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LIVE REVIEW

ストレイテナー "10th Anniversary 2013.2.17 Live at 日本武道館「21st CENTURY ROCK BAND」"

2013.2.17 (sun) @ 日本武道館

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1998年にホリエアツシ、ナカヤマシンペイの二人編成でライヴ活動スタート、2004年にベーシスト・日向秀和が正式加入、2008年にギタリスト・大山純が加入、etc……。バンド結成以来、様々な節目を経ながら日本のロックシーンに確固たる存在感を刻みつけてきたストレイテナーが、今年2013年、ついにメジャーデビュー10周年を迎えることとなった。

ホリエ「今日は、皆さんが選んでくれた曲たちをやります。みんなで作った“セトリ”、セットリスト……。だから、みんなは今日は、受け取る側じゃないですよ。作り手側ですよ。俺達は、感謝の気持ちと、魂を込めて演奏します」

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自身2度目となる日本武道館ライヴは、ファン投票によるリクエストからセットリストを決めるという、10周年を祝福するアニヴァーサリー・ライヴにふさわしい特別な一日だ。これまでのストレイテナーをサポートしてきたファンは、それぞれの思い入れを選曲という形でファンへ届ける。それを受け取るメンバーは、感謝の気持ちを音に込めて届ける。まさに、双方の“魂”のやり取りが、日本武道館に巨大な一体感を生んだ。

そんな記念すべき一日は、メジャーデビューシングル「TRAVELING GARGOYLE」で幕が切って落とされた。飛立って行くのさ、次の時計塔へ━━。メジャー・シーンへの新たな旅へ飛立った彼らの心情を代弁するかのようなリリックが、スピード感豊かなサウンドに後押しされて疾走していく。そして「ARK」、「星の夢」へとさらに続いたセットリストは、「“帰れま10”だったら俺ら絶対帰れない(笑)」とホリエが言うほど、メンバーにも予想できない曲達も交えて多彩な展開を見せる。この日がライヴ初披露となった「LEAP IN THE DARK」、かと思えば「Discography」の高速ビートは、これまでの数限りないライヴを熱狂させ続けてきた風景と同様に武道館を激しく揺らす。そして、「KILLER TUNE」はまさに、彼らのライヴの“キラーチューン”。「席があると周りの人とか気になっちゃって縮こまってたら、もったいねぇぞ!」。客席の光景はまさにホリエのアジテーション通り、日本武道館にライヴハウスのフロアと何ら変わらない熱狂の渦だ。

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ナカヤマ「あぁーっ! おめぇらが言うから、“真空”突き抜けたぜ! おめぇらがどうしてもって言うから、ホリエアツシが“真空”突き抜けたぜ!」

真空突き抜けて行く、音のない弾丸、突き破る虚空━━。「GUNSHIPRIDER」で中盤を迎える頃には、ナカヤマがテンションの上がりきった面持ちで叫ぶ。そのテンションがダイレクトに叩き込まれているようにも感じる、ストレイテナーの真骨頂的なエッジの利いた鋭い音の塊が突き刺さるとともに、ライヴはその表情を多彩に変化させていく。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムの一音一音が繊細に重なった「WHITE ROOM BLACK STAR」や「Farewell Dear Deadman」。そして「シンクロ」や、セットリスト・リクエストのファン投票で第一位に輝いた「SAD AND BEAUTIFUL WORLD」などでは、ホリエが鍵盤に楽器をスイッチする。ライヴハウスもホールも関係ない高揚感とともに、この美しき音色もまた彼らの本質のひとつと言ってよいだろう。叙情的なメロディが伝える情感に、日本武道館は感動の拍手と歓声で包まれる。

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さらに、メジャーデビュー以来の10年間に拓かれてきたストレイテナーの新たな可能性が、武道館のステージでスペシャルな形で表現される。「From Noon Till Dawn」は、サックス・プレイヤーの田中邦和、SOIL&”PIMP”SESSIONSからタブゾンビ&元晴がトランペットとサックスで10周年記念ライヴに華を添える。ストレイテナーとブラス隊のコラボレーションは一見意外な組み合わせにも見えそうだが、ときには自らの音色だけでなく外部の血を加えるなど、様々な実験にトライして新境地を開拓するオルタナティヴさもまたストレイテナーの“らしさ”だ。その化学反応が生む刺激的なステージに、ホリエは「ヤベェーッ!」と歓喜の声を上げる。そして、ナカヤマも息を弾ませながらそれに続く。「親愛なる日本武道館の“BERSERKER”たちへ!」。強烈なドラミングから始まった、一発一発に“魂”を感じるサウンドが疾走する「BERSERKER TUNE」と、大山が躍動的にハーモニカを響かせた「YES,SIR」で、アリーナ席、1階スタンド、2階スタンドがファンの突き上げる拳で埋め尽くされた。

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ホリエ「10年っていってもメジャーデビュー10周年なんで、バンドの歴史はもっと長くて。で、ひなっちが入って、OJが入って……。どこに節目を持ってきていいか分からないので(会場笑)、今回あえて、デビューの10周年をお祝いしようってことで、今年はガッツリやっていきたいと思います」

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メジャーデビューからの10年と、さらにさかのぼり、結成からの歴史をしばし振り返りながら、52本の全都道府県ツアー、ベスト・アルバム『21st CENTURY ROCK BAND』のリリースなどが待つ、さらなる今後への意欲を語るホリエ。盛大な歓声の中で、大山はファンへ拍手を返し、日向は深い一礼で応え、ナカヤマはドラムセット上で立ち上がり客席を臨む。そして、ファン、スタッフ、バンド&ミュージシャン仲間への感謝をホリエがあらためて伝え、「羊の群れは丘を登る」と「REMINDER」から「MARCH」へと楽曲を継いでいく。ピアノの旋律と歌声、轟音ギター、力強いリズムセクションが一体になり、大きく広がっていくアンサンブル……。雄大なスケールで飾ったエンディングに、この日何度目になるか分からない感動的な歓声が響き渡った。

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さらに、これまでのストレイテナーの歴史を見守ってきたリスナーなら誰もが感動したに違いないシーンが続く。自らを呼ぶファンの声に応えたアンコールは、結成当初のストレイテナーを再現するかのように、ホリエとナカヤマのツーピース・スタイルで「SILVER STAR」を披露する。その2人と日向が握手をガッチリ交わし、スリーピース・スタイルで披露した「MAGIC WORDS」。さらに「ネクサス」は、同じように3人と大山が握手をガッチリ交わし、フォーピース・スタイルで披露だ。「ドラム、ナカヤマシンペイ! ベース、ひなっち! ギター、OJ! ヴォーカル、ホリエアツシ! これから10年先も、このバンドを、この音楽を応援して下さい。よろしくお願いします!」。ホリエがあらためてメンバー紹介をしたシーンと、それに続いた「MELODIC STORM」の高らかなメロディに、彼ら4人が作って来た歴史を凝縮して見せられたような気がして、思わず胸が熱くなる。

ホリエ「できるだけ、皆さんの近くで音を鳴らしていきたいなと思います。今年もツアーをまわります。俺達の音楽が、みんなの何かの支えになったらいいなと思います。今日はありがとう!」

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リスナーを高揚させる、刺激的なサウンド。そして、胸を焦がすメロディ。ストレイテナーというロックバンドの魅力を象徴するかのような1曲「ROCKSTEADY」で、メジャーデビュー10周年を祝福するステージの幕は閉じられた。表現手段を様々に変えながら、そ聴き手の心のど真ん中を貫く音楽を鳴らし続ける彼らのストーリーは、さらに続いていく。そして、その音楽を通して伝わるエネルギーが、これからの彼らのライヴをさらに熱い空間にしていくに違いない。

Text : Toshitomo Doumei
Photo : Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)


Set List
01. TRAVELING GARGOYLE
02. Ark
03. 星の夢
04. LEAP IN THE DARK
05. Discography
06. Toneless Twilight
07. Man-like Creatures
08. KILLER TUNE
09. GUNSHIPRIDER
10. WHITE ROOM BLACK STAR
11. COLD SLEEP
12. Farewell Dear Deadman
13. Lightning
14. シンクロ
15. The Novemberist
16. Sunny Suicide
17. ETERNAL
18. Dive
19. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
20. AGAINST THE WALL
21. From Noon Till Dawn
22. BERSERKER TUNE
23. YES,SIR
24. 羊の群れは丘を登る
25. REMINDER
26. MARCH
EN1. SILVER STAR
EN2. MAGIC WORDS
EN3. ネクサス
EN4. Melodic Storm
W-EN. ROCKSTEADY




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