EDITOR'S CHOICE:エディターたちが厳選した最新レビュー!

LIVE REVIEW

MOTION CITY SOUNDTRACK "JAPAN TOUR 2010"

2010.3.4 (thu) @ Akasaka BLITZ, Tokyo
ACTs : MOTION CITY SOUNDTRACK / BEAT CRUSADERS / ORESKABAND

トップバッターは、3年前にSXSWで観たライヴでは、ギリギリまだ制服姿だったORESKABAND。思えばあれが彼女たちの全米進出第一歩で、その後ワープド・ツアーで出会ったのが今夜の主役MOTION CITY SOUNDTRACK(以下MCS)なのだ。着実に自分たちの世界を広げている姿が頼もしい。元気一杯弾けながら、パーティのオープニング役をしっかり果たしていた。

続くは、BEAT CRUSADERS。ヒダカトオルは開口一番「どうもぉぉぉ、MCSでぇぇぇす」と、まぎれもない日本語で強引にJustin Pierre(MCSのフロントマン)になりすまし。おなじみAC/DCのAngus YoungのコスプレでJoshua Cain(MCSのギタリスト)になりすましたカトウタロウに至っては、下ネタ全開、会場中がおなじみの"とんでもワード"を一斉に叫ぶ事態に陥ったが、これもまた一興!? ステージ・パフォーマーとしての術を心得ている彼ら、演奏になると、そんなC調おとぼけMCとは打って変わって半端ないキレを見せ、凄まじい吸引力であっという間に観客を激しい歓喜とダンスの渦に巻き込んで行く。約40分という短い時間ではあったが、パンクでポップでロックなエンターテインメント・ショウは、その威力を十二分に発揮していた。

100316_mcst_01.JPG
100316_mcst_02.JPG

そんなビークルの歓迎&激励を受けてステージに登場したMCS。メガネにアフロのジャスティンは、映画『バス男』の主人公Napoleon Dynamiteを彷彿させるナードな佇まい。けれど、ひとたび声を発したら、その伸びやかな美声に紡がれていくリアルな言葉を一緒に歌いたいと思わないでいる方が難しいというもの。案の定、初っぱなから観客は大合唱で、さらにそれをキーボードのJesse Johnsonが煽る。「もっとでかい声で!!」。

100316_mcst_05.JPG
100316_mcst_06.JPG

昨年、リリースされた最新作『MY DINOSAUR LIFE』からの曲と、過去作からの曲をバランスよく配したセット・リスト。ビークルの演奏がお行儀よく感じられるほどの攻撃性と破壊力でガンガン突き進むが、そんな中でも、Justinの終盤になってもまったくへたれない安定感ある歌声が、きっちりメロディを聴かせることができるのは彼らの大きな強みだ。

100316_mcst_04.JPG
100316_mcst_03.JPG

何のてらいもなく、小細工もない演奏。けれど、まっすぐに、不器用な自分を隠すこともせずバカ正直でいる彼らが作る音楽は、共感を呼ぶ。一生懸命声を張り上げて歌っている観客の姿は、Justinをはじめとするメンバー全員を笑顔にしていた。かつてアメリカで観たDASHBOARD CONFESSIONALやTHE HOLD STEADY、日本でもMANIC STREET PREACHERSやWEEZERなど、音楽性も共感の呼びどころもそれぞれに違うけれど、バンドと観客が一体になって仲間意識を共有するという意味で、MCSもまたこれらの中に入れてしかるべきバンドだろう。ライヴ全体を見ると、どうしても起伏に乏しくなってしまいがちなのが個人的には少々残念だが、この"一気に駆け抜け感"が若者にはいいのかもしれない、とも思うのだった。

100316_mcst_07.JPG

Text : Mika Akao
Photo : Naoaki Nashima




EDITOR'S CHOICE LIVE REVIEW : "JAPAN TOUR 2010"



MOTION CITY SOUNDTRACK OFFICIAL WEBSITE
MOTION CITY SOUNDTRACK OFFICIAL WEBSITE Japan
MOTION CITY SOUNDTRACK OFFICIAL MySpace

New Audiogram: DISC REVIEW
LIVE REVIEW: MONTHLY ARCHIVES
LIVE REVIEW: SEARCH
LIVE REVIEW: ARCHIVES