2009.8.23 (sun) @ HIBIYA YAGAI DAIONGAKUDO, Tokyo
ACTs : CUBISMO GRAFICO FIVE / FRONTIER BACKYARD / Riddim Saunter / YOUR SONG IS GOOD / 二階堂和美 / キセル / COMEBACK MY DAUGHTERS / イルリメ / E-MOTOROLL / RIKU (Fed MUSIC) / HAMAKEN (SAKEROCK)
DJs : Katchin' / MU-STARS / クボタタケシ / HALFBY / BILL & GATES
以前から告知があったように、夏の定番イヴェント"kakubarhythm meets Niw! Records"が、今年は5周年を迎えて、会場を野音に移して時間も内容も大幅に拡大して開催された。
RIKU
ハマケン
15分ほど押してスタートしたオープニングは、DJやけのはら、RIKU (Fed MUSIC)による弾き語り、ハマケン(SAKEROCK)の押し語りと、オープニングと呼ぶには惜しいほどの濃いラインアップ。Fed MUSICの曲やCOLDPALYのカヴァーをアコースティック・ギターの弾き語りで聴かせたRIKUに続いて、文字どおり、サンプラーを押しながらダンス&ラップ (?)を披露して、失笑&爆笑を買ったハマケンの後は、両レーベル・オーナーによる鏡割りで幕を開けた。
COMEBACK MY DAUGHTERS
そうしてスタートした本編は、メイン・ステージとDJブースに分かれ、パフォーマンスが進行。トップを飾ったのは、もはやレギュラー・メンバーとなったCOMEBACK MY DAUGHTERS。名作「BIRD'S TRADITION e.p.」から「Oh Smoke Sister」~「Sissy Walk」という2曲で一気に会場を盛り上げる。この日は、稗田淳の不参加によりサポートによるベース、そして演奏が始まった直後にバスドラが破れたりとアクシデント続きだった彼らだが、それでもバンドの生むグルーヴはあたたかく、密で、彼ららしいステージだった。
イルリメ
次にDJブースに登場したイルリメは、7インチを大量に撒きつつ、ステージに立ってパンツの中から国旗を出したり、ポンポンで踊ったりと、なんでもありのパフォーマンス。その自由奔放さは、観客と同時に出演者も煽ることになったはずだ。
FRONTIER BACKYARD
メインに現れたFRONTIER BACKYARDは、激しい演奏ながらどこか楽しそう。いつもの緊張感みなぎるステージも良いけれど、彼らの勢い重視のパフォーマンスは、会場の温度をいっそう上げてくれる。リズムとメロディが次々に変容していくアレンジの「JUNKY BEAT」では、バンドの真価を見たようだった。
二階堂和美
そんな熱いライヴを引き継ぐのは、真っ白のシャツ&パンツで登場したDJ Katchin'。クロスオーヴァーでありつつ端正な彼のDJに続くのは、広いステージにギター1本で登場した二階堂和美。アカペラで伸びやかな響きのある声を聴かせたかと思えば、様々な弦楽器をほうふつさせる声色で歌ってみたり、アコギを弾き語りながらしっとり歌い上げたりと、そのシンプルなステージから繰り出されるカラフルな声に、会場は釘付けになっていた。
Riddim Saunter
そして、今年の夏も多くのフェスやライヴで大活躍だったHALFBYの登場で一斉に立ち上がり踊り出した観客は、そのまま、Riddim Saunterのライヴを大歓声で迎える。彼らもまた、「Dear Joyce」や「FRESH」などパーティ・ムードあふれる選曲と自由度の高いアレンジで、このイヴェントのためのパフォーマンスを準備してきたことが伺える内容だ。
イーモトロール
キセル
そんなふうに、ライヴが進むにつれますます自由度が高くなっていったのも、このイヴェントの楽しいところだった。MCゴメスやマグロックら次々とゲストを呼びつつ、さらに盛り上げたイーモトロールでは観客は通路にはみ出しながら踊り、インディーズ時代の名曲「ハナレバナレ」で、独特の浮遊感を夕暮れに漂わせたキセルでは、目を閉じて聴き入っていたり。野外の心地よい空気の中だからこその開放感が会場全体を包んでいた。
CUBISMO GRAFICO FIVE
残すところ2バンドとなり、クボタタケシのDJに続いては、CUBISMO GRAFICO FIVE。気が付けば結成6年を超え、ますますフィジカルに進化したバンドの演奏が野音の隅々まで行き渡っていく。途中、ハマケン、リディム・ANIKI、moeee young!というホーン隊を迎え、レゲエ風の「What A Wonderful World」を披露したかと思えば、ヴォーカル・グループさながらに歌い上げたり、ハードコア・アレンジの「Jamaica Song」と、バラエティ豊かなセットリストがいかにも彼ららしい。ここ最近はあまりライヴを観られるチャンスがなかっただけに、心行くまで楽しんだファンも多かったはず。
YOUR SONG IS GOOD
そして、9月30日に4年ぶりとなるニュー・アルバム『BGM LP』をリリースするMU-STARSによるパフォーマンスに続いては、トリのYOUR SONG IS GOODの登場。YSIGのパンク・サイド「A MAN FROM THE NEW TOWN」から始まったライヴは、「MOVE OR DIE」「THE CATCHER IN THE MUSIC」「ブガルー超特急」とキラー・チューンぞろい。ラストの新曲まで、かっこよくて楽しい、バンドのキャラを端的に表現するようなライヴを展開した。
とはいえこれで終われるはずがなく、アンコールは出演者全員で、YSIGの「あいつによろしく」を「『WE ARE THE WORLD』的に」(JxJx談) カヴァー。ステージにずらりと並んだ出演者の豪華さもさることながら、これだけたくさんのアーティストを同じレベルで楽しめるイヴェントもほかにないだろう。ライヴ終了後の、「8時半だから早く帰ってー」という追い出しMCも含め、アーティストと観客の距離もグッと近く感じられて、改めて、さまざまな意味で貴重なイヴェントだと思う。
Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
PREMIUM : KAKUBARHYTHM meets Niw! Records 5th anniversary Special Talk Session
EDITOR'S CHOICE LIVE REVIEW : "KAKUBARHYTHM meets Niw! Records" 2008
KAKUBARHYTHM OFFICIAL WEBSITE
Niw! Records Official Website
YOUR SONG IS GOOD OFFICIAL WEBSITE
CUBISMO GRAFICO FIVE OFFICIAL WEBSITE
キセル OFFICIAL WEBSITE
Riddim Saunter Official Website
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