2010.4.9 (fri) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo
メジャー・デビュー・シングル「ひきずるビート / まで。」のリリース記念として、意外にも初となるワンマン・ツアーを開催したMASS OF THE FERMENTING DREGS(以下、マスドレ)。個人的には、長くバンドをサポートしてきたドラムの吉野功が正式に加入、改めて3ピースとなった彼らの1発目のライヴだった。
開演までの時間になんとなく感じていた、"マスドレのライヴを見るにはリキッドルームは広いのかも"という思いは、バンドの発する爆音が会場の隅々にまで響いた1曲目「She is inside, He is outside」から消え去った。彼女たちのライヴはすでに、会場の広さに左右されないものへと成長していたようだ。
2006年に発表した自主盤「kirametal」から、スローなりに確かな足取りで活動を続け、いくつかの岐路を越えて今回のメジャー・ビューへと至ったことを考えると、当初から応援してきたファンにはそれなりの感慨や感傷も生まれているかもしれない。とはいえ、全力で走る3人の演奏と歌は、そんな思考を遮るように彼女たちのロックを叩きつけてくる。スケール感ある新曲から、シングル曲「まで。」、1stアルバム『MASS OF THE FERMENTING DREGS』収録曲「skabetty」の流れは、彼女たちの曲の持つ、誰の心にも届くポピュラリティがさらに進化を遂げていることを物語っていたし、"ためらってたらライヴ終わりますよ?"とフロアを煽るヴォーカル / ベース・宮本奈津子の言葉は、力強く、確信に満ちていた。
また、この日は宮本の誕生日で、ギター・石本知恵美から"なっちゃんの誕生日ー!"と紹介はあったものの、その後もライヴのテンションが落ちることは一度もなかった。続く「エンドロール」のあふれる緊張感や、もう一度気合を入れ直すように絶叫が響いた「ひきずるビート」、そして、ラストへ向けて畳み掛けていった「delusionalism」「ワールドイズユアーズ」「ベアーズ」。アンコールもなく、笑顔でステージを去った3人は、今日の余韻よりも、明日からのバンドのことを見据えているように見えた。
Text : Ayumi Tsuchizawa
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