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2009年もすばらしい音楽との出会い、そして心が震えるようなステージを目の当たりにした1年でした。また、その類まれなる才能で、世界、そして日本の音楽界をリードしてきた巨星が去った年でもありました。New Audiogramでは、そんな1年を振り返るべく、それぞれ "Best of 2009" として、「BIG NEWS 5」「BEST ALBUM 5」「BEST LIVE 5」を選出。2009年は、いったいどんな年だったのでしょう?
※掲載順はランキングではなく、時系列になっております。
ELLEGARDENメンバーがそれぞれ本格始動、ニューバンド結成! (2009.1.12, 1.29, 4.6)
2008年、もっとも衝撃的な音楽ニュースはELLEGARDENの活動休止だったんじゃないだろうか。人気の絶頂にあった彼らから突然告げられた別れに多くのファンが涙したが、2009年に入るとメンバーがそれぞれ活動をスタート。まず、ギターの生形真一はストレイテナーの日向秀和らと共にNothing's Carved In Stoneを、ドラムの高橋宏貴はScars Boroughを、そしてヴォーカルの細美武士はthe HIATUSを結成して、シーンの第一線に再び帰還した。ELLEGARDENで過ごした時間を基にしながらも、それぞれ新たな表現方法を目指し、そして手にしたことを強く実感させるサウンドで、2年目となる2010年も大いに暴れてくれそうだ。
Michael Jackson、忌野清志郎、アベフトシ、志村正彦他界。 (2009.5.2, 6.25, 7.22, 12.24)
別れは突然やってきた。Michael Jacksonは不死身だと思っていた。清志郎とは再びフジロックのステージで再会することになっていた。アベフトシはいつかまたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTで鋭いギターを鳴らしてくれるはずだった。そして、新たなバンド像を描き出した志村正彦は、2010年により大きくなった姿を見せてくれたことだろう。それぞれ時代を象徴するような存在であり、また多くの人たちが彼らと時間を共にして生きてきたと言っていい。しかし、彼らの音楽は消えたりはしない。これからも聴き継がれ、また新しい世代によって、より大きな存在へとなっていくことだろう。だからこそ、彼らの音楽は古びれることなく、いつまでも新しいのだ。R.I.P.
OASIS解散? (2009.8.29)
Noel、LiamのGallagher兄弟によるケンカは日常茶飯事で、これまでにも幾度となく解散の危機が訪れては乗り越えていったOASIS。しかし、ついにその時はやってきた。Liamとはもうやっていけないと決断した兄のNoelが8月末に脱退。そのことに対して、互いに言い分があったものの、残念ながら関係修復には至らなかった。Noelはソロ活動の道を選び、そしてLiamは残されたメンバーと共にバンドを続けていくことを決意。OASISの名前を継続するのか、それともOASIS 2.0という名前で再出発を図るのかは、今だに定かにはなったいないが、ひとまずそれぞれの道を歩むことになりそうだ。
SUMMER SONIC 10周年! (2009.8.7, 8.8, 8.9)
2000年に山梨県の富士急ハイランド・サウンドコニファー229と大阪市のWTCオープンエアスタジアムで第1回目が行われたSUMMER SONIC。場所を千葉の幕張メッセと大阪の舞洲に移して都市型音楽フェスティヴァルとして発展を続け、ついに2009年に10回目を数えた。ちなみに第1回目に出演したGREEN DAYやCOLDPLAY、WEEZERたちは、その後も出演。年を重ねるごとに規模が拡大していき、今では東京が7つ、大阪が6つのステージが設けられ、音楽だけでなくお笑いや映画など、総合エンターテイメント的なフェスティヴァルへと成長した。その記念すべき10回目となった2009年は従来の2日間から3日間へと開催日程が増え、例年以上の盛り上がりに。2010年も期待が高まるばかりだ。
John Frusciante レッチリを脱退。 (2009.12.16)
どういうわけか、ギタリストが長続きしないRED HOT CHILI PEPPERS。約10年間にわたってギターを務めたJohn Fruscianteでもう安泰だろうと見られていたが、やはり彼も辞めてしまった。そもそもJohnは88年にヘロインの過剰摂取で亡くなったHillel Slovakの後任として89年に加入したが、92年に突如脱退。しかも日本ツアー中で大きな話題となった。しかし、99年に再びバンドに戻ったことでファンから安堵の声が聞かれたが、ソロとしての活動も並行させていたJohn。このたび自分の音楽性を追求したいとのことで、ほかのメンバーも理解を示してくれて円満な脱退となった。来年リリース予定のレッチリの新作がどう変わっているのか、早くも気になるところだ。
ストレイテナー 『Nexus』 (2009.2.11)
日本を代表する最強の3ピース・ロックバンドを経て、さらなるネクスト・レヴェルの進化を求め、ギタリスト大山純を迎えて生み出されたストレイテナーの記念碑的アルバム。4人となったことで広がったアレンジの幅は「Little Miss Weekend」のようにストレートなナンバーをより激しく進化させ、「イノセント」のように壮大で繊細なナンバーではホリエが鍵盤を弾き、大山がギター弾くことでアレンジの幅が広がり、楽曲の持つ説得力と深みをより確かなものへと進化させている。ホリエ、ナカヤマの2人組からから始まり、日向秀和の加入をへて辿り着いた今作は、まさに4人組ストレイテナーの初期衝動が詰め込まれた第3のデビュー作ともいえる作品だ。(New Audiogram STAFF 田中)
ストレイテナー - Nexus   icon
MONO 『Hymn To The Immortal Wind』 (2009.3.4)
シングルをまとめた編集盤とライヴDVDの次に来るものは、MONOの新境地を360度にわたって見せる作品になると確信していたが、まさかこれほどのものになるとはと、作品を初めて手にしたとき驚かされた。オーケストラと轟音ロック・バンドが美しく壮大な音像を形成する、このイマジネイティヴなサウンドが描き出すのは「映画とか本に近い世界を音楽で提示できると思った」とNew AudiogramのインタヴューでTAKAが語った通り、短編映画のようなストーリー性のある展開。聴き終えたときの圧倒的なまでの感動の量感は、今もなお変わることがない。(New Audiogram STAFF 中島)
MONO - Hymn to the Immortal Wind   icon
PHOENIX 『WOLFGANG AMADEUS PHOENIX』 (2009.5.27)
フランスが生んだ最高のロックバンド、PHOENIXの4枚目のアルバムとなる本作。リリースに先駆け、無料配信された「1901」ではシンセを多用したエレクトロなアプローチで驚かせてくれたが、アルバムでも前作までのバンド然としたところ(メロディに対するギター2本の絡みは相変わらず素晴らしいセンス)を残しつつも、随所にシンセベースやパッドなどをふんだんに取り入れ、新たなPHOENIXサウンドを聴かせてくれる。そして、彼らにしか生み出せない美しいメロディも健在で、より繊細に、よりダイレクトに聴くものに訴えかけてくるThomasのヴォーカルも素晴らしく、非の打ち所がないアルバムに仕上がっている。(New Audiogram 編集長 溝口)
Phoenix - Wolfgang Amadeus Phoenix   icon
THE BIG PINK 『A Brief History of Love』 (2009.10.14)
UKの音楽メディアが2009年こぞって取り上げた大型新人、THE BIG PINK。だが彼らは蓋を開けてみれば、新人とは言い難いUKインディ・シーンの顔役であった。シンセサイザーのMilo Cordellはインディ・レーベルのMerokを主宰し、KLAXONS、CRYSTAL CASTLESをいち早くリリース。すでに一目置かれてた存在だった。そういった音楽ビジネスに携わっている者が、バンドをやると少し仰々しすぎたり、頭でっかちな印象が拭いきれないのだが、彼らはまったくもって新しかった。サイケデリックなフィードバック・ノイズに妖しく煌めきながら誘ってくる音像で紡ぐ壮大な世界観。陳腐な愛についての歌は確信犯的にその存在感を鮮烈に焼き付けた。2010年代以降、彼らがTHE BIG PINKという名前で活躍するかは、まだわからない。ただ2000年代最後に彼らが残した功績は讃えられるべきだろう。(New Audiogram STAFF 小野寺)
The Big Pink - A Brief History of Love (Bonus Track Version)   icon
THE XX 『XX』 (2009.12.9)
ダークでゴシックな空気感をまとったバンドは2009年にはもう珍しくもなくなってしまったが、このロンドン出身の男女3人組が鳴らす音は違った。そうした雰囲気を出そうとして出たのではなく、ミニマルでいびつなサウンドから自然に放たれたのだと言っていい。ロックのフォーマットを採用しているものの、ダブ・ステップやエレクトロなど街が発しているサウンドを皮膚感覚として捉えて、自らのものにしていった過程が、このデビュー作からかいま見ることができる。残念ながら本作には収められていないが、FLORENCE AND THE MACHINEによるTHE SOURCEのカヴァー「You Got The Love」のTHE XXリミックスはオリジナルを超えた出来ばえで、ぜひ聴いてみてほしい。(New Audiogram STAFF 油納)
STRAIGHTENER "Nexus Tour Final"
2009.5.8 (fri) @ NIHON BUDOKAN, Tokyo
新生ストレイテナーが行き着いたのは『Nexus』という強靭かつしなやかな傑作だけでなく、全アーティストの目標であり到達点でもある日本武道館。その大舞台を「日々の苦しみを忘れて純粋に笑顔になれる空間」だとホリエがMCで話したように、バンドと観客が非日常空間で同じ想いを共有した一夜だったと言っていい。その瞬間が当日の模様を収めたDVD『NEXUS TOUR FINAL』に刻まれている。
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DEERHUNTER & AKRON / FAMILY "JAPAN TOUR 2009"
2009.6.8 (mon) @ Shibuya O-WEST,Tokyo
ACTs : DEERHUNTER / AKRON/FAMILY / ATLAS SOUND
シューゲイザー・リヴァイヴァルから派生したニューゲイザー・シーンの最重要バンドであるDEERHUNTERと、そのアシッドでフリーフォームなフォーク・サウンドで絶賛されたAKRON/FAMILYらによるカップリング・ツアーは、まさに米インディが放つリアルな空気感を感じ取れたライヴであった。まるでこの世のものとは思えない幽玄としたグルーヴに観客がとりつかれていたのが印象的だった。LIVE REVIEWはコチラから!

凛として時雨 TOUR2009 "last A moment"
2009.6.21 (sun) @ ZEPP TOKYO, Tokyo
2009年、最もライヴを観たいと思わせたバンドのひとつが凛として時雨であった。その圧倒的かつ予測不能のアンサンブルが打ち立てていく音像は時に冷たく、時に柔らい表情を持ち、変幻自在にその様子が移ろい、ZEPP TOKYOいっぱいに緊迫感や焦燥感を充満させていく。正体不明とも言うべき、そのバンド像は2010年もより大きく、より不確かなものになっていくことだろう。
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ZAZEN BOYS "MATSURI SESSION独演会~スペシャルゲスト立川志らく~"
2009.9.10 (thu) @ Shibuya C.C.LEMON HALL, Tokyo
ひとつのステージにロックと落語が同居する。そう聴いてもおかしく感じられなかったのは向井秀徳が、いかに良い意味で非常識な男であることが認知されているからだろう。落語家の立川志らくを迎えて行われた前代未聞のコラボレーションはZAZEN BOYSが張り巡らせた緊張感を志らくが解きほぐしながら、共に物語性のある深い世界へと引きずり込んでいった。この組み合わせ、実に癖になる。
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ARCTIC MONKEYS "JAPAN LIVE 2009"
2009.10.19 (mon) @ NIHON BUDOKAN, Tokyo
もはやデビュー時の面影はなかった。『HUMBUG』と言う重戦車級のサウンドを鳴らす最新作を作り上げた自信と余裕が4人をことさら大きく見せていく。しっかり強弱と緩急が付けられた展開と、武道館という特殊な空間がかもし出すのはバンドが持つ野心と貫禄。たった数年の間に恐竜のような圧倒的な存在感を放つようになったが、今が頂点ではなくひとつの到達点に過ぎないのは言うまでもない。
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