2009.3.29 @ Shibuya CLUB QUATTRO, Tokyo
宮本菜津子(B,Vo)の慢性声帯炎により、2月分の公演が中止・延期となっていた "『ワールドイズユアーズ』ツアー" の最終日。渋谷クアトロは前売りソールドアウト、当日券もないほどの大盛況で、彼女たちのライヴをファンがどれほど待ち望んでいたかが伝わってくる。
ほとんどメンバーと言ってもいいほどおなじみとなった元WORDの吉野功(Dr)に続いて、石本知恵美(G,Vo)、宮本が登場しスタートしたライヴは、ループするフレーズで上りつめていく「She is inside,He is outside」で幕開け。切れ味鋭く、格段に太くなった演奏で、4曲目のインスト「RAT」まで一気に駆け抜けていく。その間、両手のピースでフロアにサインを送る宮本の満面の笑みがじつに清々しい。
続くMCでは、公演が中止・延期になったことへの謝罪と、集まってくれたオーディエンスに感謝を伝え、その涙を吹き飛ばすようなプレイで、初期の代表作といえる「delusionalism」、長尺の壮大なインスト「エンドロール」を。そして4月22日にリリースされるコンピ『Kill your T.V.09』への参加曲「ないものねだり」を、プロデュースも手がける中尾憲太郎・ベース、宮本・キーボードというスペシャル編成で演奏。プロデューサーというよりも、メンバーも「ほとんどマスドレです」と言うほど縁が深い中尾だけに、その演奏もはまりすぎ。続く「このスピードの先へ」でも、楽曲の持つ疾走感と透明感をいっそう表現していた。
後半、この日初めて口を開いた石本のMC以降は、怒涛の展開。そのキャラクターやヴォーカルの印象から、これまでは"キュート""コケティッシュ"という形容がぴったりだった彼女たちが、今ではじつに確信に満ちた演奏で、聴き手を圧倒していた。その変化は、もちろん人として、ミュージシャンとしての成長によるところもあるだろうけれど、自分たちの音楽を打ち鳴らすことに対して得た、手ごたえを表現するかのようでもある。この頼もしさと力強さで、これから彼女たちがどこまで行くのか、つくづく見届けたいと思ったライヴだった。
Text : Ayumi Tsuchizawa
Setlist
01. She is inside, He is outside
02. I F A SURFER
03. 青い、濃い、橙色の日
04. RAT
05. なんなん
06. さんざめく
07. delusionalism
08. エンドロール
09. ないものねだり
10. このスピードの先へ
11. かくいうもの
12. skabetty
13. ワールドイズユアーズ
14. ハイライト
15. ベアーズ
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