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the band apartが5月21日(水)ニュー・シングル『BONGO e.p.』そしてライヴDVD『510×283』を同時リリースする。メンバーそれぞれの楽曲を個々にブラッシュアップさせるという方法をとった前作『街の14景』での緻密なプロダクションを経て、今作ではタイトルにも象徴されているパーカッションの導入による開放感、そしてざっくりとオルタナティヴな手触りが特徴となっている。また『510×283』は昨年の「『街の14景』 release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR」の模様をメンバーへのインタヴューも交えドキュメンタリー・タッチで収録。4人のなかには現在どんなムードが流れているのか、ヴォーカル/ギターの荒井とドラムの木暮が語ってくれた。

Interview : Kenji Komai
BONGO e.p. / the band apart
asg-027 1,389yen (+ tax)
2014.5.21 on sale

  1. 誰も知らないカーニバル
  2. The Base
  3. 来世BOX
  4. 環状の赤
「誰も知らないカーニバル」-「The Base」 Music Video
<the band apart 『BONGO e.p.』 Interview>
 
──リリース直前ですが、作品の評判はいかがですか?
荒井:
先日PV「誰も知らないカーニバル」〜「The Base」を発表したんですが、その評判はいいんじゃないかと。
──珍しくスーツを着てスタイリッシュにキメてますね。
木暮:
監督がふたつの楽曲をひとつにまとめようというアイディアを出したときに、映像的にもギャップがあったほうがいいと言っていたので、じゃあスーツでいいか、という軽いノリで。どうせ二次会みたいになるだろうって(笑)。
──楽曲のカラーごとに違うヴィジュアルになっていて、いいですね。
木暮:
ほんとうは2曲目は虚無僧という案もあったんです(笑)。
──(笑)。今回のEPの構想というのはいつぐらいに生まれたのですか?
荒井:
年間スケジュールをバンドで話し合っていたなかで、年明けくらいからぼちぼち曲を作り始めようか、みたいな流れがありました。本格始動したのは年始だと思います。それから、ツアーをやりたいからというのもありますね。
──必然的に、新曲のカラーがツアーのムードを決めていくことになると思いますが、音的なイメージは最初になにかありましたか?
荒井:
制作が始まるまでは分からないですね。あまりプリプロダクション的なこともできなかったし、そこは出たとこ勝負です。始まってから、最初は曲のBPMを合わせようという話が一瞬浮上したんですけれど、すぐ断ち消えました。4曲を作っているなかで、3曲のBPMが近かったので、それを合わせて繋がりと共通するテーマがある作品にしたらとどうだろう、という意見があったんだけど、川崎の曲だけグンと早かったので、あきらめました(笑)。
──EPとしての統一感よりは、曲それぞれの魅力を重視しようと?
荒井:
結果的にはそういうことになりました。
──昨年のアルバム『街の14景』を経て、いまのバンドのなかでの新曲のアイディアの持ち寄り方については変化はありますか?
木暮:
荒井とはよく話していたんですけれど、『街の14景』で試みた、曲を作ってきたやつが全てプロデュースして細かいところまで作っていく、という方法に、簡単に言えば飽きたところがあって。例えばリードギターのフレーズを作ったとして、それを川崎に教えるときに、同じフレーズでも奏者によって抑揚は違うじゃないですか。そういう部分をあらかじめものすごく細かくイメージして作っても、それが再現されないと逆にストレスになってしまったりする。それだったら最初からぼんやりしたイメージのまま出してみて、みんなでちょっとずつアイディアや手癖を混ぜて進めていったらいいんじゃないかというのを、この作品を作りながら挑戦してみたんです。
──『街の14景』の音のタッチと比べると、今回はざっくりとラフな印象がありました。これも制作方法の変化が影響しているのでしょうか?
木暮:
たぶんそうなんじゃないかな。
荒井:
僕の曲「環状の赤」はサビの裏メロやギターソロも考えてもらうつもりで、半分もできていない状態でした。そこが曲のなかでの比重が大きいところなんだけど、いいフレーズが浮かばなくて、一緒に考えてもらうことにしました。その結果、ベースは、崩してもらう気満載だったのをそのまま使うことになり、ドラムはいつもの通り、感触だけ伝えて考えてもらいました。この曲と「来世BOX」は、ベーシックはヴォーカルとリードギター以外、3人で一発で録ってるので、ざっくりとした感じと繋がってるかもしれないですね。細かいところは気にせず、3回から5回のテイク以内で終わらせてました。
──楽曲ごとに役割分担を明確にした前作を経て、今回の制作方法の成果はあったと思いますか?
荒井:
今回のほうがいい気がしますし、その足がかりとなる制作だったとあらためて思いました。まだ分業感は少しありますけれど、より深くしていきたい。リフとリフ、アイディア同士をくっつけるということももうちょっとやってみたかったんですけれど、今回は成長していると思います。意識的にそうしたというよりも、今回はこういう作り方でやってみたいという欲求が滲み出たみたいな感じですね。
 
──『BONGO e.p.』というタイトルにもなっているパーカッションの音色が特徴的ですが、どんなきっかけで導入することになったのですか?
木暮:
録音してくれているエンジニアの速水直樹さんがハマっているんです。スタジオにコンガやボンゴが置いてあるので、最初に「来世BOX」のデモを作っているときに入れて、その場のノリで全曲入れることになったんです。
──パーカッションが入ることによる効果については、どんな風に感じましたか?
木暮:
いなくなるとその存在が分かる、というような感じは考えていました。「来世BOX」は最初から最後まで通して入っているので、鳴っていることを意識しなくなるんですけれど、「誰も知らないカーニバル」も「環状の赤」も、存在感がないようであるんですよね。ノリでやったわりにはよくできたと思います。
──それでは、ソウル、ファンクやアフロに傾倒していたわけではなかったんですね。
荒井:
速水さんがラテンに詳しくて、いろいろ教えてくれたけど、ぜんぜん分からなかった、みたいな感じですね(笑)。自由にやってもらったことで、楽しい雰囲気が出ていると思います。
──リリックの世界観については、4曲揃ってみて思うところはありますか?
荒井:
今回も、それぞれひとり1曲詞を担当しました。私小説みたいな文章から、散文的なもの、いろんなヴァリエーションがあって、「らしい」ものが並んだと思います。僕は人となりを知ってるから、「らしい」という印象がありますけれど、聴く人にとっては共通項を見出してくれる方もいらっしゃるのが面白いです。
──僕も、終わらない青春を謳歌しているような少年性は『街の14景』から受け継がれていると感じました。気のおけない仲間との日常が切り取られているなと。
荒井:
どっちかというと中年に近づいていますけどね(笑)。
──今回同時リリースされるDVD『510×283』のトレーラーに、荒井さんの「みんなが聴いた青春の音楽に俺たちが食い込めればと思って音楽やってます」というライヴのMCが収録されていますけれど、今回の『BONGO e.p.』も食い込み得る作品だなと感じたんです。歌詞の世界観を含めて、リスナーへの態度というのはどんなものだったんでしょう?
荒井:
あるといえばある、ないといえばない、それくらいフラットな感じでやりたいんですよ、基本的には。ライヴも「いいか!」って気勢を上げるようには僕らはなれない。そういう人はいるし、かっこいいなと思うんですけれど。長くやらせてもらっているので、最近はそのことに対する感謝を伝えたい、という感覚なんです。そういう意味では変わっていないんですけれど、観てくれる人がいるからこっちも楽しい、という感覚です。
──もちろんこれまでも音楽の中身でそうした姿勢を表明してきたと思うんですけれど、MCでもちゃんと語ろうとしていることも影響しているのか、今のバンアパのライヴは、よりバンドとフロアの距離が近くなったように感じられていいなと思います。
荒井:
川崎は違いますけど、ツアーになればわりと全員しゃべるようになりました。歌を披露したり(笑)。黙々と演奏を続けるのもかっこいいんですけれど、話すのもライヴの重要なファクターなんだなと少し思うようになりました。
──ヴォーカリストとしてもそうした気持ちは影響しているでしょうか?
荒井:
うーん、あるといえばあると思います。でもうちのバンドはみんな自由なので。僕がムダにしゃべるようになったのは弾き語りを始めるようになったから、追い詰められてしゃべるようになったのかもしれないです(笑)。
木暮:
聴いてくれる人というのは、いろんな人の集合だから具体的なイメージができないのですが、昔は4人ともステージの上でエモーショナルに演奏して、人格が変わる感じだったんです。いかにエモくやれるか、にこだわっていた。でも今は、演奏に没頭するというのは変わっていないですけれど、それ以外の場面で飾らなくなった。かっこつけないというか、いつでも素に近くなってきて。だから距離が近くなったように見えるんだと思います。
荒井:
昔はめちゃくちゃ緊張していてうまく喋れないところもあったし。今でもあがり症なので緊張するんですけど、いろんなところに出させてもらっているうちに、恥ずかしくなくなってきたんだと思います。
 
──パーカッションの影響もあると思うのですが、とても開放感溢れる曲が多いですよね。
荒井:
みんなそれなりに曲を作ってきて、今は、ある音に違う音を重ねていくというのでない方法論、違うアンサンブルで歌に添っている曲が多くなっている印象があります。とにかく足していって、いかに隙間を縫えるかというアレンジから、僕らなりに洗練されてきた。「誰も知らないカーニバル」以外は、テンションコードを多用していなくて、省略コードやオンコードの方が多くて、それですっきりラフに聴こえるのかもしれないですね。
──実際にギターの音は以前と比べて重ねていないのですか?
荒井:
ベーシックになる音はそれぞれの作曲者に聞きますね。「俺はこういう音しか出せない」というのは全くないので。「来世BOX」は最近メインで使っているバッドキャットのアンプじゃなくてJC(ローランド ジャズコーラス)で、レスポールにちょっと劣化したケーブルを使って、ローファイな音を出すことでまとまったり。「The Base」は逆に、エッジの効いた感じ、ということだったので、テレキャス使ってみよう、という音作りをしていました。だんだんみんなのギターの音の好みも分かるようになってきたんです。例えば原の好きなギターは分離が良くてレンジが広くて、全部が聞こえる音。構成音が多いコードを使ったりするから、キラっと音が全て聞こえる感じがいいんでしょうね。ギターに関しては汚い音を求めていない感じなんです。
──木暮さんはこの作品で提示された4人の個性についてどう聴きましたか?
木暮:
多少混ざったとはいえ、監督している人がいますから。「誰も知らないカーニバル」は昔のファンキーなジャズの人がやってるファンクみたいなところがありつつ、コード進行は転調しまくってメロディで繋げていく今の音楽っぽい。川崎の「The Base」は、BPMは120前後で揃えようと考えていたのがこれだけ180で、ギターがほんと好きで、こういうのやりたかったんだろうなって、勢いがあって演奏してても楽しいですね。荒井の「環状の赤」は俺が思うに「うちのバンドっぽい音ってなんだろう?」というのを荒井なりに考えて、AメロBメロとジャンルをまたいでいくような展開。サビのメロディも「こういうの歌うと気持ちいいいんだろうな」って。「来世BOX」とか、俺が作る曲はもっと平坦なんですよ。ひとりで個人練習のときにて自分で大声で歌うと分かるんですよね。「こういうドラムが叩いていると気持ちいい」というのと同じようなことがヴォーカリストにもあるんじゃないかなって。そう、「環状の赤」って一度歌詞がボツになったんですよ。力強いメッセージの歌詞で、あまりにドラマチックだったから。言葉ってそれで決まってしまうからすごいよね。
──みなさんのなかでは必要以上に熱いとNGになるんですか。
荒井:
そういう気持ちはなかったんですけれど、前の歌詞は、勢いで書きすぎてしまって、書き直しました。
──荒井さんの歌詞は描写を繋いでいって気持ちを喚起させる、という曲のほうが多いですからね。ではDVD『510×283』についても教えてください。
荒井:
これは川崎が製作総指揮というポジションで、ツアー中もカメラを持ってうろうろしていました。完成品を観るまであまりピンときていなかったんですが、今回は今までの作風と変わって、間にドキュメンタリーが差し込まれる構成になっています。以前も川崎はPVをプロデュースしていて、僕らと違う思い入れを持って、映像ディレクターの才能を開花させています。インタヴュー・パートが面白くて、話しているバックで音が流れてライヴの映像が挟まれる、ってCMにこんなのあったなっていう演出が俺たちの映像作品にしては斬新で、かっこいいなって。最近の俺たちの感じが伝わるかなと思います。
木暮:
こういうのが作りたかったんだって。ライヴとオフショットと分かれていたものをストーリー仕立てにまとめていて、キャプションの入る頻度とか、手作り感がいいなと思いました。
──タイトルの由来は?
木暮:
後藤(510)と翼(283)という作った人たちの名前を、画角や収録時間のような含みができるように数字にする、というのを川崎が思いついたらしいんですが、最初本人たちには難色を示されたそうです(笑)。
──では最後に、ツアーについてですが、意気込みをお願いします。
荒井:
今までと違うのは、対バンツアーになるということです。レコ初とはいえ、出てくれるバンドと楽しくやれたらと思います。
木暮:
バンドの出したい音を個人個人が勝手に出す、というスタイルでずっとやってきたんですけれど、「もうちょっとこういう音にしていったほうがいいんじゃないか」というムードが最近あって。自分の出したい音がここに干渉して、外ではこう聴こえているから、PAはこういう風にする、とひとりひとりが考えて音作りをしていったら、もっと良くなるんじゃないかと思います。みんな「こうじゃなきゃいけない」というエゴが本当に無くなってきているから、発想もそうなってきている。バンドとしていいライヴをしようと、ようやく10年かかって思えるようになりました。
荒井:
昔はそのバラバラ感が良かったのかもしれないけれど、いいかげんやりづらい、もういいんじゃないかという空気が出てきて(笑)。だんだん機材もミニマムになってきていますね。例えばベースの原が自分の好みに近づけるためにアンプを減らしたり、川崎が自作のエフェクターをプロデュースして作ったりするのは、バンドの音をひとつの塊として出すための方法でもあるんです。
the band apart 『BONGO e.p.』 release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR
DATE : 2014.6.8 (sun)
VENUE : Osaka BIG CAT, Osaka
OPEN : 17:00 / START : 18:00
GUEST : フルカワユタカ
INFO : GREENS 06-6882-1224

DATE : 2014.6.10 (tue)
VENUE : Hiroshima NAMIKI JUNCTION, Hiroshima
OPEN : 18:30 / START : 19:00
GUEST : HINTO
INFO : YUMEBANCHI 082-249-3571

DATE : 2014.6.12 (thu)
VENUE : Fukuoka BEAT STATION, Fukuoka
OPEN : 18:30 / START : 19:00
GUEST : HINTO
INFO : BEA 092-712-4221

DATE : 2014.6.15 (sun)
VENUE : Takamatsu DIME, Kagawa
OPEN : 17:30 / START : 18:00
GUEST : Tera Melos
INFO : DUKE 087-822-2520

DATE : 2014.6.17 (tue)
VENUE : Nagoya CLUB QUATTRO, Aichi
OPEN : 18:00 / START : 19:00
GUEST : マキシマム ザ ホルモン
INFO : JAIL HOUSE 052-936-6041
DATE : 2014.6.18 (wed)
VENUE : Kanazawa vanvan V4, Ishikawa
OPEN 18:30 / START : 19:00
GUEST : BLACK BUCK
INFO : KYODO HOKURIKU TICKET CENTER 025-245-5100

DATE : 2014.6.22 (sun)
VENUE : Sapporo PENNY LANE24, Hokkaido
OPEN : 17:30 / START : 18:00
GUEST : avengers in sci-fi
INFO : WESS 011-614-9999

DATE : 2014.6.24 (tue)
VENUE : Sendai CLUB JUNK BOX, Miyagi
OPEN : 18:30 / START : 19:00
GUEST : 八十八ヶ所巡礼
INFO : G.I.P 022-222-9999

DATE : 2014.6.27 (fri)
VENUE : Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
OPEN : 18:00 / START : 19:00
GUEST : 後日発表
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888

DATE : 2014.6.29 (sun)
VENUE : Ofunato LIVEHOUSE FREAKS, Iwate
OPEN : 17:30 / START : 18:00
GUEST : TILI TILI
INFO : G.I.P 022-222-9999
the band apart official website
http://www.asiangothic.org/