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LIVE REVIEW

ストレイテナー "21st CENTURY ROCK BAND TOUR"

2013.12.1 (sun) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo

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今年3月の日本武道館でのリクエスト・ライヴの終幕に発表された今回のバンド史上2度目となる全国47都道府県ツアー、全52公演分の51番目の公演。各地の会場がスクリーンに投影されるたびに起こった歓声の何倍もの情熱を交歓してきた4人が、今、新木場スタジオコーストのステージに立っている。メジャーデビュー10周年イヤーであることはもちろん、自分を含めオーディエンスは長い旅を経てきた屈強な4人のファイターを迎え入れ、そして今日以前の50公演以上の情熱で4人と感情を交歓し拮抗する気合充分に見えた。いや、実際そんな心持だった。

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オープナーはベスト・アルバムの冒頭同様「ROCKSTEADY」で痛快に疾駆し始める。<僕らは進まなくちゃ 先を急がなくちゃ>、そう。結成当時からあらゆる音楽的エレメントに積極的にコミットし吸収・昇華してきたストレイテナーはステージアップしながら意識的にこの通奏低音を鳴らし続けているのだ。それにしても出音の分離と4人の演奏バランスの良さに釘付けになる。特に「ETERNAL」や新曲「BRILLIANT DREAMER」など、どこまでも透徹しながら疾走するナンバーでのホリエの伸びやかなヴォーカル、ギターのカッティングとアルペジオの粒立ちの良さは、現実的に彼らがギターロックバンドであり、そしてその可能性を究極まで研ぎ澄ませてきたことを証明するに余りある演奏そのものの素晴らしさを目に当たりにさせてくれた。またリズムに対するアプローチで目を見張らせたのがブリストルテクノ辺りの不穏とヒップホップの肉体性を表現した「REST」、ここ数年のUSインディと共振していたことを今さらながら実感する民族音楽的なリズムとエキゾティシズムが際立つ「VANDALISM」で、彼らの音楽的貪欲さとツアーで無駄を削ぎ落したアンサンブルの美しさを堪能。作品リリース時には多少実験的な前のめり感のあったナンバーが見事なまでに血肉化している、その洗練。この日のライヴの大きな発見のひとつと言えるだろう。

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新曲と言えば最新作であるミニ・アルバム『Resplendent』収録曲5曲すべてが効果的に配され、新旧の違和感全くなしに全曲プレイされたことも喝采に値するんじゃないだろうか。OJとひなっちのさながらファンク〜フュージョン寄りなチェイスがスリリングな「BLACK DYED」から自然に繋がる「Man-like Creatures」、エモもスカも解体再構築したようなビートと構造を持つ「シンデレラソング」が怒涛のようにたたみかけ、新しいスタンダードとして「SCARLET STARLET」が早くもファンにとっても内面を燃焼させるカタルシスのピークを醸成しているのが頼もしかった。そしてもうひとつの新曲「WISH I COULD FORGET」でのホリエの声同様、彼の基調音とも言えるギターのアルペジオ、アンサンブルの調和の美しさは、そこから本編ラストの「Melodic Storm」に至る大げさに言えば生きることへの祝福の口火を切っていたし、ファンとともに生き方の物語を紡ぐこのバンドの力強さを体現してもいた。

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ストレイテナーは音圧や音量、ましてやBPMの速さで押し切るライヴをしてきたバンドではない。しかしここまで楽曲と演奏至上主義的な展開でオーディエンスを感動させるレヴェルに到達している事実に遭遇すると、長くこのバンドを見続けていた幸福を感じざるを得ない。随所に長丁場のツアーならではのエピソードをホリエとナカヤマがおなじみのカジュアルなやりとりで聞かせてくれたりして、飽くまでいつものストレイテナーのライヴではある。「自宅から会場に向かうことのほうが非日常」と話したホリエはツアー中ずっと動画を録り続けており、東京公演のこの日もカメラを回していたと、自分でも少々不審かもと自嘲していた。「今朝、ツアーでもらった手紙を読んで、つくづく僕たちはあなたたちに生かされていると感じて幸せな1日の始まりを迎えられた」と感謝を述べるナカヤマも、今回のツアーの意義を噛み締めている様子。そんな目の前にいる一人ひとりの思いを受け止めてきた旅の終盤ならではの、次へ向かう意志の力。そのことを証明するかのように、アンコールでは「俺たちが道を作って行きます」というホリエの頼もしい一言とともに「A LONG WAY TO NOWHERE」が、そしてこれからも音楽がどんな荒野も切り拓いていくだろう決意の「REMINDER」が、この日の最後に鳴り響いた。どこまでもロマンティックなバンドだと思う。だが、それはただの夢じゃない。オリジナル・ニュー・アルバムへの渇望感がすでに半端じゃない。彼らが見る次の地平を待ち望んでいる。

Text : Yuka Ishizumi
Photo : Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)



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