないとか、完全に思考が止まっているというわけでもないし、結果を出すための行動力が備わってるのに、動けない。そういったのを見て、別のわからない人が「がんばれ」とか「いい加減にきりつけろよ」と言うと「そんなことねぇよ」とどうしても言いたくなる。僕もいろんなことを深く考えすぎちゃうこともあるけれど、それで一歩踏み出せないと、何も結果がわからないし評価も得られないし、いいのか悪いのか、自分にとってそれはプラスなのかマイナスなのかもわからない。その閉じこもりたくて閉じこもっているわけではないのに、自分のシールドを分厚くしていってしまう感じが成虫になる寸前の蛹のような状態のように感じたんです。まさにその状態のことを書きました。どの曲もそうなんですけれど、自分自身にも向けている、戒めのようなものです。
── そういうときは、歌にすることで少なからず開放されたり、自分の葛藤を客観的に見つめることができたり、折り合いをつけることができるんでしょうか。
suzumoku:
いろいろ悩んでいて思い浮かばないときに、その悩んでいることを書いてみようとか、それがひとつの自分にとっての行動なんだろうなって。そこで曲を作るっていうことで、いろんな感情が解消されてるのかな。それが自分のなかで無意識のうちに編み出して音楽にぶつけるスタイルになっていて。
── そのまま出してもいいんだと?
suzumoku:
作れるときはバーっと書いてしまうので、そのときって悩んでいる感情とか思っていることを一気にぶちまけていると思うんです。この「蛹 -サナギ-」という曲も、誰かのそういう状態をみて書くというより、自分自身がそうなっている状態に気づいたときに、これじゃいかんということで歌に込めるというか。だからライヴで歌うたびに、自分に対して「お前いまだいじょうぶか」と言うような感覚はすごくありますね。
── ライヴにしてもリリースにしても、この一年のsuzumokuさんの行動力が作品の質にも影響していると思うんです。一歩を踏み出せない足かせはあるかもしれないけれど、とにかく進むんだ、というようなこの歌の主張って、suzumokuさんの実感なんだろうなと。
suzumoku:
人それぞれに確固たる将来や目標というのはあって、理想って想像しやすいんです。理想や目標に対して動いていかなきゃいけないのは頭でわかってる。だけど明日のことってなるとまったくわからないので、結局動かなきゃいけないし、すぐ先の未来、極端に言えばあと何分後とか、明日のことはぜんぜん想像がつかないことでもある。それに対して怖くて一歩を踏み出せないとか、今の状態が幸せだと今を壊したくないという満足感もあるかもしれない。単純に部屋に閉じこもってるだけじゃなくて、メンタル的に気付かないところで実は動けてない、そういう蛹もあるんじゃないかと。今の自分はこんなんじゃないんだよって言っても、そう言ってるあなたの姿がほんとうの姿ですからって。だから、悩むことも必要だと思うんですけれど、動いてみて、そういった評価が必要なんだなと知るべきなんですよね。それがわからないままずっと悩んだままという人が多いんじゃないかなと思います。自分ややろうとしていることの大変さとか、出ないと気づかない。頭のなかではわかっているけど、実際身を持って知らないとわからないわけで。逆に、成功したときの達成感を自分で感じてみないと経験とも知識とも言えないし。だから、自分から動かないとだめなんだと思います。誰かが手伝って殻をバリバリと破ってもいいのかもしれないですけれど、自分のタイミングがすごく大事ですし。
 
── リスナーからすると、この1年suzumokuさんはとにかく無我夢中でやり続けている状態だったのかなと思ったのですが、単にアグレッシブなだけでもないし、内省的や閉塞感の表現だけでもない、そこにsuzumokuさんなりの試行錯誤があって、どちらかによっていないバランス感があるということですね。
suzumoku:
書いた直後ってそこまで自分でよくわかってないのかもしれないです。歌っていくとようやく気づいてくる部分があったりして。今の社会のことを歌っていない曲を書いていても、どこか精通する部分に後から気づいたり。
── 2曲目の「平々 -ヘイヘイ-」は、「蛹 -サナギ-」とはまた変わった、ちょっとしたゆとりもあるし、皮肉もユーモアも含まれている。また違う制作のプロセスだったんじゃないですか。
suzumoku:
曲作りのときに、気持ち的な浮き沈みのタイミングがあるんですが、この曲は吹っ切れられるようなときにできたんです。どうしようと思っているときに、意識を宇宙に飛ばしてみるとたいしたことない(笑)ですが、コアな部分は「蛹 -サナギ-」とまったく一緒なんですよね。物事を目指していて、今の現実社会にギャップをいだいて凹むのか、壁にぶち当たってしまったときに、蛹のようになってしまうのか、「平々 -ヘイヘイ-」のように「しょうがないっすよ!」と笑い飛ばして、とりあえず一服しましょうよ、となるのか、それって直前の自分のリズムですごい変わるんじゃないかなと思うんです。だから同時に作ったわけでもないんですけれど、根っこは一緒で。もちろんずっと「平々 -ヘイヘイ-」の状態ではまずいですし、ずっと「蛹 -サナギ-」の状態ではまずい。両方を経験すると、それぞれの自分なりの必要性がわかってくるんじゃないかと思うんです。
── 曲作りのときのそのタイミングは規則的にやってくるんですか、それとも共存しているんでしょうか。
suzumoku:
かなり変拍子だと思います(笑)。でもその書いてる曲が暗い曲にせよ明るい曲にせよ、書きだしてる瞬間は楽しいんですよね。普段生活しているなかで、失恋をしたとか、特別なことがあったり、ぐっとくることがあると、すごくその感情を歌にぶつけたくなる。震災のときはその極まったかたちだったんです。自分のなかで空想だけど物語を描いてというようなスタイルもときにはあるんですけれど、結局書いている言葉は事実と直接結びつく言葉じゃなくても、自分が実際経験したことに基づいているので。
── リリースと同時にツアーがスタートしていますが、どんなツアーにしていきたいですか。
suzumoku:
中学高校でストリートをやっているときに、全国行脚中という看板を出して歌っている人がいて、話を聞いていると、自分の未知の世界のことを知っていて、かっこいいなぁと。だから、全国をアコギを持って歌って周るというのはずっと前からやってみたいなと思っていたことだったんです。昨年の12月のワンマンのときに初めてアンプラグドでやって、ストリートに近い感じが、体を自由に動かして歌えるし、自分を縛るものがなにもなくて、お客さんと近い距離感がよかったので、全国を周ることにしました。初めて行く場所で初めてsuzumokuのライヴを観る人も多いと思うので、しかもワンマンで機材を使わないでできるのは、完全に真実の音で表現できるわけですからいいことだなと。初心の気持ちをあらためて大事にしていきたいと思います。ものすごい大変だと思うんですが、おいしい珈琲を楽しみにしています(笑)。
suzumoku : LIVE SCHEDULE
全都道府県50公演 LONG TOUR <機材をまったく使わないアコギ一本の生声ライヴ>
『“生声弾語りSolo Live” aim into the sun ~step by step~』
DATE : 2012.3.9 (fri)
VENUE : Mondo A Parte, Tokyo
INFO : 03-3425-6252
DATE : 2012.3.10 (sat)
VENUE : ライブラリーカフェ然々, Ibaraki
INFO : 029-354-5354
DATE : 2012.3.11 (sun)
VENUE : shibaken, Saitama
INFO : 048-434-0315
DATE : 2012.3.13 (tue)
VENUE : cafe+Diner Style, Kanagawa
INFO : 045-316-2707
DATE : 2012.3.15 (thu)
VENUE : deco red rooms, Nagano
INFO : 026-259-4030
DATE : 2012.3.16 (fri)
VENUE : GOZASSE-ゴザッセ-, Niigata
INFO : 025-387-3375
DATE : 2012.3.22 (thu)
VENUE : Bar Cafe the S, Iwate
INFO : 019-625-2440
DATE : 2012.3.24 (sat)
VENUE : SLOW TIME, Gunma
INFO : 027-325-3790
DATE : 2012.3.28 (wed)
VENUE : Bar Slow, Yamanashi
INFO : 055-226-8625
DATE : 2012.3.29 (thu)
VENUE : Cafe Dufi, Aichi
INFO : 052-263-6511
DATE : 2012.3.30 (fri)
VENUE : cafe/bar nomad, Gifu
INFO : 058-262-7674
DATE : 2012.3.31 (sat)
VENUE : 総曲輪かふぇ橙, Toyama
INFO : 076-482-5986
DATE : 2012.4.4 (wed)
VENUE : Rag Time Classics, Fukui
INFO : 0778-21-3791
DATE : 2012.4.6 (fri)
VENUE : SOLE CAFE, Kyoto
INFO : 075-493-7011
DATE : 2012.4.7 (sat)
VENUE : 51cafe, Shiga
INFO : 0749-27-7751
DATE : 2012.4.9 (mon)
VENUE : Bo Tambourine Cafe, Hyogo
INFO : 078-332-2778
DATE : 2012.4.12 (thu)
VENUE : aalto coffee and the rooster, Tokushima
INFO : 088-679-7550
DATE : 2012.4.13 (fri)
VENUE : chubby's kitchen, Kouchi
INFO : 090-1327-7576
DATE : 2012.4.14 (sat)
VENUE : レストラン・カフェ・ブエナビスタ, Ehime
INFO : 089-953-4886
DATE : 2012.4.17 (tue)
VENUE : umie, Kagawa
INFO : 087-811-7455
DATE : 2012.4.18 (wed)
VENUE : Luz cafe, Tottori
INFO : 0857-30-3367
DATE : 2012.4.20 (fri)
VENUE : 城下公会堂, Okayama
INFO : 086-234-5260
DATE : 2012.4.21 (sat)
VENUE : ゆずり葉, Shimane
INFO : 0852-25-8408
DATE : 2012.4.22 (sun)
VENUE : ふらんす座, Hiroshima
INFO : 082-295-1553
DATE : 2012.4.24 (tue)
VENUE : With Weed, Yamaguchi
INFO : 083-973-1808
DATE : 2012.4.25 (wed)
VENUE : ソワレ, Fukuoka
INFO : 092-791-6854
DATE : 2012.4.27 (fri)
VENUE : BRICKBLOCK, Oita
INFO : 097-536-4852
DATE : 2012.4.28 (sat)
VENUE : トネリコカフェ, Saga
INFO : 090-1978-0993
DATE : 2012.4.29 (sun)
VENUE : ENAcafe, Nagasaki
INFO : 095-824-3648
DATE : 2012.4.30 (mon)
VENUE : Private Lodge cafe&diner, Kumamoto
INFO : 096-323-3551
DATE : 2012.5.4 (fri)
VENUE : music&cafe明日の地図, Kagoshima
INFO : 099-227-0080
DATE : 2012.5.5 (sat)
VENUE : UPPER YARD, Miyazaki
INFO : 0985-64-9907
DATE : 2012.5.10 (thu)
VENUE : MUSICASA, Tokyo
INFO : 0570-00-3337 SUNRISE PROMOTION TOKYO
DATE : 2012.5.11 (fri)
VENUE : MUSICASA, Tokyo
INFO : 0570-00-3337 SUNRISE PROMOTION TOKYO
DATE : 2012.5.20 (sun)
VENUE : 珈茶話, Tochigi
INFO : 0288-22-5876
DATE : 2012.5.25 (fri)
VENUE : さんご座キッチン, Okinawa
INFO : 098-860-9555
DATE : 2012.5.26 (sat)
VENUE : さんご座キッチン, Okinawa
INFO : 098-860-9555
DATE : 2012.6.4 (mon)
VENUE : radi cafe apartment, Mie
INFO : 059-352-4680
DATE : 2012.6.5 (tue)
VENUE : MAGIC MALET, Nara
INFO : 0744-43-2226
DATE : 2012.6.8 (fri)
VENUE : Desafinado, Wakayama
INFO : 073-441-6166
DATE : 2012.6.9 (sat)
VENUE : カフェ&バー マーブル, Osaka
INFO : 06-6359-0881
DATE : 2012.6.10 (sun)
VENUE : CAPU, Shizuoka
INFO : 054-252-5343
DATE : 2012.6.11 (mon)
VENUE : もっきりや, Ishikawa
INFO : 076-231-0096
DATE : 2012.6.13 (wed)
VENUE : HAKKACAFE, Chiba
INFO : 047-376-0010
DATE : 2012.6.15 (fri)
VENUE : たいやきcafe "Ko.tatsu", Fukushima
INFO : 0246-68-7364
DATE : 2012.6.16 (sat)
VENUE : カフェモーツァルトアトリエ, Miyagi
INFO : 022-266-5333
DATE : 2012.6.17 (sun)
VENUE : 蔵OBIHACHI, Yamagata
INFO : 023-626-2737
DATE : 2012.6.19 (tue)
VENUE : J's cafe, Akita
INFO : 070-6494-5520
DATE : 2012.6.21 (thu)
VENUE : コノハト カフェ&レコーズ, Aomori
INFO : 017-762-7585
DATE : 2012.6.23 (sat)
VENUE : PROVO, Hokkaido
INFO : 011-211-4821
suzumoku Official Website
http://suzumoku.info/