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前作『SALVAGE YOU』から半年、cinema staffがダブル・シングル「小さな食卓」「西南西の虹」をリリースする。これまでも、詩的な世界とアグレッシヴなバンドサウンドを両立させてきた彼らだが、日常のなんでもない家族の風景の奥にある大切さを描写した「小さな食卓」そして、カオスとスピード感のなかに飲み込まれていくライヴ・パフォーマンスの勢いをそのまま刻みつけた「西南西の虹」という異なるベクトルを持つ楽曲が生まれた拝啓について、そしてこの2作で実現した新たなコラボレーションについて、三島にメール・インタヴューをおこなった。

Interview & Text : Kenji Komai
小さな食卓 / cinema staff
PCCA-03792 1,300yen (tax in)
2013.2.20 on sale
     ■CD
    1. 小さな食卓
     ■DVD
    1. 小さな食卓 Music Video
    2. レコーディングドキュメント
 
西南西の虹 / cinema staff
PCCA-03793 1,300yen (tax in)
2013.2.20 on sale
  1. 西南西の虹
  2. A.R.D
  3. 発端
  4. いらないもの
小さな食卓 Music Video
 
西南西の虹 Music Video
<cinema staff 「小さな食卓」「西南西の虹」 Interview>
──今回2月20日に発売になるダブル・シングル『小さな食卓』『西南西の虹』ですが、『SALVAGE YOU』を経て、バンドがまたあらたな境地に達していることを感じられる仕上がりになっていると感じました。『SALVAGE YOU』のリリース後ツアー "夜は短し歩けよ辻" を行いましたが、どんな手応えがありましたか?
三島:
"夜は短し歩けよ辻" は良くも悪くも修行感のあったツアーで、最後の最後までベストのセットリストであるとか、見せ方を試行錯誤していました。ワンマン・ツアー特有の、自分たちしか演奏しないという状況で、モチベーションの持っていきどころにも苦労しました。トータルでは手応えというより、反省点の方が多いツアーでした。
──今回の楽曲は、いつぐらいに書かれたものなのでしょうか?シングルということを意識して作られたものなのですか?
三島:
小さな食卓は、1stフル・アルバムの候補曲になっていたぐらいなので、二年以上前にほぼ完成していた曲です。西南西の虹は、割と最近です。どちらもシングルを意識した訳では無いですが、完成した時にシングル・カット出来そうだな、とは思いました。
──またダブル・シングルという形態で発表しようと思われたのは? アイデアはどういう経緯で生まれたんですか?
三島:
アイデア自体は昔からあったのですが、タイミングが無くてとっておいたものです。当初は両面性を打ち出す面白いやり方としてのプランでしたが、少しずつメッセージ性の違いをはっきりさせるものとしての二面性に変わった所はあります。
──「水平線は夜動く」「into the green」もあるように、cinema staffは、現在のバンドのなかでもシングルというフォーマットにとても意欲的で、チャレンジングな姿勢を持っているバンドだと思います。cinema staffにとってシングルとはどのような意味を持つものですか?
三島:
実は深く考えたことも無いんですが、一曲ではっきりと色濃くメッセージを残せるものが最終的にシングル・カットされると思っています。
──ダブル・シングルそれぞれの楽曲について聞かせてください。まず、「西南西の虹」は、cinema staffのライヴのダイナミズムをそのまま楽曲に転化させたような攻撃的な楽曲です。これはこのところのライヴ・パフォーマンスの充実ぶりから生まれてきたのでしょうか?
三島:
特にそういう訳では無いです。出来た事に関しては自然な流れです。ライヴから還元されて曲がタイトに、アグレッシブなニュアンスになっていった、という事は多少あると思います。
──続く「A.R.D」も疾走感溢れる曲調ですが、ギターをはじめとした音のレイヤーなどこだわったところはありますか?
三島:
とにかく男らしく、を意識しています。ギターの絡みもあまり複雑にせず、全体的にどんと重たく、ズッシリ感じられるイメージで作りました。リズム隊が如何に輝けるかを念頭にしています。
──一転してアコースティックな「発端」では、ぐっと音数の少ないアンサンブルになっていますが、こうした振幅もさらに広がっていると感じます。こうしたサウンドの方向性になったのは?
三島:
元々はアコースティック・アレンジでは無かったです。プリプロの段階での思いつきでこういう形になっています。言葉がとても重要、というかほとんど全てぐらいだと思う曲なので、それを邪魔しない展開を心がけました。
──開放感溢れるアレンジと、歌詞の潔さのバランスが興味深い「いらないもの」については?
三島:
この曲と「発端」は二曲でひとつとして作られました。発端はこの曲の枕曲という意味合いがあります。こちらはとにかく思いついたアイデアを詰め込んだ複雑な曲です。歌詞は殴り書きの散文のような、あまりまとまりのないものですが、書いた当時のそのままの感情が感じられる生々しいものだと思います。とても気に入っている楽曲のひとつです。
──「小さな食卓」は、ただそこにいることが誰かの助けになっている、という普段忘れてしまう気持ちを気づかせてくれます。これまで以上にリアルというか、身近な日常にフォーカスを当てた世界観になっていると思います。こうした風景が生まれてきたきっかけは何かあったのでしょうか?
三島:
ホームシックからです(笑)。上京した直後ぐらいに作った曲なのですが、学生じゃなくなり、上京し、音楽をプロとしてやることになり、当たり前と当たり前じゃないことがすり替わって行く感触がすごく特異で、それを是非とも記録に残さないと、と思ってスタジオに篭って歌詞を書きました。
──メンバーの皆さんのなかでは今回の各楽曲はどのように世界観を共有させていったのでしょうか? ぶつかったところは?
三島:
自然と皆、僕のモードやテンションに関しては共有されていたんでは無いかと思います。ぶつかったことは特に無いと思います。今回カップリングの曲に関しては特に作品の世界観の一つとして考えていません。
──今回のDVDにはレコーディング・ドキュメントも収められているとのことですが、レコーディング中の印象に残るエピソードはありますか?
三島:
今回かつてなくすんなりいったレコーディングでしたので、これもあまり無いといえば無いのですが…。強いていうなら、打ち上げのタイ料理が美味かったことでしょうか。
──そして「小さな食卓」はショートフィルムが制作され、その脚本を高橋久美子さんが手がけられているとのことです。高橋さんの歌詞や詩、言葉の世界も、日常、もっと言えば半径数十メートルの自宅を拠点として世界を描きだそうとしているように感じます。そうした意味では、今回の「小さな食卓」でのコラボは理想的とも言えるのではないかと思います。高橋さんの脚本によるショートフィルムについては、どんな感想をお持ちですか?
三島:
いや、初めて我々の作品に触れて頂いたとは思えない程、イメージの一致があったのではないでしょうか。それを増幅した上でフックもある素晴らしいものになったと思ってます。やはり、さすがだなあ、と。一個人としても本当にリスペクトしてます。
──また、両作のアートワークをLOSTAGEの五味さんが手がけています。五味さんにはどんなお願いをしたのでしょうか? また仕上がりについてはいかがですか?
三島:
両盤ある程度統一した作風でありたかったのでそれと、あとは好きにして下さい、と(笑)仕上がりも素晴らしかったです。質感が暖かみがあって、出したかった印象にぴったりでした。
──五味さん、そして高橋さんと、ライヴでのゲストやセッションとはまた別の共演が実現していますが、こうしたかたちの他のアーティストとのコラボレーションについては、これからどんな可能性を感じていますか?
三島:
単純に楽しいですし、新しい刺激を頂けるので、やれるうちにやっておきたいなと。今やっていることだけでなく、個人としてもバンドとしても最終的に財産になることだと思っていますので。
──cinema staffのリスナーとしては、どんどんアグレッシヴに、自由に、挑戦的に、開けている印象があり、それがどのように開放されていくのか、楽しみでもあります。今後の活動を楽しみにしているリスナーへ向けて、なにか一言お願いします。
三島:
基本的には自分たちがやりたいように好きなことをやっているだけなので、それを楽しみと言って下さるのはありがたいですね!(笑) 何かのきっかけになれるバンドになれるよう、日々頑張りますので今後ともチェックお願いします。
cinema staff double single release live「two strike 2(to) night~2013開幕版~
DATE : 2013.3.7 (thu)
VENUE : Shindaita LIVE HOUSE FEVER, Tokyo
OPEN : 18:30 / START : 19:00
ACTs : cinema staff / ASPARAGUS
INFO : VINTAGE ROCK 03-3770-6900

DATE : 2013.3.13 (wed)
VENUE : Shisakae CLUB ROCK'N'ROLL, Aichi
OPEN : 18:30 / START : 19:00
ACTs : cinema staff / アルカラ
INFO : JAILHOUSE 052-936-6041

DATE : 2013.3.14 (thu)
VENUE : Shinsaibashi LIVE HOUSE PANGEA, Osaka
OPEN : 18:30 / START : 19:00
ACTs : cinema staff / アルカラ
INFO : KYODO INFORMATION 06-7732-8888
cinema staff official website
http://www.cinemastaff.net/