2009.11.28 (sat) @ Shindaita FEVER, Tokyo
「じゃ、ガンガンいきます!」という武居の意気込みが、新代田FEVER2デイズの締めくくり、さらに10月から展開してきたツアーも締めくくる舞台に伝わり、満開の笑顔が咲いた。オープニング・ナンバー「Shine on Me」の雄々しい響きから、「Get Back」で疾走。堀越はアグレッシヴに身体を揺らしながらベースを刻み、ボトムを支える嶌田もドラムを連打だ。「新代田、元気ですか!」。直江は「Fighter Pilot」の曲中でファンを鼓舞し、力強く、かつ爽快なムードでライヴの幕は開いた。「今回はリリースツアーじゃないにも関わらず、各地本当にたくさんお客さんに来てもらいました。そういう中で僕らも、今ある曲でどう楽しませられるかを考え抜いて、全力でやってきました」と武居は語る。
2009年1月にリリースした最新アルバム『CROSSROAD』収録曲を要所要所に据えて、OCEANLANEが持つ多彩な音楽的側面を展開したこの日のメニュー。どこを切り取ってもサビに感じる、「Isn't she Lovely」の印象度満点なメロディ。武居がアコースティックギターにチェンジ、センチメンタルな音色を奏でた「Absent in the Spring」と、ピコピコ刻む電子音がキュートな「Falling In Love With TV Stars」という、振り幅が思いっきり広い楽曲を自然に同居させているのは彼らの面白いところだ。さらに、カヴァー・アルバム『Fan Fiction』からもこの日は「SMOOTH OPERATOR」をピックアップ。SADEがアダルトな雰囲気たっぷりに歌った80'sヒットナンバーを、いかにもロックバンドらしい高揚感あふれるサウンドで生まれ変わらせたところに、豊かな遊び心とセンスを感じる。
「来年はね、もうすぐに(次の作品を)出したいなと思ってるんですけど……。バンバン作ってもいいってもんじゃないから、大切に曲を書きたいなと思ってます」と直江。1曲1曲に真心を込めて作り上げた新作がそろそろ待ち遠しいところだが、その予兆をこの日はいち早くお披露目! 未発表の新曲「Chain of Hatred」は、イントロからギターアンサンブルで心がグッとつかまれる、力強さと美しさを兼ね備えたOCEANLANEらしい1曲だ。エネルギッシュなメロディを、ドライヴ感豊かなビートにのせて歌い上げる。
アンコールで、"来年の目標は?"と武居に振られた嶌田。「この会場の全員と一緒に、ツアーファイナルで"一気"したいですね!」と答えていた。来年のツアーでは、成人のみなさんは彼に一杯ぐらいおごってもらえるかも……なんて冗談はともかく(笑)。「来年はフェスとか出たいですね」という堀越の抱負どおり、2010年はさらに多くのライヴで会いたいという願いが、全メニューが終わってもやまないファンの歓声にはこもっていたかのよう。それに応えたダブルアンコールは、彼らにとってはキラーチューンと言ってもいい名曲「Sign」。メロディは美しく、流麗に。かつ、あくまでもロックバンドらしいダイナミズムあふれるサウンドに、フロアの人波は揺れに揺れた。この一体感を、来年はもっと大きな舞台で何度でも味わいたい!
Text : Toshitomo Doumei
Photo : Hisana Hiranuma
PREMIUM : Fan Fiction
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GALLERY : かりに、情熱に基く音楽だけが道徳的であるのならば、同様に、情熱の続く音楽だけが道徳的であると言える。しかし、道徳的な音楽だけが革新的であるとは限らず、曰く、道徳的な破壊。
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